2022.6.3 日本最古の芸術作品・縄文土器の謎
学校の授業で始めの方に習う下のような縄文土器。
不思議な文様をしていますよね。
実は、この文様に“ある重要な意味”が込められていたことをご存知でしょうか?
学校の授業では、
「こういう縄文土器があった」
と教えられるくらいで、詳しい説明はされません。
ということで、今回は“縄文土器の網目紋様にどんな意味があるのか”について書いていこうと思います。
これらの土器の多くには、表面に縄目の文様がつけられています。
そこから、縄文土器と呼ばれています。
なぜ縄目の文様がつけられたのでしょうか。
学者たちは記録がないからと、はっきりしたことを答えてくれません。
その頃は文字を必要としなかったのだから、記録がないのは当たり前です。
しかし、古くから日本人の暮らしの中に、あるものを通して推測することはできます。
縄で思い浮かぶのは、神社の拝殿の正面に飾られている注連縄です。
神木とされる巨木の幹にも注連縄が巻かれているのを見かけます。
お正月の玄関飾りも多くは縄で出来ています。
これらは、張られた縄の内側が清らかで神聖であることを示しています。
“縄は外から穢れたものが入ってこないようにする境界”でもあったと思われます。
貯蔵用にしろ、煮炊き用にしろ、土器の内側に入れられるのは大切な食べ物です。
穢れや非衛生的なものが入ってはなりません。
縄目の文様はそれを防ぐ意味があるのでしょう。
また、土器が清らかで神聖なものだという気持ちを表していると思います。
祖先たちは清らかなものを大切にする気持ちが強かったのです。
縄文土器の中には、冒頭に紹介したような火焔土器と呼ばれるものがあります。
装飾性の強い、炎を思わせるダイナミックで躍動的な造形が特徴です。
世界中の博物館には、数え切れないほどの土器を展示していますが、火焔土器のような造形的にすぐれた素晴らしいものはほかにありません。
“火焔土器は日本最初の芸術作品”と言って良いでしょう。
縄文土器には炎だけでなく、水の動き、雲の動き、大鹿の角などを思わせるものもあります。
自然に親しみ、畏れ敬い、それを形に捉えて表現した祖先たちの心が感じられます。
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