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必要のない事業ほど利益が残るという現実からあなたが学ぶべきこと

鶏卵が値上がりしました。JA全農たまごが発表している相場情報によると2022年3月1日に1kgあたり190円だったMサイズ卵は、2023年3月1日には1kgあたり335円に。約1.76倍への価格上昇。

卵価格の推移

卵1個の価格に投資ができていれば年間リターン+76%ですよ。

仮に2022年3月1日に「ねぇねぇ、美味しい話があるんだけど聞いてくれない?ーーあのね、鶏卵に投資するの……。」と+76%のリターンが得られる投資話を持ち掛けられようもんなら、確実にそいつとの縁を切っていました。もちろん、そんな金融商品は存在しないし、意味の分からない仮定の話なんですけどね。

世の中には平均的な利回りというものがあります。平均リターンを大幅に上回る話があなたのもとに舞い込んだときは詐欺だと思ってください。

”月利何%”なんて話が出てくれば100%詐欺です。月次のリターンを追いかけるようなせっかちは他人に金を預けて投資をするな、と言いたい。

話がそれてしまいましたが、卵の値上がりの影響を受けて、コンビニで卵を使った商品の販売停止大手飲食店の焼肉キングではトリュフ香るTKG(卵かけご飯)に卵が使えなくなったことでトリュフ(T)香る(K)ご飯(G)を提供することになったと一部界隈では話題になりました。

↓一部界隈↓

大きな要因は鳥インフルエンザによる大規模な殺処分と言われていますが、今回話したいのはそんな話ではありません。

今回話したいのは「必需品ほど安売りされるよね」ということ。ひいては「必要ないモノの方が利益が残っちゃうよね」という悲しい現実。そして、そこから私たちスモビジオーナーが儲けるために何を学ぶべきか?についてお話をさせていただきます。

卵が1年間で+76%の値上げって、元が安すぎるだけでは?

2022年3月1日のMサイズ卵の価格は190円/kg。そもそもこれが安すぎません?農林水産省で定めた鶏卵規格取引要綱によると、Mサイズ卵の重さは、殻付きで58g以上~64g未満。

1kgあたり何個くらいの計算になるか?15.6個~17.2個ですよ。

つまり、2022年3月1日時点では15.6個~17.2個の卵で190円、安すぎでしょ。

「いやいや卸価格だから、そこから小売りに回るまで高くなるから」

とか言ってる人は現実を見てください。近隣のスーパーに売ってる卵の価格を見たらわかると思いますが、高くなったといわれる今でも10個300円そこそこで売ってますよね?

1個当たり30円ですよ?安すぎません?高いとか安いというのは比較対象ありきの話なので「高くなった」という感覚を持つのは間違いではありません。というかあってます。

しかし、鶏を育てて卵を取って、もろもろの手続きを終えて、店頭に並ぶまでのことを考えると安すぎる……。

実際、戦後の1950年、JA全農たまご・東京Mサイズの卸売価格は161円/kg~255円/kgだったようです※。当時の物価で、ですよ?

現在の価値に換算すると1000円を優に超えるといわれています。もともと卵は高級品だったんです。

※JA全農たまご公式HPからは1950年までは遡れなかったので、鶏鳴新聞(鶏卵など畜産系の専門誌)の出している情報を参考にしました。

生産者の努力(消費者の希望)により価格が下がっていく

飼料が安くなったり、平飼いからケージ飼いするようになり鶏1羽あたりの必要面積が小さくなったり、品種改良があったりと様々な努力をしながら価格が低下していきます。

なぜか?

消費者が安いことを求めるからです。そりゃ、同じものを買うのであれば安い方が嬉しいですよね。私自身そうです。

もし、「安くなり過ぎたせいで供給できなくなる」ということであれば高くするべきだと思いますが、そういった背景もない状態で「おい!これは安すぎる!値上げしろ!」なんてクレームを言う人は見たことがありません。

必需品は常に値下げ圧力に晒されている

卵や米など、生活に必要なものは常に値下げ圧力に晒されています。というのも、必需品は需要が安定しているのが常で、急に「うおー!国民全員のコメ消費量が2倍になったぞ!」ということはないわけです。

そして、政府はその需要に従って供給量を確保するために動いています。生活必需品が手に入らなくなれば市民の不満が募っていきますからね。国家を存続するためには動かざるを得ません。

また、生活必需品に関しては差別化が難しいといった点も値下げの圧力が強い一因と言えますよね。カラフルな映え米が出ても欲しいと思いませんし……。

必ずしも必要ないものは利益が残る

一方で、生活に不要なモノ、というと語弊を生むので生活に必ずしも必要がないものは利益を生んでいます。

射幸心を煽る宝くじ

以前紹介した宝くじなんて良い例ですよね。よく考えたらこれだけ阿漕な商売はなかなかありません。国家が胴元で約4割を持っていく賭博ですからね。

売上のうち当選者に支払われる割合は約46%。

1000円払って460円分のクーポン券がもらえるようなものなのに、CMではそんなこと一切言いません。

有名人を出して「前後賞合わせて10億!」とか奇妙な踊りを踊らせてバリバリ射幸心を煽って売りまくります。実態はマルチ商法みたいなもんです。一部の人だけ儲けてあとは損。でも捕まりません。なんせ胴元はお上ですからね。あー怖い怖い。

不安を煽って売る保険

宝くじを取り上げたのと同じ記事で保険についても言及しました。もちろん簡単に作れる事業だという気はありませんが、不安を煽って売る商売なことは間違いありません。

安心()を売っている商売ですからね。入るのが悪いとは言いませんよ。

デジタルデータで利益を生み出すゲームアプリ

ゲームアプリなんて不要なモノの最たるものでしょう。開発費というコストはかかりますが、ヒットを生み出すとデータという複製可能なリソースでどんどん利益が生まれていきます。

私もゲームが好きなので「娯楽は人生に必要なものだ!」という気持ちは分かるんですが、どう考えたって衣食住の方が先に必要ですよね。

キラキラ光る石

宝飾品も必要ありませんが高価ですよね。ただ硬くてキラキラ輝くだけの石として名高いダイヤモンド、生きていく上では必要ありませんが超高いです。鶏卵なんていくらでも買えます。

先進国の人間、ただ生きるだけのフェーズを過ぎてしまったんですかね。

必要ないモノの方が利益が残るのはなぜか?

宝くじ、保険、ゲームアプリ、宝飾品など、生きる上で必ず必要ではないものとして紹介してきましたが、これらは結構儲かります。利益率が良いんです。

鶏卵や米と宝くじの重要性を比較すると明らかに前者が勝つはずなのに……。

どうしてなのかと理由を考えてみると、必要がないものだからこそ利益が残るという構造があることに気付きます。残酷ですね。

先ほども説明した通り必需品は需要が安定しています。明日から一気に米や鶏卵を2倍食べるようにはならないのは明らかでしょう。そして、政府は国民を飢えさせないために供給量を確保するために動いています(食品自給率が低いことはおいておいて)。

消費者目線で考えると美味いものが安く得られてラッキーですが、生産者が儲けようと思ったら少し難しい。

価格を上げようと思えば、「米が欲しい」ではなく「どこそこの米が欲しい」。もっと言えば「○○が作っている米が欲しい」と思わせて需要と供給のバランスを崩さなければなりません。

一方でNOT必需品は生きていく上では必要ないモノであり、自分の商品を選ばせるために四苦八苦してきました。ダイヤモンドの記事などを見ていただければただ単に希少だから高いわけではないということが分かると思います。

本来必要ないモノですからどんな高値を付けて買えない状態にしたところで、「おい!ダイヤモンドが買えない!国は何とかしろ!」と暴動を起こすイカレタ国民は存在しません。

宝くじは「射幸心を煽る」という禁じ手を使い、保険は「不安を煽る」という禁じ手を使ってまで需要を作り出しています。スマホゲームも課金させるために、様々な場面で本能を刺激する設計がされています。

欲しいと思われなければ利益どころか売上も作れない

米や鶏卵など必需品は生産していただくだけでありがたく、価値が発生するのです。

一方で宝くじや保険は商品を作る過程に価値はありません。

しかし皮肉なことにそれゆえに「消費者に欲しがられる仕組み」を考えてきたのでしょう。「前後賞!併せて!10億円♪」のような射幸心をバリバリに煽るやり方や、「がんになったらーー」のように不安を煽るやり方だったとしても。

そうでなければ誰も買ってくれませんから。そこには需要を生み出すための試行錯誤の歴史があるのです。

スモビジオーナーは不要な事業たちから学ぶべき

あなたがスモビジオーナーを目指すときに学ぶべきは生きていくうえで必要”ない”事業のやり方や仕組みです。

不要であれば不要であるほど「需要をどうにか作り出した歴史」が見えてくるはずです。

あなたが「自分は米農家になって、社会に必要不可欠な事業をやってやるぞ!」と思っていたとしても需要を作り出す方法を知っておくに越したことはありません。

本来必要ない事業や怪しい事業から学びましょう。


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不要な事業から学べる内容

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