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昨今のハードオフ。(2021年7月号)

なんだか気分が乗ったので定期的にアップデートしてみることにしました。当方身バレ上等、しかしながらいろいろと物騒な世の中ですからなるべく穏便に済ませたい構え。足繁く通いつつ、人目は徹底的に切るwithコロナの気概でもって。四半世紀に渡り、リサイクルショップに通い詰めてきた主宰が独断と偏見で選ぶ珠玉のラインナップ。

突如、最寄り店に現れた新顔。

ハードオフの階段の踊り場にパチンコの筐体が所狭しと並べられる時代が来るなんて。主宰は元来ギャンブルとは無縁の人生で、それは直感的に「向いてなさそう」「破滅しそう」以外の感情が湧かなかったからに他なりませんが。しかし990円均一で選り取り見取りの状態でしたから、つい買っちゃいそうに。ハイ。相場感が全くわかりません。

聞いて下さい、幼少期の思い出の品がまさかの1100円です。

主宰はピアノ教室を半ば破門されるというトンデモ経験をするほど音楽の才能が枯渇していて。レッスンの合間、アイスブレイク的に触ったシロフォンにむしろ興味を惹かれ。同じ鍵盤楽器なのに、こっちの方が格段に面白い。理由もなく面白い。忘れかけていたあの頃の記憶が全部思い起こされて、無意識にレジに向き始めた足を今一度止める。新品を買っても4000円くらい。

こちらもほぼ絶滅危惧種、30余年生きてきてこの度初めてお目にかかった。

中学時代。ビッグバンド部なのに毎年初夏は必ず、マーチングコンサートに駆り出された。初めて出演する年に言い渡された罪状は「クォードタムの刑」。あんなに重たくて小回りの効かない、絶望的に夏に向かない楽器がこの世に存在するものでしょうか。定価は約5万円。16500円という絶妙な価格設定と、マーチング少年少女が駆け抜けた青春時代を物語る絶妙な使用感。

これも1100円。

業務的で無駄のないデザイン、無骨な中にも人の温かみが息づいている。主宰はピアノ教室を破門されながらもしかし音階楽器への憧れを捨て切れず、ハーモニカかアコーディオンかの二択を鍵盤ハーモニカ購入という中間択で命からがら生き延びた。それでもやっぱりシールマンスみたいに、Gregoire Maretみたいになりたい。これも2、3倍の金額を出せば新品が買える。

これを一体どう評価するのかについては、大きな個人差が生まれそう。すなわち80sの名器ながら「価格3000円弱」「保証期間10日間」と来ればかなりの高確率で「触れた瞬間爆発する地雷」を買うのと同義。一見、致命傷が確認できないという辺りもかなり怪しい。確実に何かある。それでもなおレジまで運んでしまいそうになるのはある種リサイクルショップ特有の病理か。

むしろ同価格帯ならこちらを買うべきなのでは。パイステ2002シリーズ屈指の名器、使用感こそあれ即戦力との呼び声も高い。赤色印字のモデルですから、型番も相当古い。前述のスネアと合わせても一万円で全然お釣りが来てしまう。のであれば思い切っていっそインテリア品として購入してしまうのもアリなのか?というのはさすがにこじらせ過ぎか。

(次回更新は、9月頃を予定しております)

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