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SENNHEISER IE40 PROを覚醒させるイヤーピース探しの旅!!!

まーた君かの声がこちらの方まで聞こえてくる。今度は何かね藪から棒に。先生ぇ聞いてくださいよお、おれ右耳と左耳でぇ耳の形微妙に違うすよお。と読み辛い書き辛い面倒くさいのでこのくらいにしまして。とはいえ急務。オフの日は1日10時間とかイヤホンしててぇ、めちゃくちゃ耳痛えすよお。全然耳合ってねぇっす、助けてくらっしぇーよ。最後だけ唐突に房総弁。

その相談、乗りましょう。

ヘッドホン沼とイヤホン浅瀬の両生類である主宰にとって、長年の懸案事項であったことは疑いのないところ。それこそお金がたんまりあればですね、カスタムイヤーピースなるものまで作れるような時代になったものですが。あまりにも予算オーバー。本体価格<イヤーピース価格なんていう本末転倒なことにもなりかねませんので、ここは気持ちをグッと堪えて。

とはいえゼロ知識からのスタート。イヤーピースてなんですのん?の世界。科学技術の進歩によってイヤーピース選びの第一歩は材質選びから、なんて世の中だそうです。これぞオーディオ沼の真骨頂。財力にモノをいわせて、大人が楽しむ世界ですからキッズ達は迂闊に近寄ってきちゃあいけません。できる限り底に足が付く程度の沼を、皆様にご披露したく存じます。

とはいえ付属イヤーピースだけで結構選り取り見取りなんだよな。

というお話から。何を隠そう当モデルはプロユースを想定した「イヤモニ」です。封を切った瞬間から、もう相当数の交換用イヤーピースがごろっごろ入っている。もうこれ順番にはめてってさ、それレビューしちゃえば終わりじゃん。確かにそうですね。でもそれではあんまりじゃないですか。一応はまあそれなりにそれっぽくやりたいじゃないですか。

ということで三選手ご用意致しました。モチのロン、全部自腹であります。①100均イヤーピース②付属イヤーピース③イヤーピース屋のイヤーピースの三種類。リファレンス音源として選んだのは以下2曲。まあリファレンスなんてカッチョイイワード使っちゃってますが、この曲良い音で聞きたい!と思ったものを直感的に選べば大丈夫だと思います。

蛇足ですが主宰、これまでは星野源「Week End」をリファレンス音源としてガンガン活用しておりました。生のブラスとストリングスに溶け合うエレビのデジタル感、エンジニアは日本を代表する雄・渡辺省二郎氏。もうすべてにおいてリファレンス仕様だった。本音を言えば直感的に選びましたの体でおりますが上記2曲にも、ちゃんとした動機付けがある。詳しくは後述。

前置き長すぎ、さっさとせい。①100均イヤーピース編

ダイソー?セリア??キャン★ドゥ???もうどこで買ったものかも検討が付かない。とはいえ後述③モデルに近い比較的柔らかく悪く言えば安っぽい素材感のものをチョイス。いわば3種類の比較基準になるモデルですから、写真も掲載しようか迷ったんですけれど、社名を伏せたステルスネガキャンみたくなってしまい、それは違うだろうと。というわけで見送り。

とはいえ100均モデルとて正直悪くないです。こういう音するイヤホンって結構沢山ありますよ。オールマイティ、という言葉が一番収まりの良い表現かもわかりません。プロ仕様のイヤモニに装着するとなおさら色濃くなる。高中低域バランス良く、短所を言えば今一つ「主張に欠ける」フラット感。返す返すも「イヤモニ」らしさを突き詰めればこういう音色になるもの。

②付属イヤーピース

これが上から2つ目のサイズ、イヤーピース上部に十字の入ったモデルへと付け替えることでガラッと音色に変化が。平たく言えば「音圧感」が桁違いになりましたね。「重心が低くコシのある中低音」主宰が思うゼンハイザー機種の魅力をグッと引き出すイヤーピースだと感じました。カスタマイズを目的に始まったはずなのに、あれ?これ付属イヤーピースで良くね??

主宰に起こった災難はここからでした。冒頭冗談めかしに触れた内容ですがワタクシ、左右の耳の大きさが違います。サイズ違いモデルをとかいろいろ吟味してみたのですがイメージ通りの音色には程遠い。しかも耳が超痛い。平均的に1日に7~8時間くらいイヤホン付けて生活していますから。外耳炎待ったなし。耳掃除は頻繁に。

もう1700字も前置き書いてますが、ここからが本題。

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選ばれたのは、綾鷹、もといSpinFitでした。型番はCP145。伸縮性に優れたモデルとの下馬評を鵜呑みにし攻めのLサイズ注文。付けてみるとなるほど装着感抜群。②モデルの圧迫感・混入感が和らぎ、耳にかかる負担が激減。勿論、音色の変化も劇的でしたよ。一番インパクトがあったのは「横方向に広がった音場」感。②モデルの音を縦長の筒とすれば③モデルは横型の筒。

イヤーピースの端から端まで音が乗っかっているような感覚は初めてかも。

そして「サウンドの一体感」。主宰目線、②モデルの方が「分離感」は勝る印象でした。ところが音の混ざり具合では、断然③モデルに軍配が上がる。ここをどう評価するか。モニター機として使用なら③モデル、リスニング機として使用なら②モデルといったような大体な使い分けも可能なのかなと。例えばマスキング作業に適しているのは③モデルでしょうか。

先ほど挙げたリファレンス音源を元に深掘り解説。

まずはJeremy Pelt「Backroad」から。横型の筒、などという存在しない物体に思い巡らす謎のくだりがありましたがあれは忘れて下さい。両耳の端っこまでしっかり音が鳴っていて、VRカメラとはいかないしても四方びっしりと楽器隊に囲まれるのがわかります。エンジニアRudy Van Gelder後年の逸作。主宰は一応ドラム奏者ですから、Gerald Cleaverにも注目しましょうか。

左耳を優しく包み込んでくれるBosphorus製のライドシンバル。カップ(内側)に近い位置を叩けば高い倍音、エッジを叩けば低い倍音が鳴るハンドメイドならではの複雑なサウンドが魅力的ですが、しっかりとそれが感じ取れる。勿論スティックを鋭角に打ち込むのか、鈍角かでも細かく音色は変化。録音テープの「再現性」と楽器の「個体差」「奏法」まで聞き分けるイヤホン。

Men I Trust「Days Goes By」は一転、デッドな音作りが特徴的。グッと音数も少なくなり、個々の楽器一つ一つの存在感を感じられる緊張感ある音場となってますね。一見するとローファイなインディポップですねなんだか眠くなってきましたなんて言葉で片付けられかねませんが、結構コンプが効いていてブリッブリなサウンドなんですよね。ある種IE 40 PROの得意分野か。

モントリオールジャズフェスへの出演経験もあるほどですからね。あんまりジャズ、ソウルの文脈で語られるバンドではないかもしれませんが主宰目線はこうした音楽へのルーツも見え隠れするような気がして。それはひとえに「分析力」に長けたモニターイヤホンの成せる業ではないかと。ただの過言でしょうか。最近おじさん、主語が大きいよと注意を受けがちです。

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