銭湯嫌いが一人で銭湯へ行った日

私は銭湯が好きではない。
知らない人と同じ空間でお風呂に入るというのがまず受け付けないし、見ず知らずの人の前で一糸まとわぬ姿をさらすというのも恥ずかしい。
それにもともと私は長湯する方ではないので、銭湯に行って2時間過ごすということもなく、割高ではないか？という考えだった。

でもこの家に移り住んでから湯舟が使えない状況になり(なぜ使えないのかはこちらのnoteを読んでいただければわかります)、腰痛が深刻なレベルまで到達しそうだったので、私は重い腰を上げついに決心をした。

「銭湯に行こう…！」

地元の商業施設の敷地内にスーパー銭湯があるのは知っていたので、行き先はそこに決定。
あんなに嫌っていた銭湯なのに、行くと決めたら不思議とさっさと用意を済ませて車に乗り込んでいた。
久しぶりに大きな湯船でゆっくりできるという気持ちのほうが強かったのだと思う。

始めて来た場所なので最初はどぎまぎしたが、受付の女性が親切に色々教えてくれたのでだいぶ不安が安らぐ。
ここまで書いて気付いたのだが、私は一人で良く知らない場所へ向かうというこの行為が怖かったのではないかなと思う。
受付を済ませてしまえば「私ここ初めてじゃないですよ」という風な顔で脱衣所へ向かい、臆することなく服を脱ぎ、堂々とした足取りで浴場へ向かっていったのだ。

先客はいるにはいたが、常連のおばあちゃん集団くらいのものだったので正直人目はまったく気にならなかった。(湯気がすごい＆裸眼の視力がすこぶる悪いというのもあって、ほとんど見えなかったのもある)
それよりもお湯が水道代を気にせず好きなだけ使えることに感動したし、体を洗いながら末端が冷たくなることがないこの空間に感謝の気持ちでいっぱいだった。

足が延ばせる湯舟のなんと気持ちの良いことか！
誰もいない銭湯の湯船で泳いでしまう人の気持ちが少しわかる。
私一人入ったくらいでは、この広々としたお湯の海は何の影響も受けないのだ。少しくらい泳いでもいいじゃない。
実際泳ぐことはなかったが、お湯の中で足をばたつかせるなどして過ごした。

長湯はやっぱりできないので、湯舟に入っていたのは20分くらいが限界だった。
だけど、どれだけの時間そこにいるかは個人の自由なのだ。
そんなの当たり前なんだけれど、今回ちゃんと理解でき、腹落ちした。

というわけで、銭湯嫌いの私が一人で銭湯へ向かった結果、今まで抱いていた銭湯の印象がだいぶ変わりました。
これからも大きなお風呂に入りたくなったら、利用したいと思います。

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