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勉強あるある:覚えても覚えても、忘れる 英語勉強中


英語を勉強していて、「これが重なると挫折しそうだな……」と感じる瞬間が、覚えたはずの単語や文法をすっかり忘れていることに気付いた時である。
例えばNHKの語学番組を見ている時とか、英語の本を読んでいる時、あるいは洋画を観ている時なんかに、「あっ、今の単語知ってる!! これ覚えた! 一回ちゃんと覚えたことある! だって聞いたことあるもん!! でも、なんていう意味かは忘れたっ(涙)!! 覚えたことは覚えてるけど意味がなんだったかは覚えてないっっ(号泣)!!!」と、ショックに打ちひしがれることがある。

本なんか読んでるとそればっかり。
「この単語は前に一回ちゃんと勉強したことがある」ということには確信が持てるのに、その勉強した内容はカケラも覚えていないという。
その時の、虚しさ。空虚さ。絶望感。
自分自身への憎しみ。
こんな低級な脳を持つ人間が英語勉強界にいちゃいけない。
今すぐ去れっ!!! おまえのような愚鈍な凡愚は一生英語に関わるなっ!!! 英勉界の恥さらし!! 勉強なんてやめちまえっっ!!!

と、幻の英語鬼コーチの罵声が聞こえて来る。
1回1回はそこまで大きくないショックなのだが、これが毎日毎日何回も積み重なると、「覚えた先から忘れて行くなら勉強なんてしても無駄じゃん!! もうやめる!!」と、心がバキッと折れそうな気配が漂う。
特にストレスを抱えていたり寝不足でメンタルパワーが不足していたりすると、耐性が低下しているので「うわ、また覚えたはずの単語忘れてる……」となった時に心がミシッミシッとしなる。

だって、先週くらいに覚えたはずの単語すら忘れているのである。
というか昨日覚えた単語でもほっとけば普通に忘れる。
これはたまたまつい先日NHKラジオの「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」で述べられていたのだが、人間は「前の日の出来事」でも、7割は忘れているという。
つまり強く感情を動かされたり意図的に復習したりした項目でなければ、次の日に記憶している事柄は30%しかないのだ。
さらに翌々日にどのくらい覚えているかは言及されていなかったが(5分の番組なので)、残りの30%をまた次の日に7割忘れるとすれば、2日後には9%しか、そして3日後には2.7%しか4日後には0.81%しか記憶が残っていないことになる。

となると、なにかを勉強・記憶しようと思ったら、復習が命ということである。復習をして、記憶を定着させなければいけない。
そして私は、それを十分に理解している。
だから単語を覚えるためには、何回も何回も繰り返し復習する。1個新しい単語や表現を単語帳に書いて勉強したら、その後1ヶ月くらい毎日単語帳を見返して、鉄壁の記憶にしようとする。私はそれをちゃんとやっている。
1ヶ月くらい経てば、さすがにその単語を視認した瞬間に意味が浮かぶようになる。クイズドレミファドンの達人回答者くらいの俊敏さで、単語をパッと見て0.1秒で「味方!! 仲間!!!」と意味を叫ぶことができる。※「ally」を見ました
日々新しく覚えたい単語も増えて行くので、さすがに1ヶ月も経つとその単語は「復習リスト」から消えて、そこでやっと復習も終えることになる。そこまでやれば十分過ぎるほどだろう。

そこまでしつこく、何度も繰り返し繰り返し復習するからこそ、私は映画のセリフや本に出て来た単語に対して「あっ、これ覚えた! 絶対勉強したよこの単語!!」と容易に気付くことができるのだ。
そして、「これは絶対前に何回も何回も繰り返し覚えた単語だ」ということは確実に思い出しながら、その意味がなんだったかは忘れているのである。
勉強なんてやめてやるっ(泣)!!!という気持ちにも、そりゃなるよ。

だって、忘れているということは、「覚えるために使った時間が無駄になった」ということではないか。
貴重な時間を使って一生懸命勉強して、しかしその勉強したことを全部忘れるとしたら、その時間があまりにももったいないではないか。人生の時間は限られているのに。
「何回も何回も復習に時間をかけたのに忘れる」というのは時間の無駄もショックも大きすぎるので、いっそのこと、復習なんてしない方がいいのかもしれない。復習をしないで、1回覚えたらもう次の日からその単語には触らない。復習には時間を費やさない。
当然そんな単語は一瞬で忘れてしまうが、そっちの方が、何回も復習に時間を割いた挙げ句に忘れるのと比べたら損害は遙かに少なく済むじゃないか。それがいい。それが最も無駄を減らせる勉強の仕方だ!!!
意味あるのそれ(涙)?

意味ない。
だから結局その方向で考えると、「じゃあ最初から勉強なんてしない方がいい」という結論になるのだ。
勉強というのは「記憶を長期間保持することができる、生まれつきの秀才だけがする意味のあるもの」であり、アホが勉強したってなにも残らないわけであるから、だったら我々アホは勉強する時間を遊び呆けて楽しく過ごした方が良いではないか。

………というような合理的な考え方をする悪魔が、私に「勉強なんてやめなさい」と囁いてきて、私は屈しそうになってしまうのである。「どうせ無駄になるんだから、時間がもったいないだろ。その時間をゲームやアイドルライブやスケベDVD鑑賞などして楽しむために使ったらどうだ? そういう有意義な時間の使い方をしなよ。一度きりの人生なんだから」という悪魔の魅力的な囁きに。
多分、アホな上にそんな悪魔が身近にいるようなろくでなしだから、私は今まで勉強が続かなかったんだろうな。きっと真面目な秀才の方々は、そもそもそういう悪魔を交友関係から追放しているのであろう。つき合う仲間からして我々とは違うのだエリートは。我々凡愚と違い、悪魔との黒い交際などないから彼らは。

ちなみに、私は2020年の年初から本気で英語に取り組み始めて(5年ぶり3度目くらい)、9ヶ月間は1日2時間の勉強をしていた。
単語帳アプリを活用して、いろんな単語や表現を覚えた。9ヶ月なので、500時間は勉強をしたということになる。初心者なりに語彙も増え、初心者Eから初心者Dくらいには自分がランクアップしたと思った。
最初はすぐランクが上がるから。

ところが、突然厄介な家庭の事情に襲われて、そこからまる1年、勉強がストップしてしまった。DMM英会話も退会したし、精神が追い込まれすぎて1日1分も勉強をする余裕などなかった。日々を乗り越えることだけに必死だったので。
そして少しことが落ち着いて、ちょうど1年後に英会話に入り直し、勉強も再開したのだけど、久しぶりに単語帳を見ると「勉強したはずだけどすっかり忘れている単語」のオンパレードであった。
1年前に勉強したこと、何回も復習してしっかり記憶に定着させたはずの単語、ほぼ全部忘れていた。

私の英語ヒストリーで、あれほど悲しかったことはない。
だって、9ヶ月分の1日2時間が、ほぼまるごと無駄になってしまったのである。それこそ、500時間あれば何本のゲームがクリアでき何冊のマンガが読め何シリーズのテレビドラマが観れたことか!! 
いや、単純に9ヶ月毎日2時間余計に寝ていられたのだ。それでいい。どうせ無駄になるんだったら寝てれば良かった。そしたら心身がもっと健康になって、その後の家族崩壊ももう少し気丈に乗り越えられたかもしれないのに。
※思い出したくもないそれのことは別のマガジンで書いているのでよかったら読んでください……

どうも、「頭の記憶」というのは「体の記憶」より定着率が悪い気がしてならない。
仮に、「9ヶ月間1日2時間かけてなにかスポーツを練習した」としたら、それをすっかり忘れるということはない気がするのだ。
「子供のころ部活で1年間真面目にやっていたスポーツ」なら、大人になってからもそれなりに動けるはず。
私は少林寺拳法部を引退してかれこれ25年になるが、今から道場に通い始めたりYoutubeで動画を見るなりして、きっかけが与えられれば「あ、そうそう思い出した! この技はこういう動きだったな」と、ほとんどの技を再現できると思う。25年経っても、体が覚えている。
だから体の記憶というのは、すごく定着率が良いと感じるのだ。

でも、頭の記憶はそうはいかない。
1年前に使っていた単語帳をパラパラっと見返して、「あ、そうそう思い出した! この単語はこういう訳だったな」と、全然ならない。きっかけを与えられても、なにも蘇って来ない。
たった1年休んでいただけなのに、1年前に勉強したことは見事に記憶から消失、ほぼ全ての単語・熟語が「初めまして……ですよね? えっ、お会いしたことありましたか?? はぁはぁ、あのパーティでね……。ごめんなさい、覚えてないです……」の状態。完全初対面に戻っているのである。そして、1年前になにも勉強などやっていなかったかのように、またイチから覚え直さなければいけないのだ。
たしかに9ヶ月なんて勉強時間としては短いかもしれないが、一輪車に乗る練習を9ヶ月毎日2時間したとして、1年休んだら全然乗れなくなっちゃったなんてことにはならないだろう。練習再開して1週間や2週間で1年のブランクは取り戻せるのではないか。
私はボールを3個使って簡単なジャグリング(お手玉のようなもの)ができるが、これも一度覚えれば、「できなくなる」ということは一生ない気がする。何年もボールに触らないでも、何年後かにやろうと思ったらできるのだ。一度できるようになったら、もうできない状態にはならない。
どう考えたって私は英語ほどジャグリングを一生懸命練習していないのに、ジャグリングの動作は3年ブランクを空けても体が9割以上覚えている。
でも、ジャグリングよりも一生懸命勉強した英単語は、3年もブランクがあったら確実にゼロになる。

やはり、「体を使うよりも頭を使う方が難しい」ということだと思う。
だから地球上のほぼ全部の生物は、体は使えるけど頭は使えないのだ。
生物にとって体より頭を使う方が簡単だったら、ライオンも今ごろジープに乗って猟銃を持って草食動物を狩る知的生命体に進化しているであろう。
もちろん草食動物の方もライオン探知機や対ライオン地雷、イージス弾道ライオン防衛システムなどを使って知的に外敵を防ぐ知的生命体になっているはずだ。
でも彼らがそうなっておらず生命誕生から40億年ほど経つのにいまだに毎日サバンナを単調に走り回っているのは、きっと生命体にとって頭を使うということが非常に難解なことだからであろう。

よく、「1日に3個でいいから単語を覚えると良い。3個なら10分で覚えられる。それを1年続ければ、1000個の単語が身についていることになるんだ」などと、英語の教材に書いてあったり英会話の先生にも言われたりする。
しかしそれは、「日本人全員から1円ずつもらえば1億円貯まる」のレベルの不可能理論である。
そういう理想論はパソコンに言ってくれ。それは人間に通じる理論ではない。
単語1個に3分20秒しかかけない程度の薄いやり方で1日3個、1ヶ月に90個単語を覚えたとしても、その90個は2ヶ月後には全部忘れている。1年後の時点で覚えているのはせいぜい、12ヶ月目の最終週に記憶した21個だけである。
もし1日3個新しい単語を覚え、その記憶を1年持続させようとしたら、「1ヶ月前や3ヶ月前や半年前や9ヶ月前に覚えた単語も忘れないように毎日ランダムに300個くらいは単語帳を見て記憶を照らし合わせる」という膨大な復習作業を毎日、1年間欠かさず続ける必要がある。
さらに、1年が終わった後もエンドレスでその復習を続けなければいけない。1年経ったところで「あ~~成し遂げた! 1年間、よく頑張ったな俺。これで1000個ちゃんと覚えたぞ……。じゃあ自分へのご褒美だ。しばらくお休み!」と言ってそれから1年英語と離れたら、950個は忘れることになる。
この「頭の記憶」の無情さよ……。

もしかしてこれは私だけの問題なのだろうか? 普通の人はそうでもないのだろうか。私の脳が人並み外れて性能が悪いだけの話なのだろうか……。

いや、きっと世の中の人もだいたいそうなのである。そうに違いない。そうでなければ私が辛い。
では、そんなに記憶が定着しないなら、どうやったら英語なんて身に付くのか? 身に付いている人はどういう勉強をしたのか? そして、忘れることがわかっていてする勉強になにか意味があるのだろうか?
ということを次に考えなければいけないのだが、私なりに考えてみたことをまた次回書くのであーる。

to be continued


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