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壱岐で地域とも自分とも向き合い光を観る2日間

壱岐複業ハンティングという、
壱岐を舞台として主体的に自分がどう関われるのか?を探るプログラムを2月8日から9日で開催しました。
参加者は東京、福岡、山口、長崎、そして壱岐ですでに活動をしている人たちが20名以上集まりました。


#1プログラムを企画した背景

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私自身、地方へ行く機会も多いものの、継続的に関わるためのきっかけがない。
友人を誘う時も誘う理由があった方がよい。
とはいえ、地方へ関わり続けるには金銭的にも負担はそれなりにかかる。
であれば、仕事で地域と関わることで継続的に関わることができるのではないか?というのがプログラムを企画した理由です。

仕事を軸にしたものの、すでに起業支援をする仕組みはあったので、複業をコンセプトにしてみようと思いました。

#2プログラム名に込めた想いや企画について

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当初はフィールドワーク先のヒアリングなどを通じて、壱岐に必要な複業の人材像を可視化して人材募集を公開するということを想定していました。

ただ、それだとフィールドワーク先の方々に時間を割いてもらって、継続的にプログラムに関わってもらえるのは難しいかも?というアドバイスを受け、むしろジョイントベンチャーのような形で参加者とフィルードワーク先がリベニューシェアーで新しい事業をつくるような提案が生まれるような形が良いと判断してコンセプトを変えました。

そういった背景もあり、
「複業ハンティング」という名前には、主体的に地域に関わってほしいし、地域が持つ資源はもちろんのこと課題も資源とみなして仕事で解決できるようにしたいという想いが込められています。
地域で起業する!地域で支社を作るといえば、むしろ参加費は無料かつ交通費補助までつくようなご時世ですが、身銭を切らないことには本気で関わってもらえないということでしっかり参加費もいただきましたし、参加者は皆さん交通費なども負担して参加していただきました。
とはいえ、スポンサー企業の援助もあり、プログラムにかかる費用はかなり抑えられました。
本当に感謝。

#3どんなところを巡ったのか ?何をしたの?

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私はフィールドワーク では3件にお邪魔しました。
まずは、大阪から移住されておみやカフェをやっているゆきさん。

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男嶽神社に併設されたカフェで味わえる壱岐の食材で作られた「神社エール」は絶品。僕が初めてここに訪問した時は時間気にせずに、地元の人とゆったり会話したのがとても心地よい時間だったなぁと記憶してます。

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ちなみに男嶽神社、起源は神話にまで遡る由緒正しい神社。拝殿裏にある御神体の岩はパワースポットとしても人気です。
https://www.travel.co.jp/guide/article/42129/


続いて、壱岐水産のなっちゃんさん。

17日13時-14時 19日13時-18時 20日15時-17時

壱岐で取れたウニだけで作った商品は、深い味わいで日本酒が欲しくなる味。かわいいパッケージでお土産にも最適。僕も思わず買っちゃいました。
オンラインストアでも買えます。
https://ikisuisan.thebase.in/

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ちなみに、粒うにDEAN & DELUCAでも取り扱いがあるようですよ。
会社の外見はかなりレトロですが、感度の高い層へもしっかり届けようとする姿勢が印象的でした。

最後に、平山旅館のまきこさん。

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平山旅館で一番感動したのは「循環型社会」を実践しているということ。出された食事はほぼ壱岐産の食材を使っていて、残った食材なども自社で保有する畑や家畜の餌となりフードロスゼロ。温泉の熱を生かしてエネルギー面でもエコな取り組みをされていました。SDGsなど叫ばれる前から実践されていて感動しました。
旅館の温泉も入らせてもらったのですが、鉄分とミネラルが豊富で、個人的に感動したのは温泉の蒸気を使ったミストサウナ。
サウナ室の横で、源泉がじゃぶじゃぶと流れる風景が見れるのも圧巻です。

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白身とブリ好きにはたまらない壱岐の海の幸。

2日目の最後には、これからの壱岐滞在やフィールドワーク先での話を踏まえたアイデアやパートナー発掘のための募集を作成しました。これはまたどこかで公開するかも。


#4 地球と「生きている」と感じる壱岐の人々

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フィールドワーク先での会話や、千葉から移住して海女さんをしているひなさんとの会話や、壱岐で暮らす人々との会話ですごく感じたのが「自然」や「環境」に関する話題がでるということ。
プログラム中がちょうど満月の前日だったこともあり、月が話題になったのかもしれないけども、そういえば東京にいて月の満ち欠けについて話すことってほとんどない。
仕事がどうしても自然と絡むし、それが生活にも影響するからかもしれないが、環境についての話にもなる。
なんというか自然と向き合っているからか、自然のリスクを負っていきているからか、皆さんにたくましさや、地球と生きているという人間的な深さというものをすごく感じ、素敵だ。

#5 地域を消費しないために

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とはいえ、課題もたくさんある。
どの地域も抱えている労働人口減少からくる「人手不足」と働き盛り世代が十分な収入と強みを生かせる「仕事場不足」、さらに事業承継の問題。
壱岐の場合は年間57万人観光客数があるものの、訪日外客数は1500人程度。
博多から70分でいけるが故の日帰り客の多さや、オフシーズンの長さという観光産業の課題。
僕自身も感じたけども、二次交通の整備。

フィールドワーク中にしゅんすけさんがおしゃっていた
「むやみやたらにPRをして観光客数を増やしたら良いという時代でもなしし、壱岐を消費されて終わりにならないように考えていかないといけない。」という言葉はしっかり向き合っていかないといけないことだ。

個人的には地域の取り組みってそもぞも短期的にすぐ成果がでるものって多くないし、むしろ10年とか30年とかその単位で取り組んできたものが資産となって地域に新しい価値を生み出すものであると思ってます。
マーケティングにしてもいわゆる地域が提供できる価値(Product)を磨くということをせずに、プロモーションばかり力を入れてもそれこそ消費で終わる。
(なので、昨今の自治体のPRというのは目的がわからないものについては、本当に必要なお金なのか?とすごく疑問)

日本列島回復論で言われていた、Society5.0の始まりの場所として壱岐はふさわしいなと今回のプログラムを通じてすとんと腹落ちした。
自給自足の島といわれるようにまさに天賦のベーシックインカムがあり、課題も豊富。


#6 複業ハンティングに感じた新しい観光の形

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手間味噌だが企画側であっても、今回の壱岐複業ハンティングとても楽しかったし、面白かった。前回壱岐に来た時は、主要な観光地を案内してもらって美味しいご飯を食べてという感じで楽しかったけども、その時とは違う楽しさ。

フィールドワーク先や参加者との会話から感じ取れる生き様から、自分自身考えさせられることも多かったし、「壱岐で何かやってみたいし関わってみたいな」とじわじわそういう気持ちが湧いてきて、いわゆるその壱岐を好きになってしまったということだろう。

観光とは「光を観る」と書くが、これまでは地域が持つキラキラとした資源を観るものが観光だったかもしれない。
その地域で生きている人たちそれぞれが持つ地域への想いや、課題を抱えつつも良くしていきたい希望やポジティブな姿勢を「光」として観る、さらに観光客だった自分もむしろ共犯者として光を作る側になるという観光の形もあって良いなぁ〜と自分自身の心境の変化からも感じました。

開催にあたって、会場提供いただいた一般社団法人 壱岐みらい創りサイトさま、スポンサーのリクルートさまと小田商店さま、貴重なお時間を割いていただいたフィールドワーク先のみなさま、現地の調整や当日の運営をサポートいただいたみなさま、そして安くない交通費を払ってかつ主体的に盛り上げてくださった参加者のみなさまありがとうございました!

また、壱岐で会いましょう!

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