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私のイチオシ『成瀬は天下を取りにいく』

こんにちは。
新学期が始まりました。なんだか毎日学校や会社に行くためにまず朝起きるのが億劫な9月。そんな気持ちの時にオススメしたい作品があります!
宮島未奈さんのデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』。この物語では滋賀県に住むある高校生の日々が、時にユーモアを交え元気に爽やかに描かれています。
今日は、もっと先が読みたくなるこの青春サイダー小説をオススメします。


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まず、とある地方のお話ってのが最高


小説は数あれど、私が前のめりになって読む作品がある。
それはいわゆる都会から少し離れた場所が舞台のお話。

もちろん東京が舞台の素晴らしい作品もあることは忘れてなならない。けれど日本は広い。私は転勤帯同のため関西→関東地方を経て今は日本のやや真ん中の方に住み「地方から見た都市部」も知ることができた。そうすると、舞台はどんな地域なんだろうどんな人物なんだろうとむくむく興味が湧いてくる。

地方では高校卒業がひとつのターニングポイントとなるためか、いわゆるジモトの存在は大きい。物語の中で(現実にもそうなのだが)そんな愛すべきジモトにある変化が訪れる。彼らは変化をどう受け止めたのか。読者は懐かしさやきらめきにきっと「わかる」と本を読みながら彼らに意気投合すると思う。それぞれのジモトを思い浮かべながら。

『成瀬は天下を取りにいく』は滋賀県大津市に住む高校生が主人公である。

あなたのジモトにはどんなスポットがありますか


成瀬最高


このひとことにつきる。
成瀬最高。
こんなに魅力的な主人公がかつていただろうか。

しっかりと自分を持ち前を見るその姿や行動力がとにかく凄まじい。物語を読み終えるころにはきっと読者は成瀬のファンになっているだろう。

生きづらさを抱えた主人公の話が増えた今、この物語はひときわ明るい光を放っている。面白い!エッセイではなく小説であるから、ある意味貴重な孤高のジャンルが誕生した瞬間に立ち会っているように感じる。

正直すっかり大人になった私にも悩める出来事はやってくる。物事を受け止め、今を楽しむ方向にすぐに方向転換できない場合、成瀬はきっとこう考えるだろうと思うと今日の行動が変わってくる。そんなパワーを貰える新しい小説に出会えて私はとても幸運だ。

ありがとう!成瀬さん。




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お読みいただきありがとうございました。




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