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さくらゆき
2022年3月2日 15:38
「いいの?もし祟りに全然関係無い内容だったりしたら、私が見たらまずいんじゃないの?」「その時はその時だよ。それに栄子は…いや、何でもない。」恒太の顔がほのかに赤くなった。
2022年3月9日 15:46
「恒太へこの手紙を読む頃には大きくなっているだろう。幼いお前には抱えきれないこの家の闇を、手紙にしたためる。お前が知ってる丘の上の桜の木、彼処には我らの先祖・恒之新が心中しようとした際に死んだ女の遺灰が埋められている──」
2022年3月16日 17:05
栄子は恒太の意思を尊重して、手紙の続きを読んでもらうことにした。「恒之新と女を見つけたとき、女は生きていた。しかし、村人たちは恒之新だけを助けて女を見殺しにした。意識のなかった恒之新には、既に女はこと切れていたと嘘をついて。」恒太の手紙を読む手は震えていた。
2022年3月23日 12:25
「『別の理由』か…。祟りが幽霊本人の起こしている現象とも限らないわけか…。」 恒太は考えこんでしまった。
2022年3月30日 17:03
「つまり、さくらちゃんという幽霊をうちの先祖に会わせることが出来れば桂ちゃんは目覚めるのね。」波留日はまったく疑いのない顔で、栄子に聞き返した。「確実にとは言えないけど。波留日さん、信じてくれるんですか?」「不思議なことは既に起こっているもの。信じないわけないわ。それに、祟りがなくなれば皆解放されるわ。あの人も…。」