さらぬわかれ 69

「恒太へ
この手紙を読む頃には大きくなっているだろう。
幼いお前には抱えきれないこの家の闇を、手紙にしたためる。
お前が知ってる丘の上の桜の木、彼処には我らの先祖・恒之新が心中しようとした際に死んだ女の遺灰が埋められている──」

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