さらぬわかれ 70

栄子は恒太の意思を尊重して、手紙の続きを読んでもらうことにした。

「恒之新と女を見つけたとき、女は生きていた。
しかし、村人たちは恒之新だけを助けて女を見殺しにした。
意識のなかった恒之新には、既に女はこと切れていたと嘘をついて。」
恒太の手紙を読む手は震えていた。

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