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紫陽花の季節、君はいない

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「紫陽花の季節」主人公の夏越の物語です。 「紫陽花の季節」か「夢見るそれいゆ」と一緒に読んでいただけると、もっと楽しめます。
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2021年10月の記事一覧

紫陽花の季節、君はいない 47

紫陽花の季節、君はいない 47

あおいさんは「ありがとう」と言うと、俺の手からプレゼントを受け取った。
あおいさんは、ひどく眉間にしわを寄せている。

やはりダンナ以外の男からのプレゼントは、気持ち悪かったかもしれないと後悔したが、後の祭りである。

「あおい、開けてみたら?夏越、開けてみていいよな?」
「あぁ、いいよ。」
俺が柊司に返事すると、あおいさんは包装紙が破れないようにプレゼントを開けた。
俺はその様子を息を呑んで見て

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紫陽花の季節、君はいない 46

紫陽花の季節、君はいない 46

「柊司くーん、夏越くーん。私の名前が聞こえてきたけど、どうしたの~?」
あおいさんが玄関から入ってきた。柊司が俺の部屋に入ってきた時に、ドアチェーンをかけ忘れたらしい。

柊司が俺を肘で小突いて、
「ほら、今だ。」
とあおいさんにプレゼントを渡すように促した。
俺は観念して玄関に向かい、あおいさんに歩み寄った。

「おはよう、夏越くん。玄関開いてたから、入ってきちゃった。」
隣の部屋から自分の名前

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紫陽花の季節、君はいない 45

紫陽花の季節、君はいない 45

「痛っ!何すんだよ!」
俺はデコピンを食らった理由が分からなかった。
「夏越のど阿呆!こういう物は、本人に直に渡すものだろうがっ!」
柊司が珍しく激昂している。だけど俺だって言い分がある。

「あおいさんはお前の嫁だろ?ダンナであるお前が受け取るのが筋だろ!」
「ハァ?隣の部屋に住んでるんだし、1分もあれば渡せるだろ。」
「そう言うことじゃないだろ。俺だって男なんだから、間違いがあったらどうするん

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紫陽花の季節、君はいない 44

紫陽花の季節、君はいない 44

柊司のお陰で、俺の料理の腕は(時々失敗するけども)簡単なものなら作れる位に上がった。
生まれ変わった紫陽に、美味しい朝食を振る舞うのもいいなと思っている。

「究極な話、面倒なときは味噌汁に何でも入れてしまえば良いんだよ。肉でも野菜でも。
有名な料理研究家も一汁一菜でも良いって言ってるし。」
それは適当過ぎると思うが、頭の片隅に置いておこう。

ご飯に玉子焼きやウインナー、生野菜サラダ、シンプルで

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紫陽花の季節、君はいない 43

紫陽花の季節、君はいない 43

柊司が料理をしている間に、俺は洗顔と着替えを済ませた。
折れてしまったかんざしは、ハンカチで包んでデスクの引き出しにしまった。

デスクの上に置いていたあおいさんへのプレゼントに目を向けた。
そうだ、柊司に渡してもらおう。
俺はプレゼントを持って、キッチンに向かった。

「おう、今出来たところだ。
盛り付けるから、ちょっと待ってろ!」
昨日が余程楽しかったのか、柊司は鼻唄まじりに盛り付けた料理をテ

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