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日本人の寿命は短くなる。高齢化は心配しなくて良いでしょう。

今までの老人が異様にタフなのです。次世代はもっと短命だ。

今日現在、日本人は世界で最も寿命が長い。でも、それは今だけです。

理由はいくつかあります。

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1.大正、昭和初期に生まれた老人はタフです。

 彼らの世代は多産多死だ。典型的には8人兄弟で、成人するのは2人だけ。子供の死亡率が今よりも遥かに高かったのです。医療は不備だし、親は畑仕事で子供は放置、農村には山、川、用水路など、子供が死ぬ場所には事欠かなかった。
 そして何よりも、(子供を含む)人が死ぬのは、あまりにも日常的なことなので、今日のように子供を必死で守ろうとする人がいなかった(注0)。

注0:例えは悪いですけど、今のペットような位置づけです。死ぬのはもちろん悲しい。しかし全財産や仕事を投げ売って保護するかと言うと、そんなことはしない。そもそも、そんなことをしたら、家族全員が死にます。

 だから今の老人は、生き残りにかけては、上位25%(8人中のトップ2人)のエリートなのです。
 しかも、男性は太平洋戦争の戦場を生き延びた人々だ。実にしぶとい(注1)。

注1:実例として私の父は、1925年に生まれて86歳で死にました。10人兄弟で結婚するまで生き延びたのは、父と叔父の2人だけです。
 父は二等兵として太平洋戦争に参加しています。一番の下っ端かつ最年少で、最前線で捨て駒にされる立場でしたが、生き延びた。
 だから異様にしぶといです。70歳を超えても毎日プールで2000mも泳いでいたし、公園で松の木を蹴っていました。空手の練習です^^;
 そして、ほぼピンピンコロリで死にました。死因は一応ガンです。
 
 一方、私(1965年生)は3人「兄弟」の生き残り2人のうちの1人です。一番上は、生まれる前に死にましたが。淘汰圧があまり働いていないので、私は父親よりもずっと「弱い個体」のはずです。
 70歳まで生きることはないでしょう。実際に、すでに体力は落ちていて、(父のように)毎日プールで2000mも泳ぐのは到底無理です(笑)。 

 平成生まれの人は、多くが一人っ子で、兄弟が死んだという人は少ないと思います。
 乳幼児が死なないのは「良いこと」です。でも、それは「弱い個体」が死なないと意味であり、基本的には体力がなく、病弱です。長く生きられると期待しないほうがいいです。

 これは人間に限らず、動物が少子化する場合には避けられない。自然の摂理というやつです。

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2.今後、高度高齢者医療、高額介護はなくなります。

 理由は単純で、金を払う人がいないからです。寝たきりになっても生き残れるのは、その費用を払える人だけです。少子化で労働人口が減り、税収も減りますから、政府にも金はない。福祉は期待できません。健康保険も、自己負担が増えるでしょう。

 というか、そもそも現在が、老人の医療と介護に金を使いすぎなのです。歴史的に見ても、国際的な常識から見ても異様です。とっくに寿命を全うしておかしくない老人が、金の力で延命されているというのが、実態です。

 また、これに加えて、現代日本人は死に慣れていない。おそらくは核家族化で老人の死を看取ることが減ったからでしょう。そのせいだと思いますが、親が死ぬことを非常に嫌います。人情としては理解しますが、寝たきりの老人を24時間つきっきりで家族が面倒を見る、もしくは家族が費用を払って第3者に介護を依頼する、というのは、どうやら日本人ぐらいらしいです。

 しかし、これは生活に余裕があったから可能だったことで、今後はこれも無理です。夫婦共働きならば24時間介護などできません。独身者は言うまでもないです(注2)。

注2:これも実例ですが、私の母は軽度の要介護でした。そして父がつきっきりで介護をしていた。私も兄も母を介護する余裕などなかったからです。
 そして、父が死んだ後、わずか2ヶ月で母は死にました。
 要介護者が、介護を失うとあっけなく死にます。老人は、誤嚥による窒息、誤嚥性肺炎、転倒、熱射病、怪我、感染症、不適切な冷暖房や湿度管理、などで、ちょっと目を離すと簡単に死ぬのです。
 くどく言って聞かせないと、食事もしないし、水も飲まないし、薬も飲みませんからね。体力は落ちる一方だし、すぐに脱水症状を起こします。
 歯も磨かないし、風呂にもろくに入れない、糞便は漏らしますから、衛生状態はかなり悪いです。すぐに病気なります。

 そして何よりも本人が、生きることを特に望んではいない。単に積極的に死のうとはしないだけ。父も母も「死にたくない」という意味のことは、ただの一度も言ったことがないです。

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そんな次第で、よくも悪くも、次世代というか、私の世代あたりから寿命はかなり短くなるはずです。少子高齢化社会というのは、長期的には不安定なのです。長くは続きません。

 高齢者がいなくなれば、また出産率は上がるでしょう。そうなれば日本は若者中心の社会に戻ります。

 こういうもの(人口動態)は、周期性があるのです。同じ状態を維持することはない。それが自然なのです。
 

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