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近年まれに見る名著:最初の50ページで目から鱗が落ちました^^

以下は、私が日記に書いたメモ書きなのですが、せっかくなのでここに転載します(笑)

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裁判、株の評価などで、評価者によって結論が大きく異る。

 例えば裁判では、どの裁判官が判決を出そうとも、同じ犯罪ならばほぼ似たような量刑になるのが当然だと、誰しも思うだろう。
 ところが違うのだ。
 ある裁判官は1ヶ月の判決を出し、別の裁判官は1年の判決を出す、というぐらいの違いが当然のように存在している。

 特定の1社の株の適正価格を多数のベテラントレーダーに評価させると、評価者によって価格に4割の差がある。しかもこれが中央値だ。1割ぐらいのトレーダーは2倍、あるいは半額の評価をするだろう。
 だからこそ株式市場では活発な売買がある。
 そして、もしも私が中庸の評価をできるならば、買い叩き、高値で売ってボロ儲けできる。これが投資で稼ぐ仕組みだ。
 高過ぎる評価、安過ぎる評価をする人間が必ず存在する。

 そして、次のことが非常に重要だ。
 トレーダー自身は、これだけの巨大なノイズ(評価の不一致)が存在することに気づいていない。
 誰しもが、自分の評価は適切だと考えているのだ。

 これは、人間は本質的に自信過剰だからだ。9割のドライバーが自分は平均より車の運転がうまい考えている。

 この事実をうまく利用すれば、大儲けができるだろうw
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 例えば、コンビニが次々と開店しては消えていくのは、これが理由だ。
 その店の利益の予測には、大きなノイズが存在する。アホみたいな立地でも儲かると考える出資者が存在するのだ。

 小売業でも役に立つ。くだらない商品でも高く評価する人間は1割ぐらいは存在する。彼らに売りつければ勝ちだ。

 ただし、大量生産品ではこれはできない。「相場価格」ができてしまうからだ。一度相場価格ができると、評価はそれに非常に強く左右され、そこから乖離することはない。
 だから、多品種少量生産品が儲かる。つまり宝石と高級ブランドのだ。実際に儲かっている。
 例えばフェラーリとシャネルだ。あの種の商品は異様に高く評価する客が必ず現れる。
 これが彼らのビジネスモデルの根幹だ。

 特にいいのは一品物だ。最も高く評価する人間に売る。例えば絵画だ。

 実は、誰にも馴染みの深い物もある。だ。同じ立地、同じ設計の家は一つしか無い。

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 あるいはこういう言い方もできる。
 究極の一品ものは人間だ。つまり風俗嬢であり、芸能人だ、、、
と言おうと思ったが、実はそうじゃない。

 結婚相手だ。あるいは恋人。

 結婚相手を探している人が、例えば私に対する他人の評価を知ることは少ない。
 相場価格がないのだ。
 だから多数に評価させれば、高い評価をする人間が現れる。その人に「売る」のが正解。

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 もう一つ重要なケースは就職だ。

 採用担当者の評価は全く当てにならない。10人いれば10人が違う評価をする。

 だから、多くの企業に応募して、最も高い評価をする相手に自分を売るのが、基本戦略だ。

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 逆の面から見ると、相見積もりは常に重要だ。
 医療ならば、セカンドオピニオンは必須だろう。特に精神医学系は10人の医者が10種類の診断を下す。
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 買う側の立場から見よう。
 どんな商品に関しても、私の評価は他人と異なるのが当然だ。しかも大きく異る。
 だから、(私基準での)お買い得品は常に存在するのだ。よく探せ!

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NOISE 上 組織はなぜ判断を誤るのか? ダニエル カーネマン



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