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優秀な人材ほど辞めてしまう 組織のメカニズム

大分更新を怠ってしまいました。

 1月から1か月半の怒涛の組織改革、ようやく光が見えてきたと思ったら、コロナ騒動。 人生、塞翁が馬、本当に何が起こるかわかりませんね。  

さて、荘厳なタイトルをつけてしまいましたが、弊社も15年の経営の中で、 少なくない退職者を出してしまっております。そこから学んだことを備忘録として残しておきたいと思います。 

十年前に比べて、転職市場の発展やインターネットの普及など 転職のハードルはどんどん下がっており、どんなに優秀な企業も離職率0というのは難しい思います。

 また逆に入れ替わりが全くない組織は、それはそれでカルチャーマッチしない人間が居座ったり、 近年話題の”ぶら下がり社員”の温床となってしまったり、別の課題があるのではないかと思います。

 優秀な人材ほど辞めてしまう組織のメカニズム

 結論から先に書いてしまうと  

・優秀な人材

・成長意欲が高く、自ら学び、自ら行動できる

・1人前になるまでのスピードが早い 

・先輩や上長からの評価も高い
 ↓
・教育やマネジメントに手がかからない
 ↓
 ・1人で任される仕事が増える
 ↓
 ・マネジメントされなくてもそれなりに結果を出す
 ↓
 ・上長は手のかかる新人や問題児にリソースをとられる
 ↓
 ・ますます手のかからない優秀な人材に仕事が流れる

 ・ある程度までは自ら成長するが2年くらいで頭打ちになる

 ・成長意欲が高いので、現環境に満足できなくなる

 ・「すいません、ちょっとお時間いただけますか?」  

非常に雑多にまとめるとこんな流れでの優秀な人材の退職が多くの組織で起こっており、弊社においても優秀な人材が辞めてしまうというしくじりを痛いほど経験してきました。

ここでいう優秀な人材は、厳密にいえば、今後、磨けば優秀になる人材といった方が良いかもしれません。 たかだが1,2年で業界で一目置かれるような存在になれるほど、WEB業界は甘くありません。

 この問題の要因は、優秀な人材の上司にあたるマネジメント層にあるわけですが、 そもそもマネジメント層がそうせざるを得ない環境をつくってしまっている組織にこそ問題があります。

 では、この解決策はどこにあるだろうか? それは、適切な目標設定とフィードバックに尽きると考えています。 

適切な目標設定

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 このグラフは”メンバーの能力”×”業務の難易度”の2軸を掛け合わせたものです。  業務の難易度が自分の能力をはるかに超えている場合、不安が先行し、よいパフォーマンスにつながりません。 

逆に難易度が自分の能力を下回ったり、ルーティン化してくると成長に鈍化を感じ、環境変化を求めるようになります。

 この適度な塩梅の目標設定をすることでメンバーが成長し続けるマネジメントが可能になります。 スポーツの世界でも、この適度な塩梅をゾーン状態、フロー状態と呼びます。 自分のメンバーの能力に対して、今の目標や業務の難易度が適切かどうかを常に見定め、設定していくことがマネジメントに求められる能力です。 

よくやってくれてる、チームの為にがんばってくれているからOKではなく、それであれば次のステップ、次のステージに上げることが必要です。

 また逆もしかりで、新人に難易度が高すぎる仕事を丸投げして、潰してしまったりするのも メンバーの能力と仕事の難易度のミスマッチで発生するのです。

適切なフィードバック

 また昨今のトレンドとも言える、
 ”メンバーの自主性、主体性を重んじる” 
という大儀で、メンバーの業務に対して、介入しないマネジメントの怠慢が成長を鈍化させてしまう要因にもなります。

 これは以前、ティーチングとコーチングの違いでまとめましたが、
 自走できるようになったメンバーに必要なのは適切なフィードバック、すなわちコーチングです。 さらに上のステージにステップアップできるように、気づきを与える必要があります。 

未成熟な状態にもかかわらず、先輩や上長から指摘が入らないから、それを正解と勘違いしてしまったり、 成長が止まってしまっている、そんなケースによく出くわします。 

マネージャーから評価が高いメンバーとたまたま同行する機会があったので 実際に現場で見てみると
・敬語は使えていない
・資料は雑
 ・プレゼンはわかりずらい
 などコンサルタントとしての基礎がボロボロなんてこともありました。  

できないことができるようになることが成長です。 成長には痛みを伴います。「耳が痛いこともしっかり伝える」それをマネージャーが怠るとモンスター社員を生み出してしまいます。 

優秀な人材を腐敗させる組織

 優秀な人材が退職してしまうことは無論、組織にとっても損失が大きいわけですが、 辞めてしまった当人にとっても上記のような経験は負の連鎖を生み出すことになると感じます。

 組織の中で上長から放置されてきたことで、未完成な状態にもかかわらず勘違いをしてクリアしたつもりになり、次のステージへ。 売り手市場で、転職する度に年収は向上するが、中身が伴わない。そんな繰り返しで30代後半から40代前半を迎えた時、、、果たして使える人材になっているのだろうか。

 やりたいことを優先して、できることが伴わなければ、最終的に本当にやりたいことを掴むのは難しいと思います。 年収は毎年徐々に積み上げいくものではなく、20代で培ったビジネススキルを30代でフル活用して、2次関数的に増大するものだと考えています。

自論としては、本当に優秀な人材はどんな環境だろうが、井の中の蛙ならずに客観的に自身の実力を知り、自ら己に足りない能力を研鑽してくものだと思いますが、それを言ってしまうと元も子もないのでw

 さて、サクラサクでも、再始動というスローガンをもとにメンバーに対して、適切な目標、課題認識をさせて、 成長環境を作っていきたいと思います。  

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