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いつかは行きたい山小屋「三条の湯」




桜が咲き、暖かくなってくると山登りの季節到来。

今月の連休は何処へ行こう?
せっかくだからお泊まり登山をしたい。

吉野の桜もこの時期。
だけどお宿の予約が取れない。
アルプスや東北方面のお山は、まだ山開きしてない。

ならば、
「いつかは行きたい山小屋パート1」

と題して東京都の最高峰雲取山の中腹にある「三条の湯」に行ってきた。

あわよくば、「三条の湯」に泊まった翌日、雲取山の山頂を踏めたらいいな。

しかし、数日前の寒〜い日に雲取山山頂は雪が降って、45㎝の積雪、吹き溜りは70㎝の積雪、と雲取山山荘のホームページにある。
私の経験と技術と装備では、とても行けない。

だから、
山の中の温泉でのんびりする事に決めた。

奥多摩駅からバスに乗り、鴨沢西で降り、林道を歩く。


標高1200mの所にある「三条の湯」はここから3時間、ほぼ林道を歩く。
林道って、単調でつまらないものだが、
この林道の下は、ずっーと渓谷が続いている。

ダイナミックな渓谷、水量も多い、青く澄んだ水が岩にあたり、水しぶきをあげる。変化に富んだ渓谷を、勢いよく流れ落ちる水。
渓谷から吹き上げる風は、涼しく気持ちいい。

途中でお昼ご飯。
フリーズドライのご飯を初めて試してみた。熱湯を入れて15分。
その間に、菜の花と椎茸を刻んで、甘しょっぱいタレで煮て、卵でとじる。
出来上がったご飯にのせて、菜の花と椎茸の卵とじ丼。


お腹も満たされ、景色に癒され、
4時間程で「三条の湯」についた。



急な斜面に立つ山小屋、斜面の下の渓流沿いはテント場だ。夏のテント泊は気持ち良さそうだなぁ。

男性登山者が、この渓流で釣りをしている。

「何処から来たの?車?」

「いいえ、バスで、鴨沢西のバス停から徒歩で。」

「健脚だねー。」

と会話をした後、
案内された部屋へ入る。8畳の和室は相部屋。まだ2時を少し回った所、まだ誰か来るかも知れない。端っこに場所を取って、お風呂の用意をする。

その前に、お疲れ様のビール。

お風呂は
「単純硫黄冷鉱泉」とある。薪で沸かした加温の温泉だ。ふわふわと湯の花が浮かんでいる。

とろ〜りとして、ぬるぬるするお湯は、肌に絡まって化粧水に浸かっている様だ。
ぬるめだなぁと思ったが、皮膚の表面から身体の中心に、じんわりお湯が浸透して行く様に、温まって行く。
じんわり汗が出る、いいお湯だ。
身体が緩んでいく。

夕食の時間、食堂にはお客様は私を含めて3人。釣りをしていた叔父様とそのお友達。

写真を忘れたけど、木で出来た丸いお皿におしゃれに料理が並んでいる。

穏やかな山小屋オーナーさんが、出てきてみんなで自然と会話が始まった。

叔父様とお友達は、明日は雲取山に登って、雲取山山荘に泊まる予定だったが、雪の状態はどうなのか?と聞いている。

山頂の下に「三条だるみ」という平坦なところがあるのだが、その先が雪が多くて登るのは大変らしい。
昨日泊まった人は、ここでギブアップして戻ってきたらしい。

一度誰かが通過して、歩いた後があれば、雪も固まって歩けるそうなのだが、それがないらしい。

叔父様達は、自分達が初めてのトレースを刻もうか?と盛り上がっている。

オーナーが私の明日の予定を聞いてくる。

「雪道を歩いたことがないので、明日は下山の予定です。」

と言うと、

「行ける所まで、行ってみれば。無理なら戻って来ればいいし」

と言う。


そうしたいのは、やまやまだが、
雪山は歩いたことがない。アイゼン(登山靴の底につける滑り止め、鉄の牙の様なもの)は持っているが使ったことがない。
雪山講習会に参加しようかと思った事もあるけど、揃える装備が多くて、結局受けた事はない。
そして、ストックも持っていない。

ガチの雪山は無理だとしても、
残雪の春の雪山は歩いてみたいと思っていた。その手がかりになれぱ。

思い切ってお願いしてみた。

「あのー、途中まで一緒に歩いてもらえますか?、アイゼンも使った事がないのですが。」

と言うと、

「いいよ。ただ自分達は、もう歳だから歩くの遅いよ。」

といいながらも、
じゃあ明日は、暖かくなって雪が溶け始める8時にゆっくり出発しよう!
と約束して、それぞれの部屋へ戻った。

夜の山小屋の上には、たくさんの星が出て、三日月の月も輝いている。
ただ月の周りが、ぽやーとしている。

うん?明日は曇かなぁ?

久しぶりの山歩きと、温泉で温まった事で、眠気には勝てず、消灯を待たず20時に寝入ってしまった。

初めて雪の山を歩く。楽しみだなぁ。

この先は
「お尻がわれる事件」へ
つづく。



https://note.com/sakurasaku369/n/nbb11fdd08230

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