毒親育ちで自死遺族になったので水商売で働いてみた話③
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それにしても、水商売で働いた話を書く予定が、水商売で働くまでの過程の話になったますね。
帰宅した私は忌引を一週間貰った後も出勤出来なかった。
というか、無責任な発言になるが、仕事、それもバイトなんだからどうでもよくなった。
代わりのきくものを失っても痛くはない。
またバイトをするときもどうせすぐ採用される自信もあった。
それに何より、5分前の会話内容を記憶出来ない。
これでは仕事にならなかった。
当時の友達が私を元気付ける為にカラオケへ連れていってくれたのだが、友達が歌い終えた後、「これって何の作品の主題歌?」と三回聞いた。
聞いてもすぐ忘れてしまうのだ。
質問をしたこと自体は覚えていても、返答された内容を忘れていては、仕事をする上で使いものにならない。
ここから書くことはまた記憶があやふやで時系列が前後しているかもしれない。
当時の遠距離恋愛中の彼氏は気を利かせてくれて、無職にもなったし、気晴らしというか気分転換のようなものを兼ねて、一時的に自分と生活しないかと提案してくれ、10日間だけ彼氏の家で過ごした。
ここでまた一悶着あった。
そのときの私は、話を聞いてほしかった。
でも、彼氏は話をさせないというか、話題を変えた方がいいと思った。
結果、彼氏に気を遣って元気なフリをしていたのが爆発して、「私はいつまで元気なフリをすればいいの!?」と泣きながら(だった気がする)怒った。
その後は仲直りをして帰宅した。
四十九日。
私は生まれて初めて、昔父から私にやられた頭から水をかけるっていうのを父にやり、顔面をぶん殴った。
ぶん殴ったと言っても、悲しい哉、私のパンチは痛くない。
しかし、父にとって衝撃的だったらしく驚いた顔をしていた。
そして、泣きながらブチギレて怒鳴り散らして、父の骨折して治った側の脚を敢えて選んで蹴り飛ばし怒鳴った。
「この家はなぁ!どいつもこいつもこの男(父)の言いなりで!どいつもこいつも逆らえなくて!この男が法律になってるから駄目なんだよ!!!!!!!!!!」
遅かった。今でも、せめてこれは弟の受験のときにやるべきだったと思う。
そこからは暴れに暴れた。
寝ていた祖父は起きてきて優しく、「やめなさい」と止めるが私は無視をした。
叔父は、鬱病のせいなのか性格なのか見ているだけ(叔父はパートナーを自殺で亡くした際に鬱病になった)。
弟の自殺を知ったときにホテルで、父が弟に「うまくやられた気分だ」と言っていたのも許せなかった。
弟が大学生になってもバイトを禁止されていたことも死後に知った。
私が父に暴力を振るえば振るうほど、祖母と母も止めてくる。
祖父とは違って身体を押さえ付けてくる。
それでも、老人と女の力なんてたかが知れている。
祖母のことは好きなので突き放すわけにもいかない。
だけど、この女、母は別だ。
父から私や弟への日常的な暴力を見て見ぬふりをしたこの女は、今、当時子供だった私達より強い男である父を庇っている。
何故だ。何故庇う。何故私達のときは庇ってくれなかった。許せない。憎い。庇う相手を間違えているだろ。
嗚呼、この女は、子供より男を取る、「女」だ。
母親ではなく、女なんだ。
だとしたら、この女は、邪魔だ。
私は女の脚も蹴り飛ばした。
すると、今度は男の方が女を庇う。
散々私達に暴力を振るった男が、女を庇う。
この異常な状況は何なんだ。
ひとしきり暴れた後、私は別室に行き彼氏に電話して泣いた。
今度はこの彼氏が問題となった。
彼氏はTwitterをしていたのだが、アカウントを教えてくれることはなかった。
当時の私はTwitterをしていなかったので興味も無く放っておいた。
けど、ある日。面白い写真が撮れた。
それをメールで送った。
このときにふと、思ったのだ。
彼氏はこの写真をTwitterに載せるのではないか?
私は写真に関する単語を入力して検索をかけた。
単語を変えたり、組み合わせる単語を変えて、彼氏のアカウントを見付けてしまった。
そうなると、矢張りどんなツイートをしているのか気になり、付き合う前まで、つまり一年以上前まで遡ってみた。
結果、彼氏は隠れて合コンに行っていたときがあった。
女の子と二人で会って、ニコニコ動画に音声だけをあげたものもあった。
馬鹿なのか、ご丁寧にニコニコ動画のアカウントまでTwitterに載せていた。
男女で旅行に行きホテルに泊まらないか誘われている内容もあった。
私は電話で問い詰めた。
「女の子と二人で会っていることを知ったら、ぺん子さんが悲しむと思って」
嗚呼、そうだ。こいつはこういう男だった。
自他共に認める八方美人だ。
当時はそこまで頭が回らなかったけど、今なら「悲しむと分かっていてどうして悲しみを生む行動をしたの?」と問いただしたい。
他にも、彼氏は「そっちだって習い事とかで新しい出会いがあるのに、何が違うの?」と。
当時の私は反論出来なかった。
なんせこいつは口が上手い。
今なら、「出会い目的と習い事目的では意味が違ってくる」等の反論も浮かぶのだが。
怒った私はホテルのことを問い詰めた。
これは彼氏が誘われただけで、その話に乗ったわけではない。
それでも、私はそれを責めて、詰めて、詰った。
吐き出す台詞はどんどん酷くなっていき、「◯◯君の泣き顔が見たいよ」的なことを言った。
で。彼氏は泣いた。いい歳した成人男性って、案外あっさり泣く。
私的に、メンタルは女性の方が強いと思うくらい。
彼氏が「ぺん子さん、怖いよ」と言っている。
そこで私は我に帰った。
しかし、彼の心が戻らない。
私は彼氏依存だ。
失恋する度に自殺未遂をする酷さだ。
その私が、フラれる。否、もうフラれた。
疲れた。毒親からの暴力。それにより自分が病気になったこと。弟の死。無職。失恋。
私はドアノブを使って首を括った。
過去にも首吊りを試してはみたが、なかなか意識が落ちず上手くいかなかった。
だけど、このときだけは意識が落ちかけるのが分かった。
その瞬間、酷く怖くなった。
私は首吊りをやめた。
生きていても辛い。死ぬのは怖い。どちらも嫌という感情は初めてで酷く混乱したし困った。
結果、自力で救急車を呼んだ。
事態が事態なだけに警察まで来ていた。
そのまま救急車で精神科まで運ばれた。
最初は任意入院だったが、当直医が「後から貴方は退院したくなるから、日勤の医者に医療保護入院に変更してもらうから」と言われた。
保護なんて名ばかりで、実際は強制入院、隔離、監禁だ。
ついでにこの医師の予言は的中し、その後退院したいのに退院出来ないという地獄を見るはめになる。
長いけど、まだまだ続く。
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