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【習慣にしていること】女の命を大切にしている話。

私、月瀬櫻子は非常に疲れやすい。
退勤後の私は、出勤前の私よりも、体感的に10歳くらいは老け込んでいることと思う。

非常に疲れやすい私は、仕事が終わって帰ってくるともうクタクタで何もやる気力が残っていない。
荷物を置き、風呂に入り、夕飯を食べた後はすぐに眠気が襲ってきて、気を抜けば夢の世界へと旅立ってしまいそうになるほどである。

もちろん家のことなんか1ミクロンも出来やしない。残り僅かなHPでお弁当箱と水筒と夕飯で使った食器を洗うのが精一杯である。
無論、掃除なんかをやる気力など残っておらず、明日の朝の自分に残りの全てを託して床に就くのが当たり前となった。


ところで話は変わるが、街中でふと綺麗な女の人を見た時、その人のどこに目を惹かれるだろうか。
服装、スタイル、顔、持ち物などなど。
人それぞれ惹かれ、何を見て「綺麗だな」と感じるポイントは違うだろう。それは至極当然。

私の場合は「髪」に惹かれる。
ヘアスタイルではない。髪の毛そのものに惹かれるのである。

髪色や長さなどは関係ない。
毛の先の先まで手入れが行き届いており、髪全体がしっとりとまとまった髪の毛。
サラサラというより、どちらかというと、ちゅるんというオノマトペが似合うような髪質が好みで、そんな髪を持っている人を見ると、じーっと穴が開くほど凝視してしまうのだ。

そして、髪と同じくらい「肌」にも惹かれる。

シミやニキビなど一つもない、キメの整ったお肌が大好きなのだ。
ふっくらとしていて、まるでむきたてのゆで卵のようなツルンとしたお肌。
触ると指に皮膚が吸い付いてくるかのような触り心地で、永遠と触っていたくなるような質感の肌を愛してやまないのである。

もちろん、祖母の二の腕のようなタプタプとした触り心地も嫌いではないのだが、瑞々しくてハリのあるお肌を見るたびに、私は心の中で「ハァン…」とため息をついてしまう。

それほどに、綺麗なお肌が大好きなのである。


日常生活を送る中で、ちゅるんとした髪とぷるんとしたお肌に触れられる機会などそうそうない。
同棲中の恋人のお肌や髪を触るも、勝手に触っておいて誠に勝手で非常に失礼ながら「なんか違ぇなあ」と首を傾げる日々。
理想的な髪と肌をどうにかして日常的に触れないかと考えていたある日。
私はとうとう思いついてしまった。


自分の髪と肌をそこまで仕上げれば良いのではないか、と。


需要と供給が私の身一つで成り立つ方法である。まさに地産地消。SDGsが話題に上がる現代の時代背景に非常にマッチした方法だと、私はひらめいてしまったのだ。

それからの行動は非常に早かった。


どんなに疲れていても、どんなに眠たくても、ヘアケアとスキンケアをしてから床に就くことが、私の夜の習慣となった。
所謂、ナイトルーティーンというやつだろうか。需要云々は置いておいて、私のナイトルーティーンでYouTubeの動画が一本撮れそうなほどの尺とボリューム。
とにかく、ヘアケアとスキンケアをしなければ安心して眠れなくなってしまったのである。


元々大雑把な性格の私である。
髪の毛は乾けば良いやというふうにしか思っていないが故に、バサバサと適当に乾かしていた。
乾かした後は1つに結んで、そのまま寝る。

顔に至っては適当な洗顔料でゴシゴシと洗い、乾燥だけ防げれば良いやと、安い適当な液体をペッペッとつけて寝る日々。面倒だと、洗った後は何もつけずにそのまま寝る日もあった。

そんな生活を送っていた私が、クソ丁寧にスキンケアとヘアケアをするようになったのである。
長年私の大雑把な性格に付き合ってきた母や妹からすれば、まさに天と地がひっくり返るような衝撃を受けるだろう。

髪はキューティクルの方向にそって丁寧に乾かし、寝る時はナイトキャップを被って寝る。
彼には「赤ずきんちゃんのお婆ちゃんみたい」との評価だったナイトキャップだが、コイツはすごい。とにかくすごい。本当にすごいから、全女子にお買い求めいただきたい。

コイツに守られて眠りについた髪は、翌朝になるとサラッとした質感を保ちながらも、しっとりとまとまるのである。

最近、使っていた300円くらいのヨレヨレのナイトキャップが役目を終えたので、新しく2000円くらいのものに変えたのだが、コイツがもっとすごい。
変えて以来さらに髪質が改善されたからである。さすが2000円。
0が1つ増え、購入前の私は断腸の思いの決断だったのだが、今となってはコイツを迎え入れて良かったと心の底から感謝している。

ちなみに洗い流さないトリートメントの類いはつけない。私がつけると、何故だかベタベタとした質感になって、何日も風呂に入っていない人のようになってしまうからである。
いつか、私の髪質にも合うトリートメントと巡り会えればと思う。

お肌についてもこだわりを持ってケアをするようになり、風呂上がりは必ずその時の肌の状態にあったパックをし、パックをしながらボディクリームを塗りたくる。
パックの後は丁寧に化粧水や乳液を塗り、ふっくらと仕上げるのである。

肌荒れした時、ニキビができた時、乾燥が気になる時など、用途によってスキンケア用品を変え、朝用と夜用でも違うものを使う。
さらに、週に1、2回ほどスクラブをして角質をケア。
以前の私では考えられないくらい手間暇をかけるようになった。


涙ぐましい努力の甲斐あって、髪はちゅるん、お肌はぷるん、という私の理想に着々と近づきつつある。
どれくらい変わったかと言うと、はじめは「こんなにたくさんの物が必要なの?」と呆れながら言っていた彼が、「俺もスキンケアするからおすすめ教えて」というようになるくらいには変わったのだ。


最近はというと、20代のうちにレチノールを摂ると良いとの情報を得たので、良い感じのレチノールを探しているのが近況。

そして、スキンケアグッズが予想外の増殖を遂げてしまい「収納ケースを買おうね」と彼に諭されたのも、最近のこと。


良い感じのレチノールを探すのと同時に、良い収納ケースも探さねばと思うのも、私の習慣となったのであった。

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