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映画「きさらぎ駅」を観た。面白かった。

前々から気になっていた、映画「きさらぎ駅」をやっと観た。
一介のネット怪談好きとしてはぜひ観ておきたいと思っていた作品であり、評判も悪くなさそうだったので、たまたま時間が空いた時にササッと観てみた。

結論から言うと、しっかり面白くて、ベタな感じも意外性も両方あって、しっかりゾッとできる作品だと思った。各キャラクターの設定にはベタな感じがありつつ、演技が自然で受け入れやすいと感じた。
特に良いなと思ったのはやはり本田望結さんの演じる高校生の役。過剰なきゃぴきゃぴ感が無くて、等身大っぽい女子高生だった。あとは「絶対指図されたくないボーイ」ことヤンキーの彼。絶妙なイラつかせ感で、「このキャラ死ぬな」を通り越して「早く退場してくれ」とさえ思ってしまい、変な爽快さを感じてしまった。そしてやっぱり芹澤さん演じるサラリーマン役。出始めは「こりゃまた嫌なおっさん出たな」と思ったが、後半に行くにつれなんだか憎めないキャラになり、なんだか愛着すら湧いた。
この話でのきさらぎ駅の最初の(?)体験者である葉山さん役の人の声が、個人的にすごく「生徒思いの一生懸命な先生」のイメージにピッタリハマっていて、一人称視点の場面でも心情や感情の動きが直に伝わってきた。

怖さ演出については、ちょっとした違和感がどんどん恐怖に変化していく感じが個人的には好みに感じた。ビックリ系とか大音量系とかは苦手な方だが、それはあまり気にならなかったと思う。ケガの描写はリアルだったが、グロさを前面に押し出すという事は無く耐えられた。
一度体験者の話を回想シーンという形で見せ、後半は主人公が追体験するという構図は、たしかに多くの感想で見られるようにゲームのRTA感を受けるものの、「話がどう分岐してどう変わっていっちゃうんだろう」というワクワク感が得られるので、エンタメとしては成功していると思った。個人的には、ただただ視聴者を驚かせよう、嫌な気持ちにしようとしてくる映画よりも好きだ。

どちらかというと「結局一番怖いのは人間」パターンはお腹いっぱいに感じるタイプではあるが、「おろかな好奇心のせいで身をほろぼす」系は大好きなので、本編のオチは素直に良いなと思った。
1時間半に満たない上映時間も、コンパクトで良かった。

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