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オークションから犬を仕入れるペットショップがあるって知ってました?

ペットショップの子犬はどこから来て誰が売っている?」の続き

ブリーダーの視点で見た場合(ブリーダーと言ってもピンキリ。この話はまた別の機会に)、主な販売ルートは3つ。

1:直接購入者に販売

2:オークション(セリ市)に卸す

3:ペットショップに卸す

ブリーダーが一番利益を上げることができるのは直接販売。続いてペットショップ。そして、それらのルートでも売れなかった子犬たちをオークションに流すケースが多い。もちろん、直接販売のみ、信頼のおけるペットショップにしか卸さないブリーダーもたくさんいるし、逆にオークション専門もいる。

オークションに出すブリーダーは大量繁殖をしている人が多い。そう言った人たち、業者をパピーミル(子犬工場)と呼んだりもする。それは、大量生産、大量販売する薄利多売ビジネスで成り立っていたりする。(自転車操業の人も多い)

大量だから、管理が行き届かず、不衛生で、ブームの犬を浅い知識で繁殖していたりする。また、過度な繁殖による母犬への著しい負担。近親交配。誰が父犬かわからない犬などもいる。

私がこの仕事を始めた当初(20年前)はかなりいたが、近年は規制強化などで減っていると思われる。(このパピーミルの実態も改めて詳しく書きたいと思う。)

ブリーダー(パピーミル)→オークション→ペットショップ

上記の流通過程を通し子犬たちがショーケースに入って販売されている。パピーミルで繁殖した子犬たちのなかには健康で犬種スタンダードにあった犬もいるがそれはレアケース。実態は、先天性疾患や感染病を抱えていたり、犬種標準から大きく外れていることが多い。私が、先日たまたま立ち寄ったホームセンター内のペットショップでは犬種標準にあった犬は皆無だった・・・。

ペットショップに陳列されている子犬たちがオークションから仕入れた犬かどうかを判断するにはどうすればよいか?

その1:手っ取り早く販売スタッフに「この犬たちはオークションですか?」「ブリーダーから直接ですか?」と聞いてみる。そこまでの勇気がない人は…。

その2:値札のところにブリーダーの情報が詳細(顔写真、繁殖地(せめて市区町村まで))に書いてあるかをチェックする。(野菜で言う「私が育てました」みたいなもの)その情報がないからと言ってオークション確定ではないが怪しさは残る。

その3:多店舗展開しているにも関わらず1店舗あたりの販売頭数が多い。例えば、各店常時30頭の子犬を陳列販売しているとして、その犬たちを大量に随時仕入れるには相当な契約ブリーダー数が必要だったりする。営業努力で確保しているショップも実際には存在するがハードルは高い。

もちろん、例外もあるが慎重に判断する材料にはなる。

何もオークション経由の子犬を絶対に購入してはいけないというわけではない。そういった知識を持って、ある程度のリスクを承知の上で判断し購入を決めるのならそれはそれで是非とも大事に愛情を込めて育ててほしい。

「私たちが飼わなかったらこの子はどうなるんだろう?」と言ういわゆる同情買いも否定はしない。売られている子犬に罪はない。

ただ、パピーミルたちが商売できない社会ができることを願っている。その理由はお分かりだと思う。一人一人、そこに繋がるお店で犬を買わないと言う勇気も必要ではないだろうか。


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