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Photo by
draw_sasadango
六畳半の魔法使い
朝7時にアラームが鳴り、起きる。
顔を洗い、朝食を食べる。
着替えて化粧をし、髪を巻く。
台所のゴミをまとめ、ヒールを履き出社する。
笑顔であいさつし、メールをチェックして仕事に入る。
先輩の話に相づちを打ちつつ、タスクを潰す。
急な仕事をふられ予定がずれ込む。
1時間程の休憩でランチと化粧直しを済ませ、午後の仕事に入る。
午前中やりきれなかったことを整理しつつ、引き続きタスクを潰して行く。
2時間程残業し、仕事が終わり家に帰る。
部屋着に着替えて、電子レンジで簡単なおかずを作る。インスタントの味噌汁と冷凍しておいた白米と食べる。
朝の分も合わせて食器を洗う。
化粧を落として風呂に入る。
スキンケアとヘアケアをして、髪を乾かす。
加圧タイツを履いて、アラームをセットして寝る。
これらは全て魔法だ。
アラームが鳴るだけで起きれることも、道具を使って可愛くなれることも、ヒールを履いて歩けることも、どんな気分でも笑顔でいることも。
空を飛ぶことも変身もできないし、住んでいるのは怪しげな城ではなく六畳半のアパートだけど、私は確かに魔法使いなのだ。
毎日毎日ただの人間にはできないことをやってのけている。
ちなみに魔力の補給方法は甘いものを食べること、コスメという魔法道具を買うこと、たっぷり寝ること。
さあ、明日もたくさん魔法を使わなくちゃいけないからもう休まないと。
私は六畳半の魔法使い。
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