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交代人格さんたち。3~ハナ~

【危険な自傷行為】ハナというおんなのこ。

3番目の人格は、もっとも厄介な”危険な自傷行為”を繰り返す
「ハナ」というおそらく16歳くらいの交代人格。

自傷とひと言でいっても、かたちは様々ですが・・ハナさんにはこれまで、主にリストカットや、首吊りのような自殺未遂を何度となく繰り返されてきました。

ハサミやカッター、剃刀や包丁などのいわゆる刃物類や細い紐状のもの(掃除機のコードやベルト)などを使われ自傷や首吊りをされました。
わたしの両腕には、現在もけっこうな数の傷跡があります。

他者との関りを断絶し、淡々と行為を繰り返す。

ハナさんが自傷に及ぶ様子を、偶然、知人や父、そして主治医が見ていた
事があるそうです。

普通であれば、目の前でリストカットをしている人間がいればその行為を止めさせるのが当然なのですが。
ハナさんの場合は「行為を止めようとする他者」を非常に嫌うようです。いわゆる「邪魔するな!」という感情なのかもしれません。
そのような邪魔が入った瞬間にその相手にものすごい力で抵抗し、汚い言葉で罵声を浴びせるそうです。

正直、じぶんが他人に対して
「テメェ、汚い手で触るんじゃねーよ!」
「オッサンは消えろや!」
「誰だテメェ・・・触るなオラ!!」
のような激しく汚い言葉を向けるだなんて信じ難いけれど、、
ハナの場合は自傷行為を阻害された場合には、成人男性が驚くほどの馬鹿力で全力で抵抗するのだそうです。特に「男性の存在」を極度に嫌う傾向があるとのこと。

ある程度の気が済めば自傷行為は自然にやめるそうです。
未だに私自身、なぜハナが自傷行為のみを繰り返すのかは分かりません。

警察官6人がかりで抑えつけられたお話。

2016年頃に日常的に4人いる交代人格が頻繁に現れていた時期、私が最も、外傷を多く作られた期間でもありました。
再発した2021年にも、つい先月にも新しいリストカット痕は増えましたが。

解離の頻度がピークだったと思われる2016年当時、一時的に療養のために1人暮らしをしていた街から離れ、1か月程度の期間だけ実家へ戻っていたことがありました。

当時実家にいたのは私の父と、高齢の祖父の2人。とくに祖父には絶対に解離性同一性障害のことだけは、絶対知られないように伏せてもらっていました。

ある晴れた夏の早朝、祖父がいつものように仏壇にお供えをしてお経をあげていたところに解離した私が現れたそうです。その時点ではおそらくハナだったのかと推測。

「おいジジィ、どこの誰だか知らねぇがうるせぇよ黙れ」
と睨みつけるように告げたあと、自宅から外へ出ていったとのこと。当然祖父は、まったく状況が理解できないわけで、私を追いかけ外へ出たそうです。

実家の前には河川があり、堤防が続いているのどかな田舎町。
ちょうど家の目の前に流量調整をするための水門が設置されたちいさな
橋があり、水深が深く危険なゾーンと、逆に水深は10cm程度の浅い所が
分岐している橋の真下に、あぐらをかいて座っている私を祖父や、朝の散歩にでていた近隣住人が見かけているそうです。

状況が完全に理解できない祖父も、さすがに異常な事態だと気づき、まだ寝ていた私の父を起こしに1度自宅へ戻ったそうです。

その間に、散歩していた近所のご夫婦が私の異常な行動に気づき警察へ通報されたとのこと。

その日、解離状態から戻ったとき、わたしは救急車の車内のストレッチャー
に腰かけて、華ちゃんがいつも連絡をとる知人男性と電話をしていました。
なぜか両手首、後頭部や額がとても痛み、私自身も「??」状態です。

そこで聞かされた、コトの顛末はとても信じがたいことでした。

駆け付けた警察と救急隊が見た「ハナ」と「華ちゃん」。

通報を受けて、すぐに警察官数人が駆け付けたようで
その時の私は誰に交代していたのかはわかりませんが、虚ろな表情で
河川の水際ギリギリを、四つん這いの状態でじっとしていたそうです。

当然、警察官たちは「お姉さん、落ちたら危ないからさ。こっちおいで」
と声をかけながら近づいてきます。
1人の警官が私の手をとった瞬間、私の表情が一変し、憎悪の眼差しとともに暴言を吐き、ものすごい力でその警官の手を振り払ったそうです。

慌てて他の警官たちもすぐ集まって、最終的に6人がかりで私は警察官にとり押さえられるかたちになったとのこと。。
とはいえ、当時の私は体重38kgで小柄なやせ型でした。

警官6人で押さえこまれるほどの馬鹿力がどこにあるのか・・・
でも「本当にビックリするくらいの力で抵抗されてね、仕方なく手錠を
かけさせてもらったんだよ。ごめんね」
なるほど。両手首が真っ赤に擦り傷になっていたのは、後ろ手に手錠をかけられたせいだったのか・・・。

それでもなお、激しくハナは抵抗し続け、自らアスファルトに頭を
打ち付けたり警官の腕に嚙みついたりしたそうです・・・

そんなこんなで父も祖父も、周辺住民もこの異常な光景をただ傍観するしかなく早朝の片田舎がざわつく中、私は救急車に押し込まれたとのこと。
すると陽気な華ちゃんに一瞬で人格が交代したようで、急にニコニコしながら
「あれ?警察のおじさんたち、何でいるの?てかスマホちょうだい。
華ちゃん電話したい人がいる!!」

この時点でもう、警官たちや救急隊もあまりの私の変貌ぶりに「へ???」となっていたようですが、幸いなことに父が事情を説明してくれており
とにかく解離がとけて正常な私に戻るまでは何もせず見守っていてくれ、とお願いしてくれていたそうです。

20分ほど、救急車の中で元気いっぱい、ルンルンとご機嫌で知人男性とニコニコと会話したのち、解離から戻りました。

解離(人格の交代)には、前ぶれが無い。

私の場合、解離が起きるタイミングには、所謂「前ぶれ」があまり無いようです。
もちろん、根本的な原因は過去のトラウマのフラッシュバックだったり
鬱や希死念慮などの「マイナスな思考」が解離を引き起こすと定義されるそうですが。

そんなこんなで、ようやく負傷した箇所の簡単な処置のみを受け、
約1時間30分に及んだ早朝のドタバタ劇は、ひとまず幕をおろしました。

「すげー。多重人格ってほんとにあるんだ。」

2016年当時、本当に週に何度もこのような自傷が頻繁に起こっていて
愛ちゃんによるお薬の過剰摂取で胃洗浄をうけていたり
やむを得ず緊急保護入院で精神病院の保護室へ入れられたり、
ハナにより首を吊られていて、異常な苦しさで解離がとけて必死で119番してなんとか命に別状なく済んだ経験も。

当時、すっかり常連となっていた時間外救急病院で(私のような精神疾患をもった患者からの通報時は警察ももれなく来ます)何度か、
「・・・すげぇな。多重人格って本当にあるんだ」とか「索状痕(さくじょうこん)」
というサスペンスドラマなどでしか耳にすることのなかった言葉を聞きました。

自らの意思ではないとはいえ、辛いです。

このように「ハナ」によって私の身体にはたくさんの傷痕があるわけで
それは決して私自身の能動的あるいは衝動的な行為とは明らかに違います。

でもね、やっぱり30代でこんなキズだらけの身体になったり受傷してせっかくきれいに縫合してもらった箇所を、何度もまた同じように傷つけられてしまったり・・・

だから、当時の私は好きだったアパレルの仕事から離れることにしました。
正直、時間の経過とともに少しずつですが傷痕は目立たなくはなっていきます。
が、やはり見るたびに自己嫌悪。辛いです。

今、鬱病などから自殺願望や希死念慮と闘っている皆さんにはどうか自らの身体を傷つけて欲しくはないな・・・と思います。本当に。

ファッション感覚でタトゥーをいれたりボディピアスをつけるのとはまったく訳が違います。

この傷はおそらく、近い将来再びDIDが寛解したとしても、一生残る。
自責の念はもちろんありますが、この傷とともに私はこの先の自分の未来を、もっともっと、幸せに。笑って生きていきたい。
今はそう思って日々を前向きに過ごしています。

いいお天気。起きたらまず朝日をたっぷり浴びましょう!!

最後まで読んでくださって本当にありがとうございました♡

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sakura