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立ち止まれば歩き出せない。「何も無い」という苦痛

ベッドの中からこんばんは。
深夜ですね。染井吉野です。

突然ですが、私はたくさんの趣味を持っています。
小説を書いたり、イラストを描いたり、ゲームを作ったり……手芸や彫刻?も好きです。

産みの苦しみはありますが、どれも私の大切な楽しみです。

どうでしょう?
幸せそうに見えたでしょうか。

事実、私は幸せなんだと思います。たくさんやりたいことがあって、たくさん出来ることがあって……でも、私、そのどれででも、全力でやることが出来ないんです。

最近、心が無になってしまっています。

「あれをやりたい!」が、「あれをやらなくちゃ」になって。
「あれ面白そう!」が、「何が面白いんだろう」になって。

好きなものもよく分からない。
何がしたかったのか、何になりたかったのか、分からない。

今の私は、マラソン大会中に立ち止まって、頭を抱えている子どものようです。
隣を通り過ぎていく人々の足音が怖くて、目と耳を塞いで、でも、見つめた自分の中には何も無くて。

(早く進まなきゃ、立ち上がらなきゃ)と思う度、自分の中に、かけ出せるほどの情熱も、目標も、無いことに気がついて。

いろんな道があることは、分かっているんです。
ただ、道があまりにも遠くて……怯えて、疲れてしまっている。怖くなってしまっている。

他人が持ちうるような覚悟も、健康も、才能も無い。頭も悪い。

私に何が出来るのだろうか。誰か、教えてはくれないか。
悲鳴をどうにか押し殺して、俯いて泣いている。
こうしている間にも、人々は私を追い越して行くのに。
何も出来ない。怖い。私には何もない。

誰か、誰か 誰か 誰か

立ち止まってしまった私の縮こまった背を、叩いてはくれないか。
通りすがりの、ついででいいから。

誰か 誰か 誰か……

そんな誰かなんて、いない。

私は、私は、今日も1人。
寒くて寝られもしないまま、布団にくるまって頭を抱えている。
私にも何かあるはずだと、出来ることを指折り数えて震えている。
そのどれもが中途半端で、他人に見せらやしないことに絶望して。
髪の毛を握りしめて泣いている。

私は立ち止まってしまった。頭を抱え、鼻水を垂らして泣いている。
歩き出さなくちゃ。観客がギョロ目で私を囃し立てる。
マラソンはまだ途中だから。
燃料はもう消えてしまった。いつ戻ってくるのかも分からない。
それでも、歩き出さなくちゃ。

辛い辛い辛い辛い

それでも、歩き出さなくちゃ。

そうやって、今日も口をつぐんで顔を上げた。
弱音も涙も不安も恐怖も、無くなってほしいものばかり。
無くなってほしいものばかりで、私は今日も出来てる。



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