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マルチリンガルの育て方。2歳 (後半)

https://note.com/sakura_log/n/n1fe03d3e3f8b
マルチリンガルの育て方。2歳 (中盤)

智川かもめ 2022年6月

前回↑からの続きです。
それでは、「ドイツ語を主軸、日本語をサブ、英語を少々」のように方針を決めた息子0歳が2歳すぎまでどのように言葉を発達させてきたのか、振り返っていきたいと思います。

私のNoteは自己満足の育児日記や反省記録なのですが、

この実録が、お子様をマルチリンガルにされたい方や、
「他言語環境の赤ちゃんはどんな風に育つのかな」、とご興味がある方のお役に立てたら幸いです。。

ちなみに筆者は帰国子女ではなく、中学1年生から英単語帳をゴリゴリ1個ずつ覚えて英検1級を取得しました。ドイツ語も大人になってから始めてドイツで医師免許をとって働いていますが、語学の壁には毎日ぶち当たってます。自然に英語もドイツ語も覚えられて発音も綺麗な息子がうらやましい。


妊娠中


日本語で色々語りかける。
「お魚美味しい❓」とか「どう思う、○○くん❓」など。

胎児に絵本の読み聞かせや歌を歌ったりすると脳にいいらしいのですが、(母親の声は胎児に最高のリラックスをもたらします。これは医学的にデータ多数。)
なんか1人でこども向けの本をブツブツ朗読するのが恥ずかしくて途中でやめてしまいました。
まして歌歌うなんて、「このアラサー、ディズニープリンセスみたいに1人で歌い出して痛い」とか羞恥心がよぎってしまって、たとえ家に1人でいる時でも、絶対できない。

(ディズニーアニメのお姫様たちって1人になると必ず歌ったり、周りのものに語りかけたりするじゃないですか。)

ただ、上記の語りかけは、忘れずにやってました。
やり過ぎたせいか、息子を出産してかもしばらくは、ついついお腹に向かって語りかけてしまう事がありました。
(妊娠中に歌歌うより痛い。)


その他には、妊娠中も産休ギリギリまではフルタイムで仕事を続けました。手術や分娩介助は出来ませんでしたが、9−17時の婦人科外来で一日中患者さんと話す仕事をしていたので、

母親の声に慣れる

という目的は図らずも達成されたのかもしれません。


誕生〜生後1ヶ月

ほぼミルク飲んで寝てる。ぼーっと空を見つめる息子。
視点もあってるのかあってないのか微妙。。。
「おむつかえるよ」「お腹空いたね」など声かけは続ける。
「○○君、おはよう」「ママだよ」「パパだよ」などの挨拶も必ずする。
当然返事はなし。

お腹が空いたり眠ければ当然ぎゃーっと泣く→対応するけどコミュニケーショのは一方通行。。


生後2ヶ月


ニコッと笑うようになる。(微笑 smiling)
はっきりと視線が合う。
ベッドにかけたモビールなど動くおもちゃに夢中。
「かわいいね」などなるべく話しかけるようにする。
(相手が見つめ返す以外リアクションをしてくれない分、2人きりの時とかつい無口になりがち!)


生後3ヶ月


首が座る。キャッキャッと声を上げて笑うようになる。(laughing)
視界=彼の世界が広がるように、リクライニング式の椅子に座らせてあげる。
音の出るおもちゃで遊んだり、カラフルな布製の赤ちゃん絵本を読んだり、なるべく沢山話しかけるようにする。



生後4ヶ月


「あー」「だー」と意味のない言葉が出現(喃語なんご)
相槌もハッキリしてくる。
この頃から、ドイツ語と日本語で絵本の読み聞かせを本格的に開始。

生後5ヶ月


喃語が増えていく。
ドイツ語の影響か、r(ルゥー)とかl(ルゥー)とかp(プ)とか 子音をひたすら連呼。
夫に「お前が使いこなせないrとlを息子5ヶ月はもうちゃんと使い分けてるね!えらいえらい!」と言われて殺意が湧き上がる。
(もちろん夫にですw)
絵本は興味津々でずっと目で追っている。


生後6ヶ月


「マンマー」「マンマンマン」とMam・Mam連呼シーズン突入。
このマンマは母親という意味でも、飯という意味でもない。

絵本にリアクションを返すようになってきた。気に入った絵本はジェスチャーで何度でも読み直すようせがんでくる。


生後7ヶ月


「ん(N)」が追加。
おもちゃとかミルクとか全て「ん」で表現する。
指差して「ん」(あれ、取って)とか。
何かを差し出して「ん」「んー(怒)」とか。
さながら、「ん」と傘を差し出す、となりのトトロのカンタ。

            引用 アニメ「となりのトトロ」 Copyright スタジオジブリ


生後7ヶ月3週

突然、ハッキリと 「ママ(Mama)」と呼んでくれた。


村上春樹氏風に言うなら、「そう、ある日突然、僕はどうしてもこの女性(ひと)をママと呼んでみたくなったのだ」みたいな感じで、

「m、m、m、」と喉からm音を何度も絞り出すように発声した直後、くちびるをaの形に変えて、
「m、m、ma、mama!」とハッキリと発音した。

本人が、進化した直後のポケモンのように自分の身体をまじまじと見つめて一番驚いているようだった。

(そして、一度新しい技を覚えたポケモンは、「この技はまだ覚えたてで不慣れだから不発に終わることが多い」みたいな現実的な設定は無く、スムーズに使いこなせる。。。ように、息子も初回以降は普通にスラスラと「Mama」と言っていました。感銘。)


生後8ヶ月10日


ママを言えるようになってから約3週間。
突然夫のことを「Papa」と呼ぶ。
Mamaの時のような苦労して大人の発声を真似している様子は一切無く、いきなり、スッと呼んでくれたので大人が驚く。
(陰でコッソリ練習していたんじゃないか。)


生後9ヶ月頃


Kaka(ドイツ語圏の赤ちゃん言葉で、うんち)と言い出す。
おむつ替えの時に、親が「Kakaだね」と言っていた影響。
うんちをすると、淡々と「カカ。」と報告してくれるようになる。

(ちなみに私が「うんち」という単語がなんか嫌で、Kakaと言っていたせいで、息子は2歳を過ぎた今も「うんち」と言う単語を知らない。そろそろ教えようかな。)


生後10ヶ月頃


夫の両親が教え込んだせいか、「Baumバウム(木)」は言えるようになる。なんで人生4つ目の言葉をこの単語にしたんだ。。。
木の形をしたおもちゃを指差して「Baum」と言うようになる。


満1歳! Mama(ママ)、Papa(パパ)、Kaka(ウンチ)、Baum(木)の4単語は言えるようになった。



1歳1ヶ月〜1歳7ヶ月
この間6ヶ月間、全然、新しい単語が増えず。


バイリンガル・マルチリンガルは、モノリンガルよりも言葉の発達が遅いとはいえ、流石に心配になる。



1歳7ヶ月〜8ヶ月
今までの遅れを取り戻すように突然新しい言葉を色々喋りだす。でも日本語は出てこない。


急に意味不明な言語をスラスラと喋るようになる。
聞きようによっては英語のようにも聞こえるし、ドイツ語のようにも聞こえる、中国語のようにも聞こえる。

意味不明言語の節々に、ちゃんと意味のある単語が飛び出すので、息子は私達に何かを語りかけていることが分かる。翻訳こんにゃくが欲しい。

以下が、飛び出してきた単語たち。
欲張り赤ちゃん生活に必要な単語を反映してか、圧倒的に食べ物が多い。

Auto(オゥト= 車)
Tür (チュア=ドア、扉)
Ball(バル= ボール)
Wau-Wau(ヴァウヴァウ、わんわん=犬)
Miau (ミァウ=ニャン=猫)

Milch(ミルヒ=ミルク、牛乳)
Suppe(ズッペ=スープ)
Reis(ライス、米)
Brot(ブロート=パン)
Käse (ケーゼ=チーズ)
Banane(バナーネ=バナナ)
Kiwi(キヴィ=キウイ)

weg  (ヴェグ=英語のaway、いなくなった、離れた)
Da(ダー= そこ)
Auf (上に、開けて)

なぜか、大して学んでない英語が台頭。

この時期から、
A car (車)
A bus (バス)
A bag (かばん)
Milk(ミルク)
Juice(ジュース)
Soup(スープ)
Sheep(羊)
Panda(パンダ)
Door(ドア)
This(これ)

などの英単語を言い始める。数えられる名詞は冠詞のAがついてる。
(最初、「あ、バス!」等々言ってるのかと思ったら、感嘆の「あ!」ではなくて冠詞のAでした。)

この頃から、はい・いいえの区別がつくようになる。

1歳9ヶ月頃から、
Ja (ヤー = はい)
Nein(ナイン= いいえ、嫌だ)
が使いこなせるようになる。

(質問形式でお話ができるようになって、会話がグッと楽になりました。)

                       ジョジョの奇妙な冒険より ©️荒木飛呂彦 

「ご飯たべる?」「もうお腹いっぱい?」などなど二択で答えられる質問なら、「Jaヤー」「Neinナイン」で答えてくれるので、ここまでのように表情や声で読まなくても通じる。
但し、日本語で「うん、そうだよ、ちがうよ」等々YES・Noに相当する言葉はまだ言えず。)


1歳10ヶ月やっと日本語を喋る!最初に喋った単語は「赤」

ついに、日本語を話す。最初に喋った単語は「あか」
赤い車を指差して、「あかー」(発音は垢)と言い出した。

いつもの A Car(一台の車)を言う時とは少し違う感じなので観察していると、ちゃんと日本語発音で「あか」と言っている。

他に赤いモノの絵を指差して「そうだね。あかいろだね。これも、これも、あか(いろ)だよ」と言ってあげると、「あ、車以外も、みんなあかって言うんだ。」みたいな顔をしている。

色に興味を持ち始めたこの好機を逃してなるものか、と早速アマゾンで2歳児向けの色の絵本を購入。
「rotロート=あか」「blauブラウ=あお」「grünグリューン=みどり」「gelbゲルブ=きいろ」等々の色の呼び方をドイツ語、日本語で教える。

なぜか教えてないのに、「レッド」「ブルー」等々英語ではスッと言える。
多分子供向け番組の影響。


1歳10ヶ月〜2歳直前 2歳を前に言葉が急激に増える!


最初の日本語単語、あか(赤)を皮切りに日本語がちらほら出てくる。

Dakko (だっこ)  これは純粋にかわいい。抱っこをせがむ時。高いところから見下ろしたい時に「抱っこ!抱っこ!」と言う。

Kampai(乾杯) 大人が乾杯する様子を真似っこする。

Ashi(足)  自分の足を指差す。

Chapu Chapu  チャプチャプ 湯船で水面に手を叩きつけてチャプチャプさせながら言う。初めて話した擬音語。



その他、ドイツ語も2−3日に1単語ペースで語彙が増える。


Opa(オーパ=おじいちゃん)
Oma(オーマ=おばあちゃん) 
オーマの方が発音しやすそうな気がするけど、オーパの方が一週間くらい先に喋れるようになった。

Tschüss (チュース=バイバイ、カジュアルな感じの別れの言葉)息子はなぜか対象の人が見えなくなってから言う。

Bye-Bye (バイバイ) ⇦ ちょっと声が高い感じ。左手をパタパタと降る様子や発音が、まんまアニメ版の魔神ブウ


Bett(ベッド) 眠くなると、寝室を指差して「ベッド!」と言う。Schlüssel (シュリュッセル = 鍵)

Jacke(ヤッケ= ジャケット)
Hose(ホーゼ= ズボン)
Socken(ゾッケン= 靴下)
Schuhe(シューエ= 靴)
Hut(フート=ツバのある帽子)
Mütze(ミュッツェ=ツバのない帽子)

Fisch(フィッシュ = 魚)  大好物
Natto(ナットー = 納豆) 大好物
Butter(ブッター = バター)なぜか舐めるのが大好き
Ei(アイ = 卵)
Waffel(ヴァッフェル = ワッフル)ユーチューバーの影響
Eis(アイス = アイスクリーム)ユーチューバーの影響
Jogurt(ヨーグルト)ユーチューバーの影響
Apfel(りんご)

Katze(カッツェ= 猫)
Hase(ハーゼ=うさぎ)
Bär(ベーア= 熊)
Fuchs(フックス= 狐)
Löwe(レーヴェ= ライオン)
Pinguin (ピングイン=ペンギン)

Zug(ツーク=列車、電車)


Bitte(どうぞ・どういたしまして) 
完全に誤った使い方をしている。

夫などドイツ語を話す人にモノを差し出された時に、ありがとう(Danke)の代わりに、Bitte(ビッテ。=どうぞ)と言う。
私がおやつなどを差し出すと、日本語で「どーぞ」と言う。
「違うでしょ。モノをもらった時は、ありがとうでしょ。」と言っても、聴いてくれない。。。


やったー!2歳!日独英合わせて約70−80語をスラスラ話す。


すごい。1歳の誕生日時点〜1歳半まで、
Mama(ママ)、Papa(パパ)、Kaka(うんち)、Baum(木)の4単語しか話せなかったのに。

1歳半から2歳の半年間で一気に70語くらい増えました。大体2−3日に1語は話せるようになった感じですね。


結構長い記事になってしまったので、
マルチリンガルの育て方(終盤)にて、まとめや考察を書きたいと思います。

だいぶ前に描いた絵です。構図が色々おかしいw


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