イグBFC4劣悪感想紀行 メンタルブレイク編 45&21&43

 昔々あるところで意図的に探さないと見つからない美点を見つけておじいさんに伝えてみたところ、それに気を良くしたおじいさんはそればかりに気を取られるようになりました。この話には教訓がある。変に褒めるくらいなら正直に話せ。相手を歪めたくなければな。
 あなたの人生の時間を食いつぶして生きる寄生獣、イグナイトファングマンV3ブイスリャー。作戦目標は悪。かくとう、むし、フェアリーに弱い。

※かなり情緒不安定な仕上がりとなっており、自己満足的で、かつ弁明的な内容になっています。メンタルに影響を受けやすい方や、ぐだぐだ語り始めるバカが嫌いな方は即刻ブラウザバックしてください。



やり直し編一覧

メンタルブレイク編一覧


メンタルブレイク編の趣旨

 感想はひとときの幻。無漏路むろじへの道行、しばし連れ合いを楽しもうぞ。
 メンブレしたサクラクロニクルの姿を嗤って、ゴミ箱に投げ捨てよう。

※個人的に一日でも早く感想を書き直したい作品をピックアップして進むのが本旨です。全3回で完結する予定ですが、増えるかもしれません。


基本的に書くこと

 メンタルブレイクした状態で以下を書きます。

  • 感想

  • その作品のアホであるところとはなにか

  • どこがわざとらしいか

 その他、作品の向こう側にいる作者の方に伝えたいことも書きます。


45『こんな僕にも彼にょができました!』げんなり

 この作品を読んで感想を書く、という行為の前に大前提となる物事がある。それは、本物のイグを見せるという気合を作者が発していたことだ。本物のイグとはなにか。定義さえさだかではないそいつをこの目で拝めるというのでれば、私のイグナイトファングもより高みに到達できるというものだ。逆に言えば、それなりのイグを見せつけてもらわねばがっかりする羽目になる。できればそういう感情を抱かせないで欲しい。だが感情は事実と自分の心とのふたつが化学反応を起こして生じるものであるため、そうやすやすとコントロールできる代物ではない。相手だけの問題じゃあないからな。
 この話はそのせいで肩透かしを食らった作品だった。
 ただのつまらない作品だったら「無」に向かってイグナイトファングすりゃいいだけの話だが、そうは問屋が卸さない。この作品にはどうしようもない孤独と自己憐憫の感情、それに対する批判的な眼差しがあるわけでね。イグか? と言われるとな。
 つまらんという意味ではイグだが、このつまらんというのは「本物のイグじゃあねえな」という感情に対するつまらんなのであって、作品そのものが本当につまらんのか? という問いに答えるつまらんではない。二周三周してもあんまり印象が変わらないという意味ではつまらないのかもしれないけれど、周回できるって本当につまらない作品じゃあ無理じゃね? とも思う。なので直感的にはこの作品はつまらないわけではない。となると、イグじゃないという確信はより強くなっていく。
 作品の内容に触れることでなにを感じたのか示す努力をしたフリだけはしておこう。
 まず表題の時点で狙いすましたイグ味を感じる。「彼にょ」だと。彼にょとはなにか。ワーカムにキレられそうだ。本文に進むと彼女、から始まる。まだ題名との因果関係を考えるのは早そうだな。
 謎の精神的実感である彼女。そいつと主人公の間とでやり取りが起こる。彼女は主人公の命がある限りずっと一緒にいてくれて言いなりになってくれるらしい。だいぶ都合のいい存在だ。妄想か? とこのあたりで思わせられる。主人公の恍惚とした描写も含めて、開幕からあちら側の世界に行ってしまっている感が演出される。
 次に行くと日常生活の描写が入るが、なんとも言えない世知辛さがある。まあ、まだこれくらいならマシじゃん? って思う私は、どうもより低い位置にいる感じはするな。精神的に。弁当を配達してから、その配達した弁当の空き容器を回収しに行こうとするところまでが描かれるが、そこにほんのすこしの非日常的感覚の描写が挟まる。これが噂の彼にょか? 女と書いてにょとも読めるから、実は彼女はかのじょではなくかれにょである可能性が出てきたな。かのにょかもしれないけど。
 で、ラスト。かれにょに、人間の生なんて一瞬だよと笑われて終わりとなる。主人公はそこで幾星霜を過ごしたとかすごい大仰なことを言うが、マジかもしれんな。そういう精神的存在に接触して主人公は目覚めてしまったのかもしれん。かれにょに。(かのにょかもしれない)
 本作品のアホなポイントはなにか。なかなか難しいもんがあるぞ。まあアホと言えばアホなのは「作品そのものがどこか自慰的である」というところかもしれないが、そんなのは不名誉に向かって突っ走る創作とは切り離せるはずがないからアホと言いづらくね? と思う。わざわざアホなことをするのはそれなりに理由あるだろ? という。だからここはあえて裏を読んで、人間を遥かに超えた精神的存在が相手にいるのになんで孤独を埋める程度のことしかしてくれんのだ! というところにツッコミを入れるために「超スケールの大きそうな存在が出てくるのに、最終的到達地点が個人の快楽でしかない」というところがアホなところだとしよう。これを書いてる私の方はバカですな。
 これが意識的に書かれているアホだとすると「スケールが無駄にデカい」「やけに大仰な比喩が使われる彼女」「主人公の現在があまりにもしょんぼりでかわいそう(アホじゃないじゃん……)」「やっぱりスケールが無駄にでかい」あたりが丸いかな。終わったわ。
 一番よくないのはメタ情報に私が踊らされてることだよ。この作品には挑戦状みたいなものが添付されていたから、じゃあ見せてもらおうじゃねえかと思って読んだわけだが……。こんなもんじゃないよな、アンタのイグはよ……? という気分にさせられた。まったくもってフェアな読み方はしていない。でもひとつ追撃の罵倒をしておくと、本物のイグを見せてくれるっつうなら、まだ見ぬ真実のイグへの探求心を作品からみなぎらせて突撃してきて欲しい。作品そのものがどや顔をしていて、なおかつマジでつまらなければ完璧なイグだと思う。そんなものを書くなんてアホだねえと軽率に言える。
 アホというテーマは人間の本質を浮き彫りにしちまう。ちょっと真面目すぎじゃない? それゆえにイグナイトファングの値打ちもない。

 ちなみにですが、本作と私の作品はなんの因果か衝突しました。結果は本作の勝ち。つまり世間が認めるイグはこちらというわけです。こんなイグ感想文読んでても人生が無駄に消費されるだけだぞ。


21『犬』エンプティ・オーブン

 私のことを真面目だと評する人間は、皮肉で言ってるか私のことをからかっているのだと思うが、前者だとすると他人に皮肉を言う人間だと思われるだろうから違うだろう。後者も他人をからかうような人間だと思われるから違うだろう。となると選ばれる答えは第三のものとなる。社交辞令だ。社交辞令なら仕方がないな。人間が社会生活を送るには必要な要素だ。(せっかく真面目だと言ってくれている人に申し訳ないなと思ってしまうあたり、自分がまだ社会的存在なんだなという気がして嫌になる)
 本作はそういう人間社会のなにもかもが嫌になった人が犬になっていく、かのような印象を受ける作品。めちゃくちゃわざとらしく「犬になりたい、いやいっそ犬のために生きたい」という想いが書かれているので、思わずイグナイトファングしそうになったが、本当にすべてが嫌になったら自分が理想とする存在になりたいと思うのが人間というもの。私の場合は機械になりたい。感情を処理できん人間はゴミだとザビーネ・シャルも言っていた。だからこの作品は初読のとき、「まあ、うん。犬になりたいこともあるだろうな。私は現実の犬が怖いから嫌だけど」と思った。
 ただこの作品の印象がすごく悪かったところは「犬以外の文章がひらがなで構成されているブロック」と「どれ位~以降のブロック」に切り替わっていくところがあまりにもダイナミックすぎるところだ。唐突、の方がニュアンスが伝わりやすいか。もうなんか小説書くの嫌になったからこのテキストで〆にかかるか、みたいな投げやりな転調を感じた。その一か所で感情のすべてが持っていかれた。
 最終的に世界のすべてが犬になるシーンとか、普通なら「なるほど」ってなるところだと思うんです。犬以外がひらがなになってるところから漢字でしっかり書かれているシーンに切り替わるわけだから、そこで語り手がストレスで幼児化している状態から理性的な存在(あるいは発狂)へと切り替わって世界の真理にたどり着いたと読んだ方が健全な気がする。
 でも、イグBFC4のテーマは「アホ」なので、そこがそんなにしっかりとした理由で切り替わっているとは読まなかった。だからそこでわざと投げたなと判断してイグナイトファングを打つこととした。もうすこし理性的な目線で作品に接した方がいい。でもそうするとこの作品はあんまりアホにならなくなるけど。
 本作のアホなところをあえてあげるなら「なにもかも嫌になったらとりあえず身近な動物になっときゃいい」ってところか。これは悪意だよ。どいつもこいつも犬と猫に頼りやがって。なお私が神と崇める作家も猫作家みたいなところがある。犬も使ったことがある。現実はクソだ。
 悪の力で本作のアホなところを列挙するのであれば「開幕からすべてが嫌になってるネガティブレベルマックスなすべりだし」「それにしては犬に関してやたらと元気だからそんなにネガティブでもない気がしてくる」「犬のためならなんでもできる(でもこの話の展開だとこれアホなところじゃなくて作品の演出として真っ当なのでは?)」「世界は犬だった、はさすがに飛躍しすぎてついていけない」だ。
 この世界には「not for me」という便利な言葉がある。この作品はその見本だ。私のために存在する作品じゃないし、作品の方も私の匂いを嗅ぎつけて吠えてくる。私は一生犬を飼えない。


以下、感想ですらない時間を奪うだけのテキストが出てきます。読むのをやめましょう。



43『夢-Converter's Folk Tale』サクラクロニクル

 読むだけ無駄。


 判定はPixiv不敬罪で写殺。Pixivを選んだのはイグの民が慣れてなさそうなサイトだったから。なろうに投稿するという道を忘れていたのは、俺が無意識にこの作品を評価して欲しいなーとかどっかで思ってたってことでしょうね。イグでそういうことを狙うなんて浅ましいんだよこのオクトパス野郎。
 あらすじ。一回戦を最下位でアウトした俺の作品です。意外と得票してたんで芝。奇特な知り合いの方々からいただく感想がイグっぽくない感じのやつだったので芝2500メートル。そしてイグおじから若く未熟なイグ判定されてイグの世界樹イグドラシルへの道が開かれた。(ここまでがエックスで俺がぐだぐだ言ってた内容です)
 自作を解説するってめちゃくちゃつまらねえよな!(おもしろい作品の自作解説はおもしろいです)。俺は自作解説がかなりイグだと思う。手本となるべくこれを書くものなり。
 本作は百合とタグにある通り百合小説。本文読んでも百合だとわからないからこの時点でメタ情報にめちゃくちゃ依存しているという点がバカ。ジャンルが現代ファンタジーになっているが、これは俺がこの作品をライトノベル的に軽い感じで読んで欲しいから設定したもの。実際、この作品は普通に現代ファンタジーなことをしている。はず。
 テーマは「代償行為」と「共依存」。登場人物は「ボク」と「あまね」のふたりとなっている。物語は「ボク」が「あまね」との思い出を語るという形式で進行し、ふたりでひとりの作家である「水無月雨音」がどうやって成立し、そして死にゆくかが描かれる。特に「あまね」の死に方がめちゃくちゃ雑で、徹夜続きのところを車にはねられ、その後に救急車に乗せられたときに電子機器に触れてしまって連鎖爆発で退場という。ちょっとよくわからないんでもう一度言ってもらってもいいですか? 最後はお墓で手書き原稿にチャレンジしようとして失敗し続ける「ボク」と、そんな「ボク」に語りかける「あまね」の言葉で幕となっている。
 この作品のアホなところは「ライトノベル的でアホだけどアホじゃない、だけどちょっぴりアホな作品で突っ込めばワンチャン全体から浮いて見えたりするんじゃねえかな、という打算でできている」だな。前回は「俺が考えるお上品ぶってるクソ嫌いな小説に似たなにか」だったので、毎度毎度底の浅い計算で書かれているのが透けて見える。バカめが。こういうのはアホじゃなくてバカって言うんだよ。今回はアホがテーマだから罵倒語はバカだ。
 本作のおバカポイントは「水無月雨音の名前の由来が読者に半分しか伝わってない(らしい)」「物語の細かい部分はチート能力で解決」「適当な理由でキャラクターを始末する」「安易なお涙頂戴メッセージで〆」「文字数がひっ迫しすぎていて禁則処理の力を借りないと原稿用紙6枚におさまらなかった」「このような解説を作者本人が書く予定だった」ってところだな。バカめが。

▼本作の設定

  • ボク

    • 人間変換器(Converter)。秒速18キーは競技タイピングのプロを凌駕していて、それをブラインド&リスニング&ノーミスで実行していたと仮定すると人間ではない。小学校の頃に作文で「まるでだめで賞」をもらったらしいが、そんな学校の教師がいたらいまどき退職させられてると思う。物語を書くという行為にあこがれていて、その代償行為としてあまねの原稿を電子データに変換していた。本名の音を作家の名前として利用される。百合というタグ以外からあまねへの想いが伝わってこないという湿度高めな厄介ガールでもある。これで眼鏡かけて三つ編みで暗い表情をしていてそばかすがあれば完璧だったんだけどな。そんなものを書く余裕はなかった。

  • あまね

    • 機械破壊体質を持つ女。中華スマホなら触れるだけで爆破できる。どうやって生まれてきたんだ? もしかして後天性なのか? 物語を書く能力と引き換えに機械破壊体質になってしまったのか? 物語が書けないボクのために? ないな。サクロがそこまで考えて書いてるはずないよ。というくらい適当な女。鉛筆二刀流で二行同時に出力という時点で人間ではないが、さらに口述も交えて二作品を同時に書く能力を持つ。人間によく似た姿の妖怪・小説書くガールではないかと思われる。適当な設定から生まれてきたので、適当な理由で爆死した。俺の代わりに小説書いて欲しい。



 転んで死ぬ予定なのに石が遠い。
 平地で転べばイグなのか。

 本稿は以上となります。
 お読みいただきましてありがとうございました。

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