イグBFC4劣悪感想紀行 やり直し編 11-15

※本記事はターゲットユーザーを「私の感想の読者」という極めて限定的な方々に絞っております。その前提なしに読むことで発生した時間的・心情的な損害については一切責任を負いません。


やり直し編一覧


趣旨

 感想文が書かれた理由、初読における感情を文章化することが狙いです。以前書いた感想文のクオリティが低いことに対する、自分のためのやり直しとなりますので、それ以上のものはここにはありません。(という予定だったんですが、既に覆っています。最初の感想読んだ人ごめんなさい)


基本的な書かれ方

  • そもそもの感想を明示します

  • 各作品のイグBFC4のテーマ「自分がアホであると思うもの」へのアプローチ方法を私なりに解説します

  • 「意図的・知的に構築されたイグである要素」を言語化し、それによりイグナイトファングの理由を明確化します


11『Sは、Nと、カリウムと、象印な日々』齋藤優

 私にとって読むのがきついのは、難解な作品です。この作品はその典型例のようなものです。アホとかアホじゃないとか以前の問題として、この作品は難しすぎる。不思議な日常生活を活写した掌編小説と取るべきか、実は現代詩なのか、あるいはもっと別の散文作品なのか。わからない。ひとつだけ言えることは、この作品は頭よりもまずセンスで読まなければいけないということ。感覚がそう告げている。明示的に正解が書かれているわけではない文芸作品なのだから、正常で健全なメンタルを持った状態で読み、それでもなお意味がわからなくて普通で、そのときに味わったことそのものを出力してこそ本当の感想になると思う。
 この作品から感じる言いようのない無重力感、地に足がついている状態で作品を読むことを許さない感覚を論理的に他者に伝えようとするのは私にとって高度な内容です。仕事と表現しても差し支えないほどの難易度でしょう。ですから、読んでいる方には申し訳ないとは思いますが、本作品はnot for meとしてスルーさせていただきます。
 アホなところ、一切わかりません。
 なにがアホなのか説明してくださる方が必要です。
※参加賞のイグナイトファングも理由もなく打たれてます。軽率でした。申し訳ありません。


12『労働俳句 カブトムシ』なんかよむ千住

 芸細な作品です。わざわざ写真で全部用意してくるところも含めて丁寧な仕事がしてあります。句の内容が極めて現実的で頭の中に情景が浮かんでくるようです。ここまでちゃんと俳句してる状態でイグに乗り込んで来られると腹が立ってくるレベルです。(怒ってないよ)
 本作のアホなところは「全文手書きの画像芸」と言ったところで、それ以外はぜんぶ昆虫を用いて現実の人間を皮肉ってる感じがします。
 画像演出と本文がうまく絡みあっているので、こりゃもうイグナイトファングするしかありませんな。「やわらかな手書き文字」「かわいい手描きイラスト」「投資の本わざわざ映す」「くまざわ書店のブックカバー」「ワンチャン本気の退職届」「暗い所に缶コーヒーのブラック(企業生活の暗示)」と、画像芸ってのはこうするんだよ! と非常に説得力のある内容となっております。
 おもしろいのでイグではないです。あと昆虫の側からすると、秋に死ねてなかろうが角が折れてようがなるように生きるだけな気がします。そこの意見だけは変わってないです。家の外で平らになっていたカマキリを見ながらそう思いました。彼女をどこかかわいそうと思った私は偽善者だ。


13『或る干渉』久乙矢

 かつて内輪ネタの極致みたいな作品が投稿されているのを見たことがある気がしますが、これもかなりの内輪ネタですね。イグBFC4の運営に関しての憶測情報を書きつつ、最終的にはSFらしい投げ飛ばし方で話を終わらせています。SFの悪い使い方の見本みたいになっちゃってますけど、なにせイグですからですべてが通用してしまう。なんてイベントだ。
 本作のアホなところは「わかる人にしかわかんねえ」です。最初から対象読者層を狭めるなんて愚行もいいところな気がしますが、ターゲットユーザーが基本的にほぼ知り合いだとわかっているので通用してしまうという。アホだけど、そう簡単にアホはやっちゃくれねえ。アホをやるという意志を使って書かれている。断言しますが、この方向性で書かれた作品はイグナイトファングからは逃げられない。クソ、はめられた!
 この作品のアホさは「身内ノリ」「他の作者に言及する」「許されるレベルの見極めがされてる」「SF風味で誤魔化す」「無駄な感じのする政治要素」のあたりに現れていると思います。もしかすると隠された意図があったりして、それを読み解けない読者を嘲笑ってるという可能性もありますが、アホの祭典なので笑われてナンボの精神でここはあえてスルー! 断言しましょう! この作品は人造イグ!
 とは言え。不名誉の祭典という場においては、意外とこういうのがバカにできないんです。アホではあるけどバカじゃない。疎外感を受けてる人からすればマジでつまんないでしょうからね。私はかつてイグナイトファングマンと自称していたオッサンで、普通に対象読者だからいいけどさ……。


14『オタ恋カップルの馴れ初めを勝手に捏造してみた』日比野心労

 変な小説です。画の圧がすごい。この画のパワーに負けないように本文を書かなきゃいけなかったでしょうから、書いてる方はさぞ大変だったでしょうね。私にはとてもできない。そんな苦労がしのばれる力作となっています。本感想はそんな上から目線でお送りしております。
 本作のアホなところは「画像に負けないように一生懸命にオタ恋カップルの馴れ初めを捏造してるところ」だと思います。この画像を出力するためにどんな詠唱呪文を書いたんだろう。気になる。でもそれ以上に、画にこれだけの迫力があるのですから、本文も相当なものじゃないと釣り合いが取れなくて大変だったでしょう。漫画・ギャラリーフェイクでも言われていましたが、名画には良い額縁が必要です。額縁職人の腕が悪いと画が引き立たないので、普通におもしろくて、それ以上に変だと感じるこの小説は、腕のいい職人の手によるものだと推測できるわけです。
 本作のアホポイントを説明するのは私の心に多大な負荷をかけるので、もうそろそろ許してくれ。「一見すると本文が画像に振り回されてる感ある出だし」「謎のオタ恋アプリの画の圧がすごい(もうこれは文の芸じゃねえよ……)」「だんだん馴れ初めが適当になる」「なんならもう馴れ初めじゃねえよ」「春麗とかベジータとか出てくる(芸人と被ってんぞ!)」「馴れ初めであることを放棄してコント化」「全文擬音」「本当にこれからこいつら付き合うんですか?」等々。もはやおもしろければなにやってもいいんだ! という自由な風が感じられる。
 あのねえ、お客さん。おもしろくちゃだめなの。イグってのはなあ……まぁZUWAつまんNETいけネェんだよ。こんなに読んでるひとを喜ばせてどうするの。そんなことで不名誉の頂点に立てると思ってるの!? アンタみたいなエンタァテナァじゃイグを勝ち抜くなんて到底できっこないんだからね! しょうがないから人狼くんにはイグを司る新しいDJをやってくれ。つづく。

※そろそろ本気でつらい。


15『竜胆畏怖放屁其屁日』竜胆いふ

 あらかじめ敗北宣言をしておきます。解読不能でした。私は選ばれなかった。画像でなければもっと頑張れたと思う。だがこの作品のいいところはそもそも解読することが困難で意味が取れないことと、見た目だけでそれが判断できるところにある。こういうのは作者が結界を貼っていると解釈でき、結界の貼ってある作品はイグとして期待できる。
 本作のアホは「見た目が漢文(にしては内容が変)」「画像だから読むのめちゃくちゃ大変」のふたつの柱によって支えられている。どちらか片方でも欠けていたら解読されて読者がスッキリしてしまう可能性がある。そういうことを許さない態度がイグ的によい。
※補足しておくと、不名誉を争う場においては意味不明ゆえに判断が難しい作品の方がおもしろい作品よりも評価が高くなります。
 アホなポイントを並べますと「漢文と見せかけて題名に作者の名前が入ってる」「漢字の字面がひどい」「本文が意図的に暗号化(原理に気づけば簡単っぽいとの情報があります)されている」の三つで、それ以外の要素について、私は読み取れませんでした。だからこの作品の真価を知りません。
 でも全部意図的にやってそうなのでイグナイトファングは打つ。
 崩壊3rd勢っぽいからメンタル丈夫そうだし問題ないやろ……謎の信頼感。


 メンブレ。もはやこれは感想ではない。なぜやり直した……これでは意味がない。見えているか? おい……これではやり直している意味がないと書いているんだ! 見えているのか? まさか、おまえ……目が!

 誰か続きを書いておくんなまし。
 なぜそんなことを言うの? もうひとりのボク!
 オレはもうだめだ。
 そうか。ならばあとは任せろ。

 次回からイグナイトファングマンV3が助っ人参戦!
 期待するなよ……中の人は一緒だから……。

 本稿は以上となります。
 お読みいただきましてありがとうございました。

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