見出し画像

FUJIFILM X-E4のファーストインプレッション

前回の記事で購入報告をしたX-E4がみんなの防湿庫ことマップカメラさんから無事に届きました。さっそく一日触ってみたので簡単に第一印象をお話しします。

ハンドリングと質感

Summicron-M 35mm F2 ASPH. 5thとの組み合わせ

画像1
iPhoneで撮影(カメラを撮れるカメラがiPhoneしか無い)
このレンズ一本でX-E4四台買えます……

Summicronの重量は公称約252g。レンズフードとマウントアダプターで計300gほどでしょうか。X-E4がメディア・バッテリー込み364gなので合わせて700gを切りますが、純正のXF35mm F2が170g、最近発売されたNOKTON 35mm F1.2が196gなので比較的重いレンズをつけていると言えそうです。

X-E4の購入を躊躇している人にとっての大きな理由の一つはグリップレスなところでしょう。純正やサードパーティからも外付けグリップが販売されてはいますが、せっかくの軽さをスポイルすることになるのは好ましくありません。
私は見た目優先で多少持ちにくいことは覚悟の上で購入しましたが、実際手に取ると少し重めなSummicronとでもバランスは良好で、保持しにくいとは感じませんでした。
親指が触れる位置にボタンが一切無いのは、握りやすいようにというグリップレスデザイン故の配慮でしょう。S10やT30はジョイスティックやQボタンが親指で触れそうな位置にありますからね。おかげで思いっきり握り込めるので、シャッタースピード1/30くらいまでは安定して手振れせずに撮れそうです。

今気になっているXF10-24mm F4 R OIS WRが385gですが、この前ヨドバシで試してみたところハンドリングは悪くなかったので、Summicronより重いSummilux35mmや50mmでも重くて無理ということは無いと思います。

X-T4のキットレンズだったXF16-80mm(440g)あたりの重さ・大きさからはレンズを持つ左手で主に支える感じになると予想します。

ちなみにMマウントアダプターはK&F Conceptさんのものにしました。

オレンジの配色がSONY αっぽくてかっこいい(笑) 取り付け精度も高く、気持ち良くパチンととまってくれました。FUJIFILM純正のMマウントアダプターよりかなりお求めやすいのに品質が良く満足です。

M-Aと比較

画像2
Mをひと回り小さくした感じですね
兄弟みたいでかわいい

デザイン的には似ていますが質感はMの圧勝。トッププレートのブラックの塗装が安っぽい(これでハンマートーンと言い張っているらしいです)のでシルバーの方が高級感があるかもしれません。

とはいえM-A一台でX-E4が六台買えるほどの価格差なので差があって当然ですし、Mが偉いと主張するわけではないです。X-E4も質感的には上々。野暮ったい一眼レフスタイルのカメラよりもソリッドでとてもカッコいいですし、オールドレンズもよく似合うデザインだと思います。Summaronつけたくなりますね。

シャッター音は「カチャリ」という感じで音も振動も静かで大変良いです。振動はM-Aより少ないかも。

機種名とブランド名の白抜きはうるさいので今度黒かグレーで墨入れします。とりあえずパーマセルテープで塞ぎましょう。

操作性

ボタンやダイヤルの少なさから操作性については厳しい意見もあるようですが、私はメリットだと思っています。なぜならボタンが多いとどこに何が設定してあるのか覚えられなくて訳が分からなくなるから(笑) 一度Leicaを使ったが最後、ボタンだらけのカメラには戻れなくなります。

画像11

だってこれですよ? なんならライブビューのボタンも要らない

画像11
画像3
ちょうどいい画像がシルバーしか見つからず
自分で撮る気は無いらしい

私はSSダイヤルと露出補正ダイヤルを使わないため軍艦部の大部分がただの飾りになりますが、これはFUJIFILMの宿命なので受け入れましょう。

フロントダイヤルにはSSとisoを割り当てました(ダイヤルを押し込むごとにSS→iso→SSと機能が変わる)が、リアダイヤルが無いので絞りリングの無いレンズを使うときは困ったことになりそうです。露出補正ダイヤルは機能をアサインさせてほしいところですね。

レリーズの右横にあるFnボタンはホワイトバランスを、AEL/AFLボタンは拡大表示をアサインしました。AELとAFLはレリーズ半押しで行います。
タッチFnはオフにしてしまうか、何かアサインするか迷っているところです。

このクラスのカメラでジョイスティックがあるのは嬉しい点ですね。スティックが細くて指が少し痛いですが、キビキビ動くし反応も良い。各種操作に対するレスポンスは全体的に機敏で快適です。

MENU/OKボタンとDISP/BACKボタン
最大の気になりポイント。ジョイスティックの下二つのボタンですが、ストロークが浅くて死ぬほど押しにくいです。これからの季節手袋なんてしようものなら操作不能です。他のレビューでも指摘されていたので個体差でもないでしょう。
ただ、カスタム設定やQメニューを駆使して設定を練り込めば撮影中に触る必要はほとんど無いので特に問題にはならない気もします。

三脚穴

画像5

これも困ったポイント。三脚穴が電池蓋と近く、蓋に干渉して開閉不可になるので常に付けておきたいPeakDesignのプレートが取り付けられません。

USBで充電するのでバッテリーは入れっぱなしでいいんですが、メディアスロットもここなので塞ぐわけにはいきません。メディアスロットはサイドにあれば良かったんですが。穴が光軸からずれているのも気になるので三脚穴をずらす方法を考えようと思います。
まあこのクラスのカメラではよくあることなのでX-E4ならではの弱点というわけでもないです。

モノクロ成分多めな作例

画質面は第四世代のセンサー・プロセッサー搭載のモデルで共通なので今さら作例なんぞ要らんだろと思いますが、FUJIFILM×Leicaの作例としてご覧いただければと思います。

以下全てRAWで撮影し、Lightroomでフィルムシミュレーションをあてて角度の微調整とトーンの調整のみして書き出したものです。
ホワイトバランスは雰囲気優先オート。明瞭度やシャープネス、ノイズリダクション等は全くいじっていません。isoは100固定。絞りは2か2.8。

画像6
画像7
画像9
フィルムシミュレーション:Acros
画像9
フィルムシミュレーション:CLASSIC Neg
画像10
フィルムシミュレーション:ETERNA/Cinema
ピントが甘い……。ところどころにある黒い点は雪です

Summicron 35mmは開放付近だと周辺減光が結構キツいんですが、APS-Cだと減光部分がクロップされてただ優秀なだけな面白みの無いレンズという感じですね。元々持っている人以外はわざわざLeicaなんか買わずにNOKTON 35mmを買いましょう。

FUJIFILMのRAWは扱いやすくて好きなので、データを触っていてX-T4を使っていた頃を思い出して嬉しくなりました。フラッグシップと下位のモデルで画質が同等というのは本当に素晴らしいことですね。

まとめ

  • 持ちにくそうだけど意外と大丈夫(長いレンズは厳しそう)

  • 他に無いスタイリッシュなデザインでオールドレンズ遊びにも良し(ブラックにこだわりが無ければシルバーの方が高級感がありおすすめ)

  • 気になる操作性も設定と気の持ちようで解決可能(ムービー重視の人は黙ってX-S10)

  • 手頃な価格に小さいボディでフラッグシップと同じ画質が得られて高コスパ

  • これから買う人はNOKTONとセットで買うこと

  • レンジファインダースタイルの毒気にやられてLeicaの幻覚が見え始めるかもしれない

というわけで一日目のレビューでした(レビューはしないつもりと言っていたけど我慢できなかった)。購入を検討している人の何かの参考になれば幸いです。

NOKTONの在庫がどこにも無い……

この記事が参加している募集

#カメラのたのしみ方

55,011件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?