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【スタートアップ!占い師】#37 どこまでが趣味でどこまでがプロ?どこからが商用? 曖昧になっている金銭取引やプロとの線引きについて

 トラブルが落ち着いたころに、占い師の友達からびっくりする話を聞かされたさくらさん。働き方や稼ぎ方の多様化により、個人事業主や法人としてお金を稼ぐ中学生や高校生も増えてきているようですね。

 占い師として活動している人の中には、本業が学生や主婦の人、会社勤めや本業の個人事業の副業として占いを行っている人、趣味レベルの人、誰かからお金をもらっている人もいればお金をもらわないでいる人もいるでしょう。
 そういった人たちの「趣味」と「プロ」の境目、 商用とそうじゃないものの境目はどこにあるのでしょうか。

 今回は「曖昧になっている金銭取引やプロとの線引きについて」についてをお話していきます。
 今回の話は、たくさんの人に読んでもらいたいので、無料記事となっています。


占いの金銭取引の線引き

 占いの金銭取引の線引き。これは、いくらから占いとしてお金をとっていることになるのか、いくらまではお金をとったことにならないのか、という線引きです。

 いくらまでが、占いとしてお金をとったことになるのでしょうか。

 これは……言うまでもありません。「〜円から占い師としての売上になります」というめやすはありません。1円でも立派な金銭取引となります。
 金銭取引にならないのは、お金をもらわない占いだけですね。
 投げ銭や広告収入なしの配信で無料占いをする、ボランティアで占い出店を行う、占いの無料モニターが例として挙げられます。

本業持ちの人は、占いでお金をもらっても「金銭取引」にはならないんじゃないの?

 ひっそりと(公でもいいのですが)占いを行っている学生や主婦、本業持ちの方の中には、
「本業の仕事ではないので、占いでお金をもらっていても仕事として金銭取引を行っていることにならない」
「お小遣いくらいの金額のやり取りだから、仕事としてのお金とは言わない」
 だから、占いのお金のやりとりは収入としてカウントしない……という主張もあるかもしれません。
 
 どんな立場であっても、どんな金額であっても「占いというサービスを提供し、その対価をもらう」という行動をしているのであれば、それは商売・商用となります。れっきとした金銭取引です。
 本業がある、未成年である、主婦である、だから占いでもらったお金は収入ではありません、という言い訳は通じないのです。

1円でも、もらってしまった占いのお金はどうするべきなのか

 これを読んでいる方の中には、占いの収入を事業のお金として扱わず、こっそりポケットマネーにしてしまっている人がいるのではないでしょうか。

 占いで得たお金がお小遣い程度の金額であっても、「占いの仕事としてのお金=事業のお金」として扱っていかなくてはいけません。個人で使うお金として管理し、そのまま財布の中に入れて使ってしまってはダメなのです。

 「占いの仕事のお金」と「個人で使うお金」とは、別で管理します。
 家の家計簿とはまた別に、占いで得たお金を記録するための帳簿を用意する必要がありますし、財布も別々にします。
 占いで得たお金が年間20万円以下であれば、その金額をもとに住民税の申告をします。これは、学生であろうと主婦であろうと関係なく、占いでお金をもらった人の義務になります。
 (所得税の申告は、占いでもらったお金が年間20万円以下であれば必要はありません。年間20万円以上であれば確定申告を行いますが、ひとり親控除や医療費控除などの控除を受けたい人は20万円以下でも確定申告をしておいたほうがいいでしょう。青色を行いたいなら開業届の提出も必要ですが、基礎控除だけなら白色でも大丈夫です)

金銭取引がある占い=商用。ネットで気をつけることとは?

 ちなみに、些細な金額でも副業でも、占いでお金をもらっている人がネットで気をつけてほしいのが、さまざまなところの規約でみる「商用利用OK・NG」です。
 占い鑑定のご案内や仕事アピールのための占い投稿は商いのための告知となりますので、SNSやアプリ、ネットを使ったサービスでは商用利用が可能なものを使用しないといけません。
 例えば、PayPayの個人アカウントは商用NGですし、
(以前にも記事で書きましたが)

 LINEの個人アカウントも商用利用はNGとなっております。
 (ちなみにLINE公式アカウントも、トークや通話そのものでお金をとるのはブラックに近いグレーです。メンバーシップを利用すればOK)

プロと、プロじゃない人の境界線とは

 では、プロとプロじゃない人の線引きはどこにあるのでしょうか。
 
 「プロ」と聞くと、「仕事を請負いお金をもらっている人」という印象よりも、「その道を極めた人」や「高度なテクニックを使う人」、「食いっぱぐれがないレベルまで収入を得ている専業の人」という印象のほうが強いかもしれません。
 
 プロとは「プロフェッショナル」の略で、なんらかの特技や技能を使って生計をたてている人や職業そのものを指しています。言葉の意味に沿っていえば、「占いのプロ」「プロの占い師」とは「占いでお金をもらっている占い師」「占いで生計をたてている占い師」といえます。

 逆に、占いで生計をたてていない人や占いでお金をもらってない人は、プロの占い師ではない=アマチュア占い師といえます。
 お金をもらっているかいないかが、プロとそうじゃない人の違いでしょう。

お客さん視点では、お金をもらっている占い師はみんな「プロの占い師」

 お客さん視点からすれば、お金をもらって占いをする占い師は誰でもプロの占い師になります。経歴浅かろうがベテランだろうが、プロです。
 お客さんは看板やパンフレット、ネットで占い師の占術や占いの技術、経歴などをみて、占い師を選んで依頼をします。 「占い鑑定依頼募集中 30分〇〇円」という広告をみて、アマチュアの占い師がお金をとっているとは考えないでしょう。

 昼は会社勤め・夜はひっそりと占い会社で電話鑑定している占い師。兼業でもこれは「プロ」になります。占いで出店し、お客さんにお金をもらっているなら、学生でも主婦でも「プロの占い師」になります。
 本業だの副業だの、占い師の事情なんてお客さんには知ったこっちゃありません。自分の行いでお金をもらっていれば、みんな「プロ」なのです。

 お客さんは占い師に対して、支払った金額相応、もしくはそれ以上のサービスを期待しています。
 (期待というのは、基本的に占いの精度の高さや緻密さ、丁寧さをさします。都合の良い結果をくれることや、自分の願望を叶えてくれることに期待して占いにお金を払うお客さんもいますが、それは間違った占いの使い方であり、その要望に答えようとするのはお互いにとってよくありません。)

 見ず知らずの人だろうと顔を知らない画面越しの人だろうと、知り合いや友達や家族だろうと、支払ってくれた鑑定料が安かろうと高かろうと、自分の占いに敬意を払ってお金を出してくれる人はみんな大事な「お客さん」になります。どのようなお客さんでも、鑑定料や報酬をもらっているならば、もらった分の金額相応、もしくはそれ以上の占いで相手に応えてあげなければいけません。
 それは、専業・副業、未成年・成年、経歴実績の長さ、鑑定のスタイルに関係なく、プロであればみな同じです。

「プロ意識のない人はプロではない」?

 本業持ちの副業占い師や片手間で活動している占い師の中には、「自分はプロではない」と言い切っている人もいるのではないでしょうか。

 「自分はプロではない」という言葉は、「占いでお金はもらっているが、本腰を入れて活動していない」「専業占い師じゃないから、専業占い師と肩を並べるに値しない」「本業がメインだし占いでは少額のお金しかもらっていないから、プロとはいえない」「趣味でお金もらってるだけ」など、それぞれの言い分が含まれているのでしょう。
 
 これらは、総括すれば「プロ意識のない人は占い師はプロの占い師ではない」という言い分になるかと思います。

 プロ意識というのは、
・その仕事でお金をもらっていることに責任を持っている
・真摯に、仕事にもお客さんにも向き合っている
・自分のためにも仕事のためにも技術を磨き勉強を続けている
・心身ともにベストの状態で仕事をこなす
 ……など、仕事に対して高い意識を持っている状態や意識そのものを表します。
 占い師という仕事も、無形かつ不確定要素のあるものを取り扱っているのでお金をもらって占いをすることに注意を払う必要がありますし、信用を得るために、他の仕事よりも人一倍、真摯に仕事やお客さんに向き合わないといけません。的中率や精度を高めるための実践や勉強は欠かせませんし、人の不安を聞くので心身のケアはこまめに行う必要があります。

 こういったプロ意識があるかないかで、プロ占い師かどうかが決まってくる、というのは一理あるかもしれません。

 しかし……これはプロ意識というよりも、占い師側の本来の意識の持ち方の問題ではないでしょうか。プロ意識があるかないかと、お金をもらっているプロかもらってないアマチュアなのかはまた別の話です。

 お金をもらっていなくても、占いに対する強い責任感を持ち自己研鑽を続け、体調管理をしっかり行っている、意識の高いアマチュア占い師も存在します。プロよりもリーディング能力が長けていて占いの精度が高い、だけど趣味にとどめていてプロにはならず人も占わない占い好きの人もいます。
 先ほども書いたように、お客さん側からみれば、お金をとっている占い師はみなプロに見えますし、プロだと思って占いを依頼します。自分がプロかどうかといった意識の持ち方は、お客さんには関係のないことです。
 もしプロじゃなければ、「私プロじゃないです」と言い切り、お金をもらわないで占いをすればいいのです。

 占いでお金をもらっているのに「自分はプロじゃない」と言うのは、「自分の占いに責任を負いません」「お金をいただくことだけ考えてて、占いへの向上心はあまりないんです」「占いの仕事をしていると堂々と言えません、胸をはれません」と言っているようなものなのです。
 常に高いプロ意識を持てとは言いませんが、占いでお金をもらっている以上は、プロとしての自覚は持つようにしたほうがいいのではないでしょうか。

 お金をもらって占いを行っているならば、プロ意識がなくプロの自覚がないとしても「プロと同じことを行っている」と思うはず。
 お客さんも、占ってもらうならお金のことも仕事のこともわきまえている占い師のほうが嬉しいと思いますよ!

集客がんばろう……?

 稼ぎたい目的のために占いを使っている人もいますが、それは「趣味占いによる金稼ぎメソッド」であり、占い師としての活動とはいいません。
 一時的にガッツリ稼げるかもしれませんが(そもそも稼いでいる人の声を聞いたこともないですが)、お客さんの信用が薄く一時的な儲けで終わりやすいので、占い師として長生きしたいと思うならすぐに卒業したほうがいいですね。

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