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愛と再生の物語…39

ドキドキしたぁ…
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振り返ったドリーが見たピッピは…顔をしかめていた
「だから、舐めちゃダメって言ったのに……不味いからって🤣」
ピッピはしょんぼり😔した
ドリーはその仕草が可愛くて…
温かな気持ちになった…
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ピッピは舐めた舌に残るスースーする味と…なんだか苦い味に…おえっ😣
ドリーさんに言われた通りだった…
でも、叱られたりしなかった
ドリーの優しい笑い声に包まれて…ここでずっと暮らしてゆけると想ったら
急に眠くなって…眠りについた
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ドリーは
ピッピと出逢ったあの森で感じたドキドキした感覚を想い出していた…
ウーッと牙を向いて唸った顔を見ても
怖いとは感じなかった…
傷つき疲れ果てた姿…防衛本能からの反応だもの…
その場に座り込み……数時間見つめ合った時の
ピッピの憂いを帯びた目の中には
透き通るような…心が宿っていた
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あの時、あのまま夜までピッピが動かなかったとしても
ドリーはずっとそこに朝まで座っていただろう
たとえ空腹でも…この子を一人になんて出来ないって想ったから
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あの日からの事を想って…ドリーはハッとした…
メイちゃんのお誕生日会…昨日まで
凍てついた心の扉を開く事が出来なかった…心から笑う事なんて出来なかった…
そう想って来た…なんて事😢
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家族の事を想い出さないように
固く閉した心…閉め出していた記憶
本当は…ピッピと出逢ってから
私の心の氷は
少しずつ…溶けていたのだ…
ピッピが…溶かしていてくれていたのだ
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ピッピは…パートナー…
それは…もう立派な家族となっていたのに…
お風呂から上がって…ブルブルした飛沫を浴びた時
苦い軟膏を傷に塗り…舐めちゃダメよって言ったのに
ペロペロ舐めて…顔をしかめたピッピを見た時も
心から
笑った…大きな声で……あの時も笑っていた……
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ピッピがくれた幸せは
ドリーをたくさん…笑顔にしてくれていたのに…
いつも心を支えてくれて
いつだって側にいてくれる
愛しいと感じられる心を
私はこの子から…受け取らせて貰って来たのだ…
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この子と出逢わなかったら
今の私にはなれなかった…
ケント一家と出逢っていても
こんな形にはならなかっただろう
どれ程この子から
たくさんの愛を受け取って来ただろう
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出逢ってから一月ほどで痩せ細っていたピッピは
体力も回復してきて…身体つきもしっかりしてきた
日に日に元気になり
…怪我が治っていないのに
寝る時は階段を上がると…一緒に眠ると…言ってきかなかったピッピ
毎晩、毎朝、ピッピを抱っこして階段を昇り降りし、寝室で夜を過ごした
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この子の為なら…何だってしたいって、想って来た
それは…家族に対する気持ちと同じだった
ドリーは「ピッピ…私はおバカさんね…
パートナーと家族は別って
ずっと自分を閉じ込めて来たわ
…ごめんね…あなたは私の…大切な子どものような存在で
愛しいパードナーだったのにね…」
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ピッピはドリーを見上げて…
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「大切な家族が突然居なくなってしまったんだから…
…そんな事…それよりいつも一緒に居られて
いつも気にかけてくれて
いつも喜ばせようとしてくれていたから
謝らないで…こうして一緒に…どんな時も一緒に居られる事が
幸せなんだから…ね…ドリー😊
家族とか、呼び方なんて…関係ないよ」
ピッピの声が聞こえた…🙏
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ピッピは特別な🐶だった
ドリーも特別な能力があったから
ピッピの声を聞けて
ピッピもまたドリーの声に答える
神様が…出逢わせてくれた
日々お互いを想い…過ごして来た事で
ピッピの能力は高まり…
全てに於いて…特別な存在となった
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「ありがとう…ピッピ😊」
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続く…

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