見出し画像

愛と再生の物語…40

自分の気持ちにウソをつくと…。

心は……いっぱいいっぱいなのに
平気なふりをする…
.
周りに気づかれないように
仮面で過ごす…いつしか仮面は…あなたの顔に張り付いたまま
本当の素顔を…素敵な素顔を…奪う
.
.
.
.
今のドリーは心からピッピと信頼し合えていると感じている
こんな風になれたのは
ピッピと出逢い…ありのままの自分になれたから
ピッピがいなかったら
今の私には…なれなかった
.
.
ドリーはかつて
ホスピタルプレイ スペシャリストとして
小児科で働いていた…
子どもが好きで
子どもに囲まれ…子どもの為に出来ること
たくさんの選択肢の中から選んだ職業
それが
ホスピタルプレイ スペシャリストだった
.
不思議な力を持ったドリーだったから
子どもが治療を受ける時の恐怖心を
人一倍感じる事が出来るから…
その子の心から自分の言葉と…道具を用いて…恐怖心から解き放ってあげる事が出来る
ホスピタルプレイ スペシャリストへの道を選んだ
.
ドリーが担当する患者は
重い病気の子ども達だった
.
幼い…小さな身体で…病と闘う子ども
愛おしくて…どんなに困難でも
その子の検査や治療に対する恐怖心を取り除いてあげる…それが出来る
お話しをして…最後にその子が…
「うん😊分かった✨頑張るよ…ドリーさん」そう言ってくれた瞬間…ドリーはこの上ない幸せを感じて
ずっと誇りを持って仕事をしてきた…
あの日までは……。。。
.
夫と子どもが雪崩に巻き込まれ
生死さえ分からぬまま…ホテルの一室で祈るだけの日を過ごし…
なんの進展も無いまま
捜索は打ち切られ…うちひしがれて
心が引き裂かれる想いのまま…家へと帰った。。。
.
.
自宅に帰り…暫く休んだドリーは
このままでは自分は廃人のようになると…生きる為に…仕事を再会した
.
自分の気持ちに蓋をして…。
.
目の前の病と闘う子ども達の為に
義母の様子が日に日におかしくなり…
自宅に引き取り…ヘルパーに依頼して
自分は日常へと…形だけは戻ろうとして必死で過ごした…
.
そんなある日…大きな事故が起き
救急で多くの人が運ばれて来た
ドリーはその時間…次の患者に必要な人形や医療機器の模型を準備し
どう説明するか…最後のシュミレーションをしていた
「ドリー‼️手が空いているなら手伝って‼️」看護師が飛び込んで来た
.
状況を聞きながら
緊急車両が入って来る救急スペースで
救急車の到着を待った…
その瞬間…激しい眩暈に襲われた
目を固く瞑り…記憶を閉め出した
ダメ絶対ダメ‼️
お願い…今はダメ‼️強く願い…
車が到着した…その時
眩暈は収まり…ストレッチャーに乗せられた患者を処置室へ運ぶ為に走った
.
掛けられていた毛布を取り去った…
.
ドリーの子どもと…同じ年頃の子どもだった
再び眩暈に襲われる
目の前のこの子を救う為に…動け!
自分に命じ…応急処置の手伝いをして
手術室へと運んだ…
.
ドリーはそこまで…なんとか持ちこたえ
面談の時間を再度確認して…
ソファに座り込んだ
…あの日…ホテルの前に何台も停まっていた救急車
病院に勤務していれば…小児科に勤務していれば
当たり前の事なのに…こんなに動揺してしまっている
.
手が震えた…あの日のあの事故が
フラッシュバックして
涙が頬を伝う…
握りしめていた拳にポトリ💧と涙が落ちた…
ドリーはハッと我に返り
時計を見た…
あと15分しかない‼️
.
慌てて化粧室に飛び込み
冷たい水で目元を冷やす…
鏡を見つめた…
さあ…笑って…いつもの私に戻るのよ…
深呼吸をして…
鏡に向かって…笑ってみた…
大丈夫…私は…笑顔を……作れる…
.
鏡の中の自分に笑いかけている…私の目は
笑ってなどいなかった…
口角を上げても…目は…笑っていない
鏡の向こうの私から
「それが嘘だって分かっているでしょ
そんな笑顔では
これから始める面談で
幼い患者の心の不安は…取り除けないって」声がした…。
.
それでも止める訳にはいかない
鏡の向こうの私がなんと言おと
大丈夫…
仕事をする為に
…作りものの笑顔を準備して…面談室に向かった
.
説明を終えた時
「ねぇ…ボク…本当に…助かるの?」
その一言でドリーの心は打ち砕かれた…
なんてこと…
.
続く…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?