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愛と再生の物語…38

どんな時も…
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ほら…朝陽が昇るよ
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温かなシャワーのお湯が
蠢く夜の恐怖に怯えた日々を
洗い流してくれる…ピッピは想った
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ドリーの手のひらから伝わる
力強くも優しいピッピへの想い……
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運命の森に入り
何日過ごしたかも…覚えていなかった
もう…空腹さえ感じず…
割れた肉球の痛みさえ…感じなかった
時々…朦朧となる……ここで死んでいくんだな…
仲良しだった男の子…元気で大きくなって欲しい
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そのまま…目を閉じた…
小鳥の囀ずりが聞こえ 
風に揺らぐ木々の葉音が…優しかった
仔犬の時…お母さんや兄弟と…大きな庭でみんなと遊んだ
……みんなに会いたかった
みんな元気かなぁ……
この森で聞こえて来る…音…が
ピッピを仔犬の頃の記憶へと運んだ
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足音が聞こえる‼️
ピッピは警戒した…起きなくちゃ…逃げなくちゃ…
でも、そんな力は…もう、残っていなかった…
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ドリーとピッピの運命の出逢い…
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ドリーは耳にお湯が入らないよう慎重にピッピの身体にお湯をかけていく
シャワーを当てている間…ピッピから色んな想いが溢れて来るのを感じる…
あの時の事は…閉め出した
代わりに手のひらから伝わって来る想いは…
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仲良しだった男の子の健康と成長を願い…
あぁ…お母さんや兄弟を想い出していたのね…
ピッピは可愛がられ…愛情いっぱいに育てられていたのね…
そして、男の子の家族と出逢った
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ドリーは蛇口をキュッと捻ってお湯を止めた……男の子の家族の事を閉め出すように…キュッと
薬草や果実を入れて作った…石鹸を手に取り
泡立てる…「わぁ-😂ピッピ😂😂」
泡が立たないほど…汚れていた
再びお湯をかけ
また石鹸で洗う…3度繰り返して
お湯はやっと…透明になった
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肉球の間をそっと洗う「痛い?」
ピッピは「大丈夫」と、ドリーの顔を舐めた✨
「わっ😍ピッピ😂びっくりしたわ-」
ピッピはドリーを見つめた
キラキラした…本当に綺麗な目で…
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「さあ…綺麗になったわよ~😊」
バスタオルで拭き取る…骨ばった身体でも…ピッピを拭くのに
大きなバスタオルを4枚使い😄
「今度は…リビングでドライヤーよ」
ドリーはドライヤーと軟膏を持って…ブラシも
「いらっしゃい」歩き出そうとした瞬間
ピッピは身体をブルブル振った
ドリーは飛沫を浴びた‼️
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「ピッピ😂😂😂」🤣
ピッピはドリーを上目遣いで見た…
「いいのよ🤣ピッピ…みんな濡れたらそうやるのは…本能だから🤗」
ドリーは濡れても気にならなかった
リビングでドライヤーをコンセントに繋ぎ
床に座り込んだ……床に触れて
「ここに来て…さぁ…いくわよ👍」
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ピッピにドライヤーを当てて、指で乾かす
汚れてぺったりしていた毛並みは
ふわふわになっていく
柔らかな毛足が手のひらに伝わり
なんとも言えない心地よさ
身体が大きいので…時間がかかる
ドリーの額にはうっすら汗が…
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ピッピは…とても気持ち良さそうな顔をしていた
そんなピッピを見ていると
汗が吹き出してくるのも…気にならなかった
最後に…縺れた毛がないかを確かめるように
そっとブラシを当てた
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「ピッピ…ふわふわよ😊✨」
「怪我をしたところに、お薬を塗るからね…」そう言ってピッピの手を取る
肉球をそっと開き…ドリーが作った軟膏を優しく塗り込む
「舐めちゃダメよ…舐めても凄く不味いからね…」
ピッピはにっ😁と笑った
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「はい🤗 おしまい💓綺麗になったわよ😊」
「疲れたでしよう?  好きな所でゆっくり休んで…ここは…あなたの家だから……」
ドリーは両手でピッピの顔を包み込み
鼻の頭にチュッ😚として
濡れた服を着替え…洗濯をする為に立ち上がった
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ピッピはドリーを見上げた
また聞こえた…ピッピの「ありがとう😊」が…
振り返るとしっぽをパタパタさせながら…ペロペロ
「ピッピ⁉️もぉ😂😂」
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続く…

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