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愛と再生の物語…35

失くさないように
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そっと…しまうの…
.
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しんとした家に、ドリーのすすり泣く声が…
鼾をかくほどぐっすり寝ていたピッピの耳が…動き…
泣いている…大切な人が…泣いている
助けなきゃ…ピッピはそこで目を覚ました…
見知らぬ家…
もう…助ける人なんて…いないのに😢
ピッピは悲しくなった…
そう思った時…すすり泣きが聞こえた
.
ピッピは耳を澄ました…あの人が…泣いている?
起きなくちゃ…でも、まだ体に力が入らない
疲れ果てていた
また眠りに就きたい…それでも
助けてくれたあの人が泣いているなら…
行かなくちゃ…やっとの思いで立ち上がり
…2階…上がれるかな……
ピッピは大きな前足を階段にかけ
一段一段、落っこちないように
ゆっくり…上がる
.
もう少し…気づくと…静まりかえっていた
良かった…眠りに就けたらしい……
それでも、ここまで上がって来たんだから
もう少し……
やっと上がりきって
あの人の部屋を探す…少しよろけながらも…
あった✨
ベッドで眠っているあの人を見つけた
.
ピッピはそのままドリーの部屋に入り
泣き止んで眠るドリーのベッドの下の
柔らかなラグの上で…また丸くなった
なんでだろう…あの人の側にいると
とても安心する…そんな事を思いながら
ピッピもまた眠りに就いた
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優しい朝の陽の光が差し込む
ドリーは濡れた枕の冷たさで目が覚めた…
ああ…そうだった…😢
ピッピのあの時の姿が甦り
あの子の傷ついた心の声が聞こえ…泣きながら眠ってしまったんだった。。。
.
今日から、あの子が傷つくような事はない
私が守り…これからは共に過ごすのだから
もう、あの子の過去は…見ない…
そう誓って…身体を起こした時
え⁉️
あの子…ピッピがベッドの下で丸くなって寝ている✨
痩せ細った体を丸めて…すやすやと…
.
その姿を目にした瞬間
たまらなく愛おしく感じた…
どこにも行かないでね
私がちゃんとあなたを守るから……
ドリーは横になったまま、はしばらくピッピの姿を見つめていた
.
時計を見てドリーは驚いた
こんな時間まで寝ていた事は無かったから
…でも、またにはいいわね😊
誰がいるわけでもなくて
特別やらなければならない事はないし
こうしてピッピを見つめていたって
いいわよね…😊
.
ずっとこうしていたら…とんでもない時間になりそう😂そろそろ起きなければ…
ピッピの朝ごはんを拵えなければ。。。
掛け布団を剥いで…身体を起こした時
ピッピが目を覚まし…ドリーを見上げた
「おはよう😊ピッピ…」
ピッピは応えるようにしっぽを振った
.
だぁ~れ?
「あ、そうね…名前、言っていなかったわね
ドリー…ドリーって言うの…
よろしくね🤗」そう言うと
ピッピは…ワンと吠えた😊
そして、ゆっくり起き上がり
前足をベッドの端に置いた
その手をドリーの手が包み込んだ
握手…💓
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「起きて、ご飯にしましょうね
早く元気になるように、たくさん食べてね😊」
ピッピは嬉しそうにワンと応えた💓
.
続く…

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