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愛と再生の物語…37

触れてみて…
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分かる事
触れないと…分からない事
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朝食の後片付けをしたドリーは
暖かな陽射しが降り注ぐポーチへピッピを連れて出た
「さぁピッピ…身体を見せて頂戴」そう言ってピッピを撫でた
ピッピはドリーを見つめてから…その場に横たわった
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ドリーは顔、首、背中に優しく手を這わせてゆく
「お腹も見せてね…」犬が仰向けになるのは…信頼の証…
ドリーにお腹を見せてくれるか…ドキドキした…その時
ピッピはゴロリと仰向けになった…
「ピッピ…ああ…ありがとう🙏」
ドリーはピッピの胸に顔を埋めた
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ピッピは…ドキンとした
ドリーさんの温かな息が胸に腹に伝わる
この人は絶対…ボクを傷つける事はしない
ピッピの中に…安堵感が広かった…
信頼
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ドリーは更に身体に異変が無いかを調べて行く…
手に触れて…肉球🐾も…⁉️
肉球が腫れていた…
「ピッピ…ここが痛かったのね…
何かで傷がつき…そのまま歩き続けていたから…」…ドリーは歩いているピッピがガラスの破片を踏んでしまい…肉球がパックリ割れてしまった瞬間を…見た
「痛かったね…どんなに痛かったか…」
必死で舐めて舐めて治そうとしたか
その姿が…見えてしまった
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こんな傷があるのに…階段を上がって来たなんて…😢
「ピッピ…お薬をつけるからね。
その前にお風呂で身体を綺麗にするから…頑張れるかな…」
ピッピは「うん😊頑張る…ドリーさん」とクゥ~ンと鳴いた
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ドリーはピッピを撫でてから
ふたりでバスルームに向かった
バスタオルと薬草で作った薬を用意し
スカートをたくしあげて
シャワーを捻った
「いらっしゃい…きれいにしましょう
気持ち良くなるわよ😊ピッピ」と手招きした
ピッピはバスルームに入った
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背中からゆっくり温かなお湯を浴びる
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ピッピはあの家から逃げるように飛び出し…ドリーさんと巡り逢えた昨日までの事を想い出した
初めは怖くなかった…あの仕打ちに比べたら
知らない所をどこまでも進む事なんて
ちっとも怖いなんて想わなかった
それが…いつしか…身体は汚れ
汚れた大きな犬は…怖がられ…誰かから食べ物を貰ったりも出来なくなって
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空腹をまぎらわせる為だけに
ひたすら歩いた…ガラスの破片を踏んで
肉球から血が出ても舐めていれば治ると
ひたすら舐めた…
痛いのは生きているから…でも…もう…
限界だった…
誰からも汚ならしい大きな犬と…追い払われないように…あの森に入れば
少しでも…眠れるかもと…入った…運命の森だった
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続く…

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