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72-9候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

 春 啓蟄 72-9候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

 もとより「蝶」は大っ嫌いなものだから、飛び交いもつれ合っている蝶だなんて考えただけでも虫唾が走る(苦笑)。
 なので、蝶の飛んでいる画像はどこを探してもない。画像は大根畑だが、蝶と化した菜虫が飛んでいると仮定してくださることを望む。

 なんでそこまで蝶を嫌う?と、記憶を辿れば、それはキャベツ畑にあった。 
 確か幼稚園児あたりの幼い頃、黄色と白い蝶々がいっぱい飛んでいるのをみつけ走り寄り(確か収穫後のキャベツ畑だったかと)畔から覗くと、なんと!まるまる太った青虫がうじゃうじゃ!キミ悪いほど。
 その青虫が蛹になって蝶になると教えてもらったのが超嫌い第1期。

 その蝶嫌いを確立させた第2期は父親だった。
 小学3年生の頃買ってきた顕微鏡の箱を開き、付録の蝶の鱗粉をガラスの真ん中に塗りつけ私に覗けという。
「どや、綺麗やろ!」
 恐る恐る覗くと密集して輝くモノがみえた。確かに美しかったことは覚えている。普通ならそこで蝶に興味を持ち好きになるのかも知れないが、私は違った。

『蝶を捕まえたら手につくあの鱗粉やろ?蝶がひらひら飛んでいる下にはこの鱗粉が舞いおりているのか?』
 想像したら全身にさぶいぼが立った。それ以来、蝶が怖い。

 なのに、柑橘類の多い我がバルコニー城にあやつ(多くはアゲハ蝶)は土足で踏み込んでくる。おまけにお尻を丸めて葉っぱにチョンチョンとくっつけお土産まで残していく。青虫になれば怖いので、私は手袋をして、その産まれたての卵のうちに根気よく葉っぱから取り除く。青虫を捕まえて捨てることを思えばこれしきのことは何でもない。プチプチ取り除く作業は快感でもある。
 あ〜! 暖かくなるのはありがたいのだけれど、またあの闘いが始まるのかと思うと憂鬱になる。

 因みに、何年か前にアレルギー検査をした私に出てきたのは「蝶」「蛾」「蚊」などの昆虫アレルギーだった。やっぱりね・・・。

2024年3月15日(金)【旧暦・如月6日】記

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