置いていかないで

毎日朝起きて日付を見る度に苦しくなる。
もう、11月も3分の1が終わろうとしていて、なるべく考えないようにしていた大学受験日も意識せざるを得なくなってきた。嫌でも私の頭の中を「大学受験」や「将来」といった言葉が支配する。

どんなに不安になっても苦しくなっても、時間の進みは止められないもので。
周りのみんなはその「将来」に向かって着実に進んでいるし、成長している。
私の時間だけがあの頃から止まっていて、私は何も変わらない。むしろ遠ざかっているようにも思える。

私の周りの人は、優しいから、「道はいっぱいあるんだよ」とか「この経験もいつかきっと役に立つよ」とか、そういうことを言ってくれる。確かに、その通りだと思う。体調が悪くなって知った世界も沢山あった。でも、だからと言って、こうなりたかったわけじゃない。当たり前だけど、ならなくて済むなら、なりたくなかった。あのまま、毎日学校に通って、勉強して、それなりの大学に進学して。そうなりたかったし、そうなるんだと思ってた。少なくとも、私の周りの人はそういう道を進んでる。みんなと違う道を進むことは、別に嬉しいことでもなんでもない。道がいっぱいあるから、なんだって言うの。

なんて、そんなことを言ってもどうにもならないことはわかっていて。
私が元気になるまで、時間は止まってくれないし、みんなは待っていてくれない。
ちゃんとわかってる。わかってるんだけど、どうしても思ってしまう。
みんな先に進まないでほしい。待っていてほしい。

置いていかないでほしい。