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哲学へ導いてくれる本

本記事は、私の中で心に残ったポイントをまとめたものです。ご紹介する本の正確な内容や要約については、本書や要約サービス等をご参照ください。

「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」山口周(著)

本書をおすすめする理由

山口周氏の著作をご紹介します(第4弾)。

山口周氏のリベラルアーツに関する著書(「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」)を耳読(Audible)したことがあり、実学だけでなく、芸術や哲学等の幅広い知識、教養を身につける重要性は理解していました。

しかし、実際には、哲学は高校時代に教科書に載っていたイメージ(賢い人たちが難しい話をしている)が残っており、学ぶには敷居が高いと感じていました。

本書は、日頃私たちが向き合う課題を取り上げ、哲学等を通じてその課題を考察した本です。
著者が選んだ哲学を中心とした本が数多く紹介されています。

読み慣れたビジネス書以外にも読んでみたいと思うきっかけとなる本だと考えています。

心に残ったポイント

哲学を学ぶことの最大の効用は、今目の前で起きている出来事を深く洞察するためのヒントを数多く手に入ることができるということ。
・常識を疑うというのは、見送って良い常識と疑うべき常識を見極める選球眼があるということ。その選球眼を与えてくれるのが教養。
・労働と報酬が正確に数値的に相関していたら、人間は働かない。なぜなら、驚きも喜びもないから(内田樹)。
・自分の欲求が、素の自分による欲求なのか、他者によって喚起されたルサンチマンによる欲求なのか、見極めることが重要。
・自由を得る代償として生み出された、孤独と責任の重さに疲れ果てた人々は全体主義に傾斜することを選んだ(エーリッヒフロム「自由からの逃走」)。
個人の成長、幸福を実現するために、自分を分断するのではなく、自分自身でものを考えたり、感じたり、話したりすることが重要になる。何より重要なのが、自分自身であることについて勇気と強さを持ち、自我を徹底的に肯定すること(エーリッヒフロム)。
・自由であると言うことは、社会や組織が望ましいと考えるものを手に入れることではなく、選択すると言うことを自分自身で決定すること(サルトル)
・悪とはシステムを無批判に受け入れること(アーレント)
・人間は、合理的な生き物ではなく、後から合理化する生き物(フェスティンガー)
・人が創造性を発揮するのは、挑戦を許す風土。アメとムチは不要であり、自分がそうしたいときに人は創造性を発揮する。
・キャリアや人生の転機とは、何かが始まるのではなく、何かが終わるということを意味する。
・わかりあえない他者とのあいだであっても、顔というビジョンを交換することによって、関係性の破壊を防げる。
・アノミー(無連帯)状態に陥ると、人は、組織や家庭の連帯感を失い、孤独感を抱いたまま社会を漂流する。自律的に、自分が所属するコミュニティーを作り出す必要がある。
公正世界仮説(頑張っていれば報われる)に囚われすぎると時間を無駄に消費したり、社会や組織を逆恨みする危険がある。
・未来は予測するよりも、自ら思い描くもの。

今後に生かすこと

私達の今の悩みも、すでに過去の賢人達が考えてきたものと重なる部分があり、哲学を身近に感じるようになりました。
読みたくなる本が増えること間違いなしです。

哲学は、アウトプットそれ自体ではなく、アウトプットに至るアプローチこそが参考になるという発想がありませんでした。
紹介されている本を実際に自分で読んでみることこそに意味がありそうです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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