オーバードライブ社でのChatGPT利用ガイドラインを公開
こんにちわ。
株式会社オーバードライブです。
弊社は、ボドゲーマというボードゲーム専門の総合情報サイトを開発・運用しています。
ボードゲームに特化したクラウドファンディングサイト、ボドファンも運用しています。
余暇市場をターゲットにしている企業ですので、社員には仕事の時間だけでなく、プライベートの時間も充実させてほしいと考えています。
生成AIは、作業効率をあげるだけでなく、学習速度も向上させ、結果的に生産性に寄与することが知られています。
弊社でも、ChatGPTを含めた生成AIを積極的な利用を推奨しています。
生産性が上がることで、プライベートの時間確保がしやすくなります。
それは、社員の生活の質そのものを向上させることにも直結していると考えています。
日本企業の72%がChatGPTを含めた生成AIの利用禁止を検討しているという調査結果があります。
さらに、58%が禁止措置を長期的・恒久的としているそうです。
一方、生産性の向上を含めたメリットについても強く意識されているようです。
生成AIの社内利用ガイダンスのサンプルがあれば、生成AIの社内利用の検討材料になるかもしれません。
例えば、以下について触れています。
学習オプトアウト
情報セキュリティ
利用にあたっての注意点
経費精算
社内での生成AI活用を推進したい経営者、人事、現場のリーダーの皆さんの参考になれば幸いです。
利用承認
ChatGPTは業務利用可能とする。
ただし、後述する注意点について留意すること。
利用方法
当ガイドラインでは、WEB版の利用を想定している。
APIの利用については、追加料金、学習、セキュリティの観点から、当ガイドラインの対象外とし、個別に上長・役員に相談すること。
オプトアウト申請
ChatGPT(WEB版)に入力した内容は、学習に利用される。
以下のURLからオプトアウト申請を実施することで、入力内容が学習に利用されなくなる。
業務利用において、この学習のオプトアウトを必須とする。
情報セキュリティについて
機密情報の入力は禁止とする。
機密情報の範囲は、自社で規定している情報セキュリティポリシーを参照。
例えば、自社や顧客のソースコードや個人情報の直接入力は禁止する。
公開情報、および、汎用的・一般的な内容は機密情報には当たらないため、入力可能とする。
著作権・肖像権・商標権について
生成物を公開する場合、それが著作権・肖像権・商標権に抵触していないかどうか、十分に留意すること。
例えば、以下のようなことは禁止する。
ネット記事の内容を、それとわからないように改変して公開する
他社のキャッチコピーを元に、類似したキャッチコピーを生成して公開する
拾ってきた画像をインプットとし、それを加工して公開する
有名人の画像を生成し、それをバナー画像として公開する
他社のロゴに類似しているロゴを生成して、それとわかったまま公開する
詳細は、以下の文化庁の講演資料を参照すること。
倫理的配慮について
不適切なコンテンツの生成や利用を避けること。
例えば、以下のようなことは禁止する。
反社会的、差別的、攻撃的、性的な内容を生成し、それを公開する
フェイク情報やフェイク画像を生成し、公開・拡散する
アクセス数を稼ぐための、テキストの大量生成と大量投稿をする
情報の正確性について
生成した情報に誤りがないか確認の上、利用すること。
基本的には、生成物をそのまま利用・公開することは避けること。
ソースコード生成については、テストコードを書く等、意図通りの挙動になるか確認のうえ、通常のコードレビューのプロセスを踏むこと。
※なお、 GitHub Copilot Business は組織で契約済。
生成物の公開について
生成したテキストや画像を公開する場合、生成AIを利用していることを明記すること。
AIによって生成されたものであっても、責任は自社で負うということに留意すること。
自社サービス上での公開だけでなく、SNSでの投稿に関しても同様である。
顧客への情報提供について
生成物の公開と同等に扱うこと。
生成AIを利用していることを明らかにし、権利侵害や倫理的な問題が無いことを確認してから、顧客に提供すること。
インシデント対応
これらの事項に関して抵触・違反した場合、もしくはその疑いがある場合、すぐに上長・役員にエスカレーションすること。
情報セキュリティに関連する場合は、情報セキュリティガイドラインに従って対処する。
ChatGPT Plus
有料のGhatGPT Plusは、経費精算可能とする。
USDで請求されるため、個人決済での経費精算は煩雑となる。
バーチャルカードによる決済を行うこととし、利用希望者は上長・役員に相談すること。
ChatGPT Enterprise
ChatGPT Enterpriseの利用申請中である。
Enterprise版であればセキュリティ機能が強化されるため、より積極的な情報のインプットが可能になる。
Enterprise版の利用を開始するまでは、情報セキュリティに十分に気を使って利用すること。
他の生成AIの利用
他の生成AIに関しても、基本的には同様とする。
ただし、生成AIによって利用規約が異なるため、業務利用の可否は上長・役員に相談する。
参考情報
最後に、弊社のガイドライン策定にあたって参考にしたドキュメントを記載いたします。
JDLAによる生成AIの利用ガイドライン
東大の松尾先生も参加されている、JDLA(日本ディープラーニング協会)が、生成AIの利用ガイドラインの雛形を公開しています。
これをそのまま使うのでも良いかもしれません。
他社の規約事例
他者のガイドラインも非常に参考になりました。
数社分を比較すると、どのような観点が必要なのかが浮かび上がってきます。
※カバーアートの生成にはAIを利用しています
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