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作文を長く書くコツ〜まずはお散歩③〜

こんにちは、上田です。UEDA塾へようこそ。

 お待たせしました、今回はようやく作文を書いていただきます。なお準備編の「作文を長く書くコツ〜まずはお散歩①〜」「作文を長く書くコツ〜まずはお散歩②〜」をお読みになってから、この記事をお読みください。

 ではここで用意するものを。

・原稿用紙。なければノートで構いませんが、長く書けた時に文字数がわかった方が楽しいです。1行20文字なら原稿用紙と同じ感覚で書けますね。
・筆記用具。シャーペンや鉛筆など消しゴムで消せるものなら、なんでもお好きなものを。もちろん消しゴムも。

1行目はタイトル、2行目は名前を。本文は3行目から1マスあけて。

 原稿用紙の使い方だけでも慣れないうちはストレスです。お子様が迷っているようでしたら、シンプルに教えてあげてください。
 1行目には作文のタイトルを。上3マスほどあけると見栄えが良くなります。長いタイトルならあけるのは1マスでも2マスでもかまいません。タイトルは本文を書いてから、後からゆっくり考えても良いでしょう。
 2行目にはお名前を。名字(姓)と名前(名)の間は1マスあけて。さらに名前(名)の下も1マスあけても良いですが、ここはお子様が通われている学校の先生の指示と合わせてあげると良いと思います。
(原稿用紙の使い方は最低限守るべきルールはありますが、細かい部分は見解が色々とあり、絶対これ!と決められない部分も多くあります。)

書き出しは、『ドアを開けると、』

 いざ作文を書くとなると、作文が苦手なお子様の多くがいきなり固まります。あるいは「初めは何を書けばいい?」なんてストレートな質問も飛び出します。教室では「最初の1文字目は何がいいと思う?」なんていう斬新な質問も出ました。そこでUEDA塾では初めて書く作文については、書き出しだけは決めさせてもらっています。お散歩が題材の時の書き出しは『ドアを開けると、』としていました。こうすることで、自然に目の前で起こった出来事を積み重ねる流れができます。逆にありがちな『今日は』で書き始めると、『今日はお散歩に行きました。』という具合に、いきなり結論を書きたくなってしまいます。これでは目の前で起こった出来事を積み重ねられなくなりますので、あまりオススメしません。

ドアを開けると何が見えた?空気はどんなだった?天気は?

 では『ドアを開けると、』の次には何を書くべきか?それはドアを開けた時に見えたものや、そこにあった風、匂い、音などです。前々回の記事「作文を長く書くコツ〜まずはお散歩①〜」にあった例文を思い出してみてください。

ドアを開けると、真夏のような熱い空気につつまれた。

 これは出かけるためにドアを開け、そこにあった空気について書いただけです。でもこれだけで季節感が伝わってきたり、物語が動き出しそうな予感が感じられたりしませんか。この後は、お子様が思い出せる出来事を積み重ねていけば良いです。目の前で起こっていることを積み重ねることで、物語が動き出しているかのような印象を受けるのです。

 ここでいくつかUEDA塾で書かれた作文の書き出しを紹介します。

ドアを開けると、ニンニクがこげたようなにおいがした。だれかが
「くさっ!」
 と言った。

 教室があった建物の下の階にはイタリアンのお店があり、調理の匂いが階上まで届くことがありました。特にニンニクの匂いは良くも悪くも強烈で、子ども達にとってもインパクトのあるネタになっていました。

ドアを開けると、おでこに水が落ちてきた。

 たまに小雨の日に散歩に出ることがあり、そんな日には雨は分かりやすい題材になります。

ドアを開けると、みんなすぐに歩き出した。私もそれについて行った。

 体験初日の生徒さんは散歩といっても何が起こるのか見当もつかない上に、緊張しています。風景などより同じクラスの他の生徒の動きばかり見ている場合も多かったようです。書き手の心細さや不安な心情までも伝わってきますね。

 これらはあくまで例ですが、もしもお子様が固まっているようでしたら、こんな例もあるらしいよとういことで、上の例も教えてあげてください。ニンニク臭い!?そんなふざけてるようなこと書いていいの?と感じながら、少しは作文を面白がる気持ちが生まれるかもしれません。

実際のお散歩中の出来事を思い出しながら、楽しく!

 ここから先は、実際のお散歩を思い出しながら、書き進めてください。困ったら「作文を長く書くコツ〜まずはお散歩①〜」にあった例文を眺めてみるのも良いでしょう。真似ることも多いに結構です。
 そして、歩いている途中で何を見たか。どんな人がいたか。保護者様とお子様でどんな会話をしたか。等々、思い出すためにお話ししてみてください。そんな中でお子様が書き出したら、会話を止めてそっと見守ってあげてください。

目の前で起こった出来事を順に積み重ねていきましょう。

 ただし、目の前で起こったことを大人の感覚で全て網羅したら、おそらく家から5分と離れる前に原稿用紙が埋まってしまうと思います。ここは、できる限りお子様のペースで書かせてあげてください。お子様の感覚で書くと、全てを積み重ねるというよりは、もう少し出来事を飛び飛びに拾っていく感じになるはずです。でもそれで良いのです。まずは時間軸にそって、前に進みながら、お子様の中で記憶されていることを積み重ねてください。

 初めは長く書けるようになることだけを目指します。しゃれた描写も細かい文法チェックも今は必要ありません。もしもお子様が長く書けたら褒めてあげてください!

散歩では書くべきネタが向こうからやって来てくれる

 ところでUEDA塾の体験授業の最初の題材はなぜ散歩なのでしょう。それは散歩をすると、向こうから書くべきネタだどんどんやってきてくれるからです。自分で特別な発想をしたり、アイディアをひねり出したりしなくても、ある程度は受け身の状態で始められるため、作文の最初の題材としては大変オススメです。

目標は5行以上書くことです!それを超えたら百点満点!!

 以上、3回に渡って初めて作文に挑戦する際にオススメのお散歩作文についてご紹介してきました。ここまでの内容では、目の前で起こった出来事をつみかさねて書くという指示で書いてもらっていますので、作文中にお子様が自分の気持ちについて書かなくても注意しないようにしてください。もちろん書いてある場合は、それは素晴らしいことです。

 何れにしても作文は時間がかかります。少なくともUEAD塾では、時間をかけてゆっくり楽しみながらという方針で進めてきました。ですから短期の受験対策は大変申し訳ございませんがお断りしてきました。直接的な受験対策も行なっていません。それでも結果的にはちゃんと受験や試験に対しては効果があったと考えています。
 変化や進化は継続の中で、ある日突然やってくるくらいの気持ちで、僕は生徒さんとは付き合っています。それは自転車に乗れるようになることに似ています。自転車は乗れるようになる瞬間までは乗れないですよね。あれと同じ感覚です。楽しみながら、継続していれば、表面には見えなくてもお子様の中で進化は静かに進んでいるはずです。

 教える。待つ。褒める。

というくらいの心持ちが良いと思います。

 最後に、お散歩作文に挑戦する際には、あらかじめ例文をお子様に読んでもらってから、お出かけすると良いと思います。自分がこれからやるべき方向性が分かっていると、アイディアも出やすいようです。また、お子様が書いた作文が例文に似ていても全く問題ありません。UEDA塾では良いところは、お互いどんどん真似し合って良いことになっています。

 目標は5行以上書くことです!それを超えたら百点満点!!目標が達成できたら次回は7行、9行、11行と少しずつ伸ばしていきましょう。

 今回も最後までお読みいただきどうもありがとうございました。

※2021年4月より新規生徒募集を再開いたします。同時に無料体験授業の受付も再開いたします。以前より入塾を希望いただきながらお待たせしていた皆様には大変申し訳ございませんでした。

対象学年:新小学5年生から新中学2年生
※授業はZoomを使用して行います。大変恐縮ですが、Zoomが使える環境をご用意ください。

※お申し込みをいただく際には、UEDA学習塾 webサイト内の"お問い合わせ"ページよりお願いいたします。

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