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Anne
2020年11月9日 21:10
薄金の髪の毛がきらきらと潮風に吹かれるのを見た、瞬間、恋に落ちる音がした。でも、恋の奈落に落ちたのは、わたしだけじゃなかったみたい。・・・「夏休みだっ!」短く語尾を跳ねて、百瀬桜子は言った。彼女の背中に垂らしたおさげと、セーラーの襟がぴょんと浮く。まさにその通り、間違いなく、夏休み。終業式の日の放課後の、喧しい昇降口だ。「あっという間に終わるんだろうなあ」「始まる前からそんなこと言