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アメリカ職場調査2022 ―2022.12.06 Gensler(Pick up#012)

■Stats:
アメリカ職場調査2022 ―2022.12.06 Gensler

■調査の概略

  • 2022年6月14日から8月7日までに2,000人以上のアメリカの職場で働くワーカーを対象とした匿名回答のオンライン調査。

  • 現在のオフィスでうまくいっていることやそうでないこと、そして従業員が働くための魅力的な場所を作るためのデザイン的介入が何であるかを理解するための調査を行った。

  • 職場データによると、労働者たちは依然としてオフィスを自分の仕事に集中する場所として重視していますが、より多様なスペースや体験を求めており、自分たちの仕事をより良くサポートし、居心地の良い場所を作りたいと考えている。


■参照データ / 将来への知見

平均的に、人々は生産性のためにより多くの時間をオフィスで過ごす必要があると考えていると回答。また、最も革新的な企業の従業員は、平均よりもオフィスでの作業を望んでおり、パンデミック前に測定した67%のレベルに戻っている。

パンデミック期間中、従業員がオフィスに戻る理由のトップランキングは「チーム/同僚と直接働くこと」であり、国、世代、産業を問わず、調査時期に関係なく一貫していた。最新の調査では、「仕事に集中するため」という理由が、従業員がオフィスに出勤する最も重要な理由として浮上。テクノロジーへのアクセス、スケジュールされた会議、特定のスペース、材料、リソースへのアクセスなど、物理的な空間に基づく仕事活動も、トップ7の理由に上がっている。

オフィスに復帰した従業員は、直接他者との作業、学習、社交に関してはワークスペースの効果が高いと評価。しかし、単独作業やバーチャルでの他者との作業についての評価は過去最低。従業員が最も多くの時間を費やす重要な作業である単独作業(通常の勤務週の34%)について、職場はうまく機能していないよう。適切な物理的な作業環境を提供し、ノイズ、気を散らす要因、中断を最小限に抑え、人々が作業に集中し、最高の状態で働けるようにすることが重要。

従業員がより頻繁にオフィスに戻るためには、新しい種類の仕事体験が必要。効果的な職場だけでなく、オフィスワーカーは、彼らの仕事環境から異なる種類の経験を求めている。パンデミック前、職場は仕事のダイナミックな性質に合わせて、作業環境と経験を多様化する方向に向かっていた。会社が従業員の理想的なワークエクスペリエンスミックスを提供した場合、従業員の83%が理想的なワークエクスペリエンスミックスのためにより頻繁に戻る意思があることがわかった。

どのようなスペースが最も影響を与えるのか。
静かなゾーン、フォーカスルーム、リラックススペースなど、個人の静かな作業用のスペース、また、イノベーションハブ、メーカースペース、チーム専用ルームなどのクリエイティブなグループワーク用のスペースが、スペースの効果的な使用とエクスペリエンスのスコアにポジティブな影響を与え、最高のパフォーマンスを発揮する職場と低いパフォーマンスを発揮する職場を差別化している。

過去の研究から、まず機能的で効果的なスペースを提供し、その上で素晴らしい仕事の経験を重ねることが重要であることがわかっている。最終的に、歓迎的で美しく、ナビゲーションが容易で、騒音レベルを調整でき、最新の技術が備わっている職場が最高の経験を生み出す。効果性と経験を共に備えることで、ビジネスの成果をもたらす組織的な成果を形成することができる。
高いパフォーマンスを発揮する職場は、個人、チーム、組織の成果を改善することに高い相関性がある。高いパフォーマンスを発揮する職場で働く人々は、職場が個人のウェルビーイング、キャリアの進展、仕事の満足度に肯定的に貢献していると報告する可能性がほぼ2倍になります。

■記事からの個人的な知見等

⇒①オフィスでの作業を望む割合がパンデミック前と同水準であること、そして②従業員がオフィスに戻る理由のトップランキングが「チーム/同僚と直接働くこと」から、「仕事に集中するため」という理由へ変化し、③企業側としてよりオフィスに戻すためには従業員側へ提供するオフィスでの経験が重要視されていること。
①:完全なオフィスだけでの仕事は考えにくく、ハイブリットワークではあるが、そのなかでもオフィスでの作業を望む割合が戻ったことに転換期の節目を感じる。
②:個人的にも変化してきていることだとも感じる一方で、チーム/同僚と直接働くことというより、チーム/同僚との直接のコミュニケーションは意識して取るようになっているとも感じる。ほかのチームメンバーや同僚の集中を妨げないオフィス空間での振る舞いもより個々に課せられているようにも捉えている。
③:一部の企業では取り組みとして活発化してきているが、それはやはり一部に過ぎないとも感じるところがあり、取り組みがなされていない職場に対して不満を持ち、会社を変える等の動きにもつながることは企業側として強く意識するべきことだ。


※表紙画像:Toa Heftiba/Unsplash

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