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【詩】昔のきみへ、

ずいぶん遠くまで来たね
泣きじゃくって膝を抱えたあの地点から、

時折とがった岩に、膝が崩折れそうになったこともあるけど

沢山蹴躓いて 懸命に顔を上げ
ぐねりと見失いそうになった空を
もう一度抱きしめてみたくて ここまできたね

まだまだ頂上なんてみえない、て言うんだろ

でもね、歩き続けてきたよ
君は確実に、踏みしめてきた大地の重さと温かさを知っているの

大丈夫、て言葉さえ嫌いだったかな
でもそんな君が今、大丈夫も大好きて言ってるなんて信じないかな

手を伸ばせば振り払うような強情な君は、本当は寂しがりやで泣き虫で臆病者 知ってるよ

ぎゅっとしたい、て言ったら顔を歪めてしまうのかな

ごめんね、あの時一杯傷つけて
やさしさはわかっているつもりだなんて嘯いて

ありがとう、諦めないでいてくれて
愛されたいだけだったのだと、わかっていた
でも怖かったよ 
認めることも許されることも 何もかもに怯えていた

心の奥底の ちくちくとけばだったところに、触れる勇気を今はもっているか
少しだけ、信じてくれないか

君とはこれからもずっと一緒だから、間違えることも忘れてしまうこともきっとある

そのたびにもう一度、手を繋いで、
焦らないで深呼吸できる私でいると 約束したい

こうやってずっとやわらかな指切りをしたかった
私と君で微笑んでみたかった

だからどうか、抱きしめさせて
そっと、少しでいいの

愛してるよ、ていつか言える瞬間まで 決して立ち止まらずに
振り返ってもいい 肯定できなくていい
ただね、だからね。

生きていてくれて、ありがとう。


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