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すきな勉強て楽しいて思えて嬉しかった日

『性をテーマとした語りと即興の実践』の企画書をみてから、ずっと楽しみにしていたものの一つが、マイズナーテクニックの基礎的な内容シェア会の稽古の日だった。今までインプロ(即興芝居)のワークショップで少しだけやったことがあるけど、講師はこれまでと違う方だしこのメンバーでやるのは初めて。どんなことやるんだろ?てわくわくしながら向かった。

ただ始まる時、 講師の方の「最初は座学ぽくなるかも」というニュアンスの言葉にほんの少しだけ不安になった。(座ったままずっと人の話を聞く、いわゆる授業にめちゃくちゃ苦手意識があるのだ)

しかし、始まってみればそんな不安はぽかんとどっかへとんでいき。初めて知ることも、 ここは即興芝居で教わったことと通じる考えだなという内容も、一つ一つについて学ぶのが楽しかった。

なんだ、私は勝手に自分の可能性を閉じていたのかもしれない。少人数だったのもあり、ペースにも無理なく沢山実践的なワークもでき、脳がバーストしつつも心地よかった。

13時から18時まで、本当にあっという間でびっくりした。
目の前の相手に集中するため、という目的で座ったままパートナーと向かい合ってレペティションをやる、という形式だったのだが、身体を大きく動かさずとも、感情をいっぱい動かせるのも嬉しかった。



レペティションは、

簡単に言うと、繰り返しのゲームを通して会話の練習をしようというエクササイズになります。

レペテションとは?マイズナーテクニックで一番有名なトレーニングの紹介


俳優のトレーニングである。 こう書くだけだと堅苦しく聞こえてしまうかもしれないけれど、 稽古後のなぐりがきの私のメモには、「自由で 面白くて、何も考えずに私は私でいられた」 と書いてあるほどに、のびのびとやれたワークだった。
正直、最初は身体の制限がもどかしくてくすぶるんじゃないかと思った。持病で早く動いたりできんし、スキンシップもめちゃくちゃ好きなのに痛まぬ範囲で無理のないようにて考えるとやれること限られるし…そんなうじうじモードは目の前の相手と関わって頭で思い悩む暇もないほどのいろんな体験をする中で消えていった。

その日は自分の心にも体にも心地よい速度で相手と反応し合えたこと、すごく幸せな時間だったのだ。もちろん、そうできたのは、事前に皆に自分の身体のこの部分は触らないようにしてほしい、とシェアして、安心できる環境で配慮してもらってこそうまれた自由さなのだけど。
一緒ににこにこしたり、言葉の意味そのものに変にとらわれず台詞を遊ぶような感覚も持ち合わせて発したり、やりたい行動に素直に従って相手に臆病ながらも触れてみたり。
そのすべての時間が、あったたかったり、心が跳ねたり、びっくりしたり。演じようなんて頭の中で考える暇なんか一つもなく、ただ他者と繋がって自分自身の感覚にもより細やかになって、その瞬間にパートナーとうまれたやりとりをすること。言葉にはしきれないけど、舞台に立つて生きることだ、てやっと実感を持って少し気づけたように思えて。

こんなに飾らずに座って右手を動かしてそこにいられることが嬉しくて。言葉は必要だけど、いらなくてあなたと私が互いを見るだけでよかったんだとそのことに救われた。

これは、 先ほどと同じく稽古の帰り道メモ書きしていた内容だ。
やっぱり私は人が好きで、関わるのが嬉しくてたまらなくて、感情を共有したくてここにいるんだなぁて思った。芝居、やめずにここまでやってこられて、今みんなと関われてよかったなぁ。きっとこの先も何度もまたそう感じるんだろうと思えた。
即興も、演技そのものも、言語も、表現するそれらを通じて人と繋がることが、私にとってたまらなく愛しいとこの世界で最も感じるものなんだな、て改めて認識する日でした。

今回は語りの稽古ではなく、演技とは改めて何なのか、自分や相手に意識を向け枷になっている自意識を取り除いていく、というような感覚でがっつり芝居について、体験しながら学んでいく、という形で。
ただ改めて言葉に囚われていた自分から自由になる、相手と一緒に関わりただそこで起きたこと、やりたいことに正直に反応していく、というのは語りにおいても大切な感覚ではないかと思った。
経験したことを活かして、即興芝居を通し他者とのびのび共に泳いでいくような体験を今後もしていきたい。



『性をテーマとした語りと即興の実践』公演詳細

テーマについて語り、時に即興表現を試行することで、考えを深めたり視野を広げることができる場を目指しています。
語りのパートについては、出演者・お客様ともに語ることができます。(人数の都合上、希望者全員が語れるとは限りません。)また、語りたい人が挙手する形ですので、自分は語りたくはないが人の話を聞きたいという方もぜひお越しください。

●日時
10月7日(土) 14時・18時
各回約90分
※開場は開演の20分前になります。

●場所
高円寺K’sスタジオ本館
東京都杉並区梅里1-22-22パラシオン高円寺B1-100号
丸の内線東高円寺駅より徒歩5分
※新館ではないのでご注意ください。

●出演者
daira
海原優騎
佐竹謙伸
石巻遥菜
ゆうり(獣の行進)
福本桜

●場づくりのサポート
よしこ

●音響・照明・受付
会原実希

●宣伝美術
森口大和

●料金
2500円

●共有事項
・いわゆるエンタメ性をあまり重視していません。性について語ったり聞いたり、考えを深めることができる場を目指しています。
・性に関する表現が即興でなされる可能性もあります。
・お話いただく際、特定の性別や性のあり方・人種・障がい・職業などを否定する発言もしくは場の安全性を脅かすと企画側が判断するような発言・行動をなされた場合は、注意をさせていただくか、退場いただく可能性があります。その場合の返金は致しかねます。
・参加する皆さまが安心して語ったり聞いたりできる場を目指しておりますが、意図せず不安にさせてしまう発言や表現が場に出てしまう可能性もあります。もしつらいと感じられた際は、許可を得ずとも途中退出していただけます。ご自身に無理のない形でご参加いただけますと幸いです。

●予約
https://forms.gle/CuEKThNKTRD7joh69

●お問い合わせ
narrative.improvisation@gmail.com

ご興味ある方、ぜひお越しいただけるとうれしいです。
また、質問等ありましたらお気軽にご連絡ください。

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