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詩集

10
ひらひらふわふわころころ。ことばたちがあつまってはなれてまたあつまって。
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#詩

詩

こわれて きえた しゃぼんだま
とんで とんで たかくまで

こわれて きえた しゃぼんだま
どんな景色 みたんだろうね

詩

山が泣いていました。
人間には聞こえませんでした。

つぎに、海が泣いていました。
人間には聞こえませんでした。

しばらくすると、空が泣いていました。
人間には聞こえませんでした。

そのあとに、植物たちが泣いていました。
人間には聞こえませんでした。

こんどは、動物たちが泣いていました。
人間には聞こえませんでした。

さいごに、人間が泣きはじめました。
人間には聞こえませんでした。

*

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詩08 醜

詩08 醜

.

どろどろのぐちゃぐちゃになりたい。壊したい。壊されたい。すべてを根こそぎ奪われたい。化けの皮を剥がし切りたい。こころの奥の奥の奥のヘドロを、醜くて汚くて堕ちきった其れを、罵倒して乱暴してぎゅっとやさしく抱きしめたいんだ。

.

ねえ、君もそうでしょう?

.

.

醜いものを探したのに
ひとつも見つからなかった。
それならここにある此れは、
いったいどこからきたんだろう。

詩07  ちいさな点

詩07 ちいさな点

ちいさなちいさなちいさな点。
わたしもあなたもちいさな点。
なんにもできないちいさな点。

ちいさなちいさなちいさな点。
総理も爺ちゃんもちいさな点。
どうしようもないちいさな点。

ちいさなちいさなちいさな点。
あの岩もこの草もちいさな点。
なんの意味もないちいさな点。

ちいさなちいさなちいさな点。
すがた かたちは ちがっても
みーんなおんなじちいさな点。
なんにも変わらぬちいさな点。
ちい

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詩 06

動物たちは、美味しいのです。
植物たちは、美味しいのです。


美味しくある必要なんか
どこにもないのに、
わたしたちにとって、
彼らは、美味しいのです。
 

美味しくなかったら、不味かったら、
食べられないのに、
それでも彼らは、美味しいのです。

動物たちは、美味しいのです。
植物たちは、美味しいのです。
 

全ては、わたしたちのためなのです。

(2015.11.22)

詩 05

一つになりたい。
眠るように溶け込みたい。

  
ゆらゆらと、狭間をただよう
どっちつかずの、ハンパ者。

あぁ、はやく、おうちにかえりたい。

 
容れ物さえも脱ぎ捨てて、
繋がる糸すら切り捨てて、

 
かえりたい 帰りたい 還りたい

 
なんて、

「ナイモノねだり」

 

(2015.8.25)

詩 04

詩 04

✳︎
約束のカケラを、
ひとつずつ、丁寧に拾い集める。

あなたと出逢うことも、
あなたを感じることも、
あなたと別れることでさえ、

遠い昔の約束どおり。

 

わたしがわたしで在るために、
あなたがあなたで在るために、

すべてを決めてやってきた。

✳︎
記憶のカケラを、
ひとつずつ、丁寧に拾い集める。
 
この言葉を聞くことも、
この笑顔を見ることも、
この匂いを嗅ぐことも、
この空気を

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詩03

詩03

こぼれた音色があんまりにも

優しくて美しくて

涙までこぼれてしまったよ

詩02

詩02

あの人は本当にわたしのことが大好きみたいで


花を咲かせてみたり、虹をだしてみたり、

光を踊らせてみたり、鳥を呼んでみたり、


あの手この手でわたしを歓ばせるの。



落ち込んでるときも、拗ねてるときも

どんな時もわたしを受けとめてくれるわ。


わたしはなんにもお返しできないけど

笑顔でいてくれたらそれでいいって言うの。


愛されるってとっても幸せね。

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詩 01

詩 01

草花に触れること。

草花に瞳を向けること。

草花に声をかけること。



人間にできる “そんなこと” が

彼らを喜び唄わせる。



人知れず咲く山百合でさえ、

その時をじっと待っている。



わたしたちと出逢うことが、

わたしたちに愛でられることが

美しき存在たちの幸福なのだ。


(人間だけが、できること)