罪悪感を後悔で解消しようとしちゃだめらしい
なるほど。(←タイトルに対する相槌)
たとえば、元旦那さんと息子が2人ともインフルエンザになって大ピンチだった、という話を聞いたときに。
「シングルファザーだから旦那さんはあっという間に有給もなくなってしまう」
「ママがいれば息子はパパの不調時にじぃじとばぁばのところに預けられなくて済んだ」
というようなことが頭の中をぐるぐるして、後悔に苛まれてしまう。
「2人に対する申し訳なさで押し潰れそうになって、私が2人を不幸にしたんだ、と強く思ってしまう」ということを主治医の先生に相談した。
先生は言った。
「離婚していなければ……という考えは、タラレバです」
たしかに。
「それに、離婚していなかったらいまごろみんな幸せだった? 本当にそうだと思いますか?」
「うーん。それはそれで……別の地獄だったかもしれません……」
「そうですよね。もし再婚できるなら再婚するんですか? 鎖骨ラーメンさんは。再婚したいですか?」
「再婚……したいわけでは……」
もごもご。
「私はただ二人の力になりたくて。それに責任を果たしたい、みたいな気持ちもあるし……。だけど離婚した身だから、親権ももちろんありませんし……、私ができることは限られていて……。たとえば元旦那さんの出張中に私が息子を預かってあげたくても、それは先方の親族に許してもらえなかったりとか……。ほんと、月に一度養育費を払うくらいしか……、私は本当になにも……力になれなくて……」
「うん、よく言語化できています」
「……ありがとうございます。私、こういうときにどう気持ちを整理したらいいか分からないんです」
「なるほど。鎖骨ラーメンさんは、罪悪感が湧き上がってきたとき、〈後悔する〉という行為で解消しようとしているんですよ。過去に過去に、潜っていってしまってるんです、自分で」
「はぁ……」
「過去のことを悔やんでもつらいだけで、もっと言えば、意味がない、ということは、わかりますね」
「はい、理解できます」
「理解できている、ということはとても大事なことです」
先生は私の扱いがうまい。理路整然と話してくれる。ある種、淡々とした人だ。感情に寄り添われるよりも救われる。
「過去の鎖骨ラーメンさんは、精一杯生きてきました。そして考え抜いてここまでさまざまな決断をしてきました。離婚のときだって、悩みに悩んで悩み抜いて、前の旦那さんとも2人でたくさん話し合って、それで離婚に至ったわけです」
「はい」
「実際に鎖骨ラーメンさんは少しずつ元気になってきて、いまも仕事ができている、自分で生活ができている、そうですよね」
「はい」
「過去のことは、これがベストだったと信じ抜くしかないです。今どうするか? 今何ができるか? それを考えるようにしてください」
「なるほど……」
「現実的に自分にできることとできないことがあります。やりたいことで、できることは、なんなのか? それに目を向けてください」
「今の自分で、できること、か……」
「鎖骨ラーメンさんは自責傾向が強かったですが、最近はだいぶ認知が改善されてコントロールできるようになってきましたよね。だからこの〈罪悪感〉とも、絶対にうまく向き合えるようになります」
「そっか、そうですね。たしかに最近はいろんな面で割り切るのがうまくなりました、昔に比べたらだいぶ」
「そうでしょう。何年も見てきて僕もそう思いますよ、だからできますよ」
「できる気がしてきました……!!(単純)」
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