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カウチポテトから5kmランをめざすアプリ

Couch to 5kというアプリがある
前にカウチポテトっていう言葉があったけど
ソファに座ってポテトチップ食べながらテレビ見てるあなたでも
5km走れるようになれますよ、っていうアプリ。

教えてくれたのは一回り下のマリーナ。
ジョギング好きの息子君のいるマリーナ。
ジョギング終わると、息子の顔つきがちがうことに気づいて、
ジョギングってもしかしたら精神的にも体にもいいのかも
と思って、このアプリを使って走り始めた・・・という。

で、お昼ご飯食べながら、めっちゃマリーナに勧められたのが
このアプリ。
いや。お金もらってもやだ、走るのなんか。
即答した私に、マリーナは大笑いしながらこういった。
だいじょうぶよ。私もずっと、ゾンビに追いかけられなきゃ走んないってたんだから。
マリーナの笑顔とその一言に押されて
アプリをダウンロードしたのが2年前。

始めたら、これが案外いい感じだった。
15秒走ったら歩くとか、30秒走ってみようとか。
なんとなく、できそう感満載の距離とか時間が提示されると
ついその気になってしまう。
でもって、できると、「やればできるじゃん、私」という気持ちになる。
その繰り返しで、3ヶ月後にはほぼ5km走れるようになった。

たぶん、母が闘病中で、いろんなことを考えずに体を動かせたのも
すごくよかったんだと思う。
しばらく、ジョギングを続けていた。

けど。
母も亡くなり、なんとなくわさわさした日常が戻ってくるにつれ、
ジョギングは生活の中からこぼれ落ちていった。
最後に走ったのがいつかも、もう思い出せないくらい
走ることなんてすっかり忘れていた。

んだけど、今日久しぶりにマリーナとお昼を食べたら
相変わらず走っているという。
えらい!
驚く私に、いやいや、自分のためよ、楽しみに走っているの、とマリーナ。
この暑い時期に家族もいるのにどうやって時間作っているの?
と聞いたら、朝6:30くらいならまだそんなに暑くないのよ、とのこと。
え? で、何時に起きるの?
6:25
え?
着替えてそのまま出ちゃうの。歯磨きも化粧もなし。
着替えてシューズ履いたら、そのまま走るの。

これは、私のための時間だから。
まわりに気を使って、化粧したり、なんてことはナシ。
パッと起きて、そのまま出て、帰ってきてからシャワー浴びて、
歯を磨いてってすれば、それでいいのよ。
とマリーナ。
夫にも、話しかけないでね、私の時間だからっていってあるの、という。

走るパターンもいろいろで、30秒走ったら歩く、とか
ちょっと距離を走って、少し歩くとか、
その日の気分でアプリの中から走り方を選ぶんだそうな。
とにかく、その30分は私のための時間。
好きなように、楽しみながら走るのよ。

天気の悪い時のために、
折りたたみの小型ランニングマシンも買ったのだそうで。
数ヶ月ジムに行く会費があれば、買えるくらいの安いものよ。
ジムにいくってなったら、準備もいるし、化粧とか、洋服とか
考えるじゃない?
でも、それをしないで、ふらふらと起きたら走るの。
自分のためにね。

その自分のためにがキーワードだなぁと思いながら
マリーナの話を拝聴する。
いや、すごい。
お陰で、体調もよく、体重も減ったらしい。まぁ、そうだよね。

マリーナは、これは自分のため、とか、家族のためにここまでやる、とか
境界線を引くのがすごく上手。
純粋に楽しむために、体を喜ばせるために、走る。
のりこも始めなさいよ。
自分のためによ。大会に出るとか、頑張っているのを誰かにみせるとかじゃなくて、自分が楽しむために。

また、大きく背中を押された楽しいランチでした。


得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)