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【音楽】 酔いどれ詩人 トム・ウェイツ#1


トム・ウェイツ(Tom Waits)

 音楽好きの音楽体験上「自分にとってこの人(グループ)は外せない」という想いを強く持つアーティストの存在があったりする。
 もちろんその存在は年齢や音楽的な趣味に合わせて、その時々で変遷する場合もあると思う。
 ある時期にはずっと同じ人の音楽を聴き続けるけれど、暫くすると嘘のように聴かなくなってしまった、なんてことは良くあることだし、それで当たり前だとも思う。

私もそうだ。

 でもどんなに音楽的な好みが変遷してもと年齢を重ねても、音楽体験のベースの部分でずっと追いかけ続けている人が私にはいて、それがトム・ウェイツ。謂わば私の音楽体験上の最重要人物なのである。
 彼の音楽については、書き残しておきたいことがたくさんあり過ぎるし、1曲1曲聴き直しながら全部の楽曲の感想を書きたい気持ちにさえなる。
 オリジナルのアルバムや楽曲だけではなく、参加したコンピレーション、映画で使われた音楽、彼が担当した映画音楽等も含め、無駄な曲がひとつもないと私には思える。オリジナルアルバムに関しては全作が名盤だと思っている。
 まぁ、コンピレーションや提供楽曲まで拡げるとおそらく私も追い切れていない部分が多々あるので現在でもわりと入手しやすいアルバムや楽曲などについて、回をわけてできるだけ丁寧に書きたいと思っている。

トム・ウェイツを知った頃


 私がトム・ウェイツを知ったのはおそらく1985~1986年だと思う。wikipediaで確認すると「フランクス・ワイルド・イヤーズ(Franks Wild Years)」のリリースが1987年になっていて、その頃はまだ発売されていなかった。
 当時、私は東京から地元に戻り輸入盤店でアルバイトをしていて、リリースされたこのアルバムを仕入れた覚えがあるので間違いないと思う。
 1stアルバムの発売が1973年なので私がこの人の音楽を知ったのは謂わば第2期で、かなり遅れている。すでに初期の音楽性から大きく変化を遂げた後だったのだが、その時の私はトム・ウェイツの名前さえ知らず、店に入ってきたアルバムや中古で引き取ったアルバムを片っ端から聴きまくっていた時期で、その時にたまたま針を落としたレコードが彼の初期作品を集めたベスト盤「Anthology of Tom Waits」だったのである。

…to be continued

次回


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