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【コラム】ヴァイオレット・エヴァーガーデン#1

 何をいまさらと言わないでちょうだい^^;
 確かにもう6年くらい前のアニメ作品ではあるけれども。

 今まで何度も何度も記事にしたいと思いつつ、あまりにも思い入れが深すぎて何から書こうかというところで既に躓いて「何からも何も何もかもだよ」という心の声に恐れをなし、まったく手を付けられなかった、私の現在までの人生で経験した最高のエンターテイメント作品である「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。

 自分であまりにも書けないので、故・PANTAさんの記事を引用したりしている。これは逃げだ(笑)

 とにかくこの作品、原作もTVシリーズのアニメも劇場版のアニメもどれもこれも素晴らしくて私は、何度も何度も観返している。劇場版なんか140分という、今どき実写映画でさえ珍しいくらいの長尺でよっぽど時間が取れないと観切れないのに、断片的にでもいいからと、ついつい観てしまう。

 そして、号泣している。
 もう何度も観てストーリーどころか、登場人物のセリフとかまでほぼ記憶してしまっているというのにそれでも、このいい年こいたおっさんが号泣するのだ。

 なんだろうなぁ、このヴァイオレットという少女がまるで実在していたかのような錯覚。
 TVシリーズから順に観ると、彼女の人生をたどっているように感じる錯覚。
 いや、決してリアリティのある話ではないのに、どうしてこういう錯覚が起きるのか?
 私が思うに、アニメ化した京都アニメーションの技術力の高さ、また彼らが得意とする背景の美しさや人物の表情や性格などの原作から更に深く踏み込んだ詳細な設定などにより、ヴァイオレットを優しく見守る周囲の人々に恐ろしいほどのリアリティを与えてしまっているからなのではないだろうか。

 登場人物の中で最も非現実的な存在がヴァイオレットである。明らかに彼女だけが異質であり、物語の現実味を損なう違和感の源して存在している。
 原作でもその生い立ちの詳細は描かれていない。
 時代的には現代よりだいぶ前、舞台はヨーロッパのどこか(ドイツっぽい)、まだ電話が普及しておらず人々の連絡手段が主に手紙であった頃のお話。
 軍人に拾われ、兵器として育てられた少女が戦争で両腕を失い、機械式の義手を装着してタイプライターを叩き、手紙の代筆をする。
 現実にはありえない存在である。

 ただ、彼女以外の登場人物のほとんどが極めて現実的で、敵対するごく一部の者を除いて彼女を見守るように、暖かく包みこんでいるために、実際はその誰よりも強力な戦闘能力を持ちながらこの少女は、静かにただ依頼人の心に寄り添うように大切に大切に手紙をタイプしていく。
 アニメでは彼女がそこに至るまでの経緯も丁寧に描かれていて、私は最初の数話を観た段階で「ずいぶんと地味な話だなぁ」という感想を持った。
 しかし、人が育つことというのは実際のところ地味なのだ。
 ほとんどの人の人生は時々イベントがありながらもその日々は淡々と、地味に経過していくものなのだ。

 などなどと言いながらまた思考がとっ散らかってしまうので、この物語については気が向いたときにぼつりぼつりと書ければいいかなと思っている。

 昨夜、飲酒の勢いでTVシリーズを数話見返してしまってやはり号泣したのだよ私は。

5分で分る アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」第1回


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