【映画】ソドムの市
ソドムの市
日本映画である。
サドの小説とは無関係だし、サドの小説を原案とするエログロスカトロ映画として悪名高い洋画の「ソドムの市」とも無関係である。
現在、Amazonプライムビデオで観ることができる。
ストーリーについて触れる気はないし、ちゃんとしたストーリーがあるのかないのかハッキリしないような作品だし、なんとなく行き当たりばったりで話が進んでいるような気がしないでもないのだが、それでもなんとなくホラーチックな、ミステリーチックなそれでいて、もしかしてこれコメディ?みたいな気持ちにもなるという、不思議な作品ではある。
監督:高橋洋
ただこの作品の脚本・監督をしてる高橋洋さんというのは、「リング」シリーズを始めやはりホラー系の映画で脚本を書いていたり、「呪怨」にも監修で参加していたり、最近ネットフリックスで制作された方の「呪怨」では脚本を書いていたりという、かなりメジャーな人で、その人がなぜこの作品を撮ったのか?というのが実は一番の謎(笑)
先ほどサドの小説とは無関係と書いたが、背徳的な行為、悪行はいろいろ出てくるので、そういう面では多少モチーフになっていると言えなくもない。
トラッシュ・ムービー
この作品は昨夜、Amazonプライムで配信されているのを偶然見つけて夜中に観ていたのだが、このチープな感じと、それ故に発生する狂気・恐怖と滑稽さがごちゃ混ぜになったような偏執的な感覚というのは、1980年代のアメリカで作られたトラッシュ・ムービーの感覚に近いような気がする。
代表的な作家としてはリチャード・カーンがいて、奇天烈な映像を手作り感満載で作り上げていく感じ、
もしかしたら「ソドムの市」はこうしたトラッシュ・ムービーのオマージュなのではないだろうかという気もしてくる。
因みにリチャード・カーンはSonicYouth/”DeathValley69”のMVも撮っていて、これなんかも超安っぽいグロさが逆に生々しく、ソニック・ユースの表現する暴力性を見事に映像化している。
いずれにしろ、観ていてスッキリする作品では無いし、コレと言って得るものも無いのだけど、ちょっと奇妙な感覚を得られる奇作ではあると思う。
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