思春期の水曜日 其二二

 昼休み終了と同時に、学級委員は別々に、二人とも教室に戻ってきた。そして何事もなかったかの如く、教師がやってきて授業が始まった。
 しかし、女子たちのひそひそ話は止むことがない。おれが男だからなのか、女子たちの態度や話しぶりは理解できない。別に誰が誰と付き合おうと、そして何か起ころうと、何を気にするのかと思う。女子たちのカーストは、スクールカースト全体からもはみ出る異常さを感じる。
 おれの恋は敗れた。涙も流した。心底悔しかった。だからといって、男の学級委員を悪く言う事はしない。まして、相手の男が不良にボコられたからといって、女子学級委員まで白い目を向けられるのは不気味でさえある。
 女心、という言葉がある。おれは今日を境に、女心を疑いの目をもってしか見られなくなりそうな悪寒を感じていた。

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