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上野 紗妃
2023年2月13日 16:19
丘の中腹にある小さな駅、そこから坂道を登って行くと白い校舎がある。あたりを広大な森に囲まれた城壁の中に三つの棟があり、一番高い棟の西端に鐘楼がある。校舎の南側に沿ってそれぞれテニスコートやグラウンド、体育館などが併設されている。『私立白樺女子学園』その高等部に丘 絵里は勤務している。 縁あって母校に就職出来て三年目を迎えた。現在は新米の国語教師だ。それまでは図書館で司書の仕事をしていた。 在
2023年2月12日 20:42
理事長室を出た絵里が、廊下の角でぶつかった相手は、園子にそっくりな少女、鈴木沙耶香だった。「すみません。あっ」謝った沙耶香は右肩を押さえて顔を顰めた。「肩を打ったのね、何を急いでいたの?」「いえ、部活の練習に行こうとしてて……」「そう、とりあえず、一緒に保健室に行って診てもらいましょう。部活の方は後でわたしからちゃんと説明するわ。これでも演劇部のOBなのよ」 沙耶香は頷いて立ち上
2023年2月11日 20:43